55歳の転職は難しい？求められるスキルや成功する人の特徴も解説

55歳の転職は一般に厳しいと言われています。定年に近い年齢であることや、若年世代に比べて人材に求められるレベルが高いこと、そもそも求人が少ないことなどが理由に挙げられます。

55歳での転職が難しいことは事実ですが、しかし転職が不可能というわけではありません。

そこで本記事では、55歳での転職が難しいと言われる理由や求められるスキル、転職が成功・失敗する人の特徴や転職を成功させるコツを紹介します。

55歳で転職を検討している人や、転職活動を始めたいがどうしたら良いか迷っているという人はぜひ参考にしてみてください。

55歳での転職が難しいと言われるのはなぜ？

求人数が少ない

55歳の転職が難しいと言われる理由の一つに、求人数が少ないことが挙げられます。

そのため、55歳の社員を新たに雇用しようという意欲のある会社は少なく、基本的に人材の需要は低いと言えるでしょう。

また、定年間近ともなると退職する人も少ないため、同年代のポストが空きづらく人材の流動性が低いことも求人が少ない原因の一つです。

企業から求められるレベルが高い

55歳はその長い社会人経験の中で身につけたスキルや経験・知識において、若手社員以上の強みを持っています。

もし転職をするとなると、想定されるポストはこれまでの経験や知識を活かせる管理職以上と考えて良いでしょう。

ただ、このスキルの高さも自社の管理職以上の人材と比較されるため、すでにいる社員よりも能力が高く、新たに雇用するメリットがある人材だとアピールできなくてはいけません。

転職によって年収ダウンのリスクがある

55歳は転職によって年収が大きく下がるリスクがあります。

転職をせず勤め続けた場合でも、役職のある50歳前後までは年収は右肩上がりに上昇していく傾向がありますが、55歳頃になると、役職を外され収入は低下するのが一般的です。

「減少した」と答えた人では賃金の減少が1割未満だった人は10.4%、1割以上だった人は37.3%です。

55歳以上の人材は転職によって収入アップを実現する人もいるものの、やはり転職者の半数ほどは収入が大きく低下してしまう傾向にあるようです。

出典：厚生労働省「令和2年雇用動向調査」

55歳の転職で求められるスキル

前職での豊富な経験

55歳ともなると新しい仕事を覚えたり、技能や資格の習得は難しいでしょう。

企業も55歳の人材に対しては前職で得た豊富な経験や実績を期待しているため、転職に際して新たな資格を取得したり技能を身につけたりする必要はありません。

会社にとっては事業を拡大したり、経営を安定させるための重要な財産と見なされることもあります。特に、同業界であれば55歳の経験・スキル・実績は強い武器になるでしょう。

若手や新人を育成できるマネジメントスキル

役職の有無に関わらず、55歳には専門性だけではなく若手の育成やマネジメントのスキルが求められます。

長い勤続経験の中で、育成・マネジメントの仕事を一度はしたことのある人も多いのではないでしょうか？

もしチームを率いてプロジェクトを行ったり、部下を育成してきた経験があれば、それは転職時に必ずアピールすべきポイントです。

どのくらいの規模のチームを率いたのか、どのようにマネジメントを行ったのか、プロジェクトはどのような成果に繋がったのか、事前に整理してまとめておくとよいでしょう。

定着率の高さ

55歳の人材には定着率が高いという魅力があります。定年を迎えるまでには10年ほどの期間しかないため、「勤務年数で見れば勤められる期間は短いのでは」と思われるかも知れません。

企業は、55歳という年齢からして最後の転職先である場合が多く離職率が低いこと、また、管理職やマネジメント経験のある人材なら責任感が強いことから、すぐには仕事を投げ出さないだろうと考えます。

55歳の転職で成功できる人の特徴

専門的な資格やスキルがある

年齢が高いほど、転職においてはその業界や職種における資格や専門的なスキルが求められます。よって、これまでの経験で得てきた資格やスキルを棚卸ししてみましょう。

企業が求めているのは即戦力の人材です。もしこれといった専門的な資格やスキルを持っていない場合、焦って新たな資格を取得しても付け焼き刃で、転職のプラス材料とはなりにくいでしょう。

前向きな転職理由がある

面接では転職の理由をネガティブに語らないようにしましょう。

親の介護など家庭の事情や、体力的に現在の仕事を続けることが難しくなった、また、役職定年を迎え年収が下がってしまいやりがいを失った等、55歳の転職には様々な事情がつきものです。

転職理由を話すときは、「まだまだ現役として頑張りたい」、「自分のスキルや能力を活かして働きたい」「新たな挑戦をしたい」といったように、前向きな言い方に変えて伝えるようにしましょう。

企業分析をしっかりできている

55歳の転職では若い世代に比べ、求人が限られています。そのため、入社後に「思っていた仕事と違った」と言って、再転職をしようとしても容易ではできないでしょう。

やみくもにいくつもの求人に応募したり、企業分析をおろそかにした状態で転職活動を行っても、選考を通過するのは難しいでしょう。

応募前には、求人票だけでなく企業サイトや転職エージェントからの情報を得て、具体的な仕事内容や会社の雰囲気などを明確にしておくと入社後のギャップを小さくできます。

55歳の転職で失敗してしまう人の特徴

面接対策ができていない

転職活動において面接対策は重要です。

また、社会人経験の長さゆえに面接でこれまでの実績ばかりを話してしまわないように注意しましょう。企業が知りたいのは、入社後にどんな能力や資格を活かして会社に貢献してくれるかということです。

華やかな実績や成功体験も重要ですが、そこで得た経験をどう転職先で役立てられるかまで説明できなくてはいけません。

前職の不満を言ってしまう

面接の場で面接官が「これまでの仕事で不満に感じたことは何ですか？」と聞くとき、これは単に前職での仕事に対する不満を聞きたいわけではありません。

応募者がどんなことやどんな状況に不満を感じるのかを知りたい、また、困難な状況に面したときにどう改善努力をしてきたかという点を見たいと思っています。

転職する以上、何かしら現職に対する不満があることは当然です。

しかし、それをそのまま述べるのではなく「役職は外されたが若手のサポート役として尽力した」「待遇が変わったことで心機一転し新たな挑戦をしたいと思った」等、ポジティブに言い換えましょう。

前職でのポジションや年収に固執してしまう

前職で高ポジションに就いていたり、高い年収をもらっていた人は、転職時にも応募先企業に高いポジションや年収を求めてしまい、転職が難航するケースがあります。

55歳ともなるとある程度の肩書や年収があるため、転職先にも同様の条件を求めるのは仕方のないことです。

そのため高年収・高ポジションに絞って求人を探してしまうと応募先が限られてしまい、転職活動が長引いてしまう可能性もあります。

「年収は下がるが役職はついている」「役職もなく、年収も下がるが妥協できる金額だ」等、ある程度譲歩できる部分と譲れない最低条件だけは決めておき、転職活動に望むようにしましょう。

55歳の転職におすすめの仕事

男性向け

55歳で未経験の業界に転職しようと考えている男性には、以下に挙げる仕事がおすすめです。

運送業・タクシー運転手は他に特別な資格を持っていなくても運転免許があれば仕事を始められます。タクシー運転手には55歳以上のドライバーも多いため、採用のハードルはそれほど高くないでしょう。

運送業界も中高年がたくさん活躍している業界です。重い荷物を運ぶ肉体労働があるため、体力や腕力に不安のある方は、ドライバーだけではなく、倉庫仕分け・ピッキング・検品などの求人もチェックしてみてください。

ただ、外で行う交通誘導警備などは炎天下や寒空の下、何時間も立って仕事をしなくてはなりません。体力に自信のない方はできるだけ屋内の施設警備の求人を探しましょう。

女性向け

55歳で未経験の業界に転職しようと考えている女性には、以下に挙げる仕事がおすすめです。

どれも特別な資格やスキルは不要の仕事です。

少子高齢化が進む中、特に介護職は常に人手不足で求人募集を行っている業界ですから、他の業界に比べて就職しやすいでしょう。

清掃業は年齢を選ばず人材を募集しており、年齢を気にせず働けます。一人で業務を行うことも多いため、誰かと一緒に働くことやコミュニケーションをとることが苦手な人におすすめです。

勤務先は公共交通機関や宿泊施設・オフィスビル・商業施設など多岐に渡り、条件に合う勤務地が見つけやすいでしょう。

人とのコミニュケーションが得意なら、接客業もおすすめです。臨機応変な対応力が求められますが、カウンターセールス・コールセンタースタッフ・店舗販売など求人の選択肢もぐっと広がるでしょう。

55歳の転職を成功させるコツ

転職エージェントを活用する

55歳での転職では、転職エージェントを活用し転職の成功率を高めましょう。特に、50代以上の求人を多く取り扱っているエージェントへの登録がおすすめです。

先に述べたように、50代の転職は求人数が少なく、情報も手に入りづらい傾向があります。

選考や面接がトントン拍子に上手くいく可能性も低いため、独力で転職活動を成功させるのはかなり難しいでしょう。

転職エージェントでは、求職者の要望に沿った求人紹介はもちろん、キャリアカウンセリングを通して転職の方向性を示してくれ、ポイントを押さえたサポートを受けられます。

多くの転職エージェントでは基本的に無料で登録・利用ができるため、いくつかのサービスを併用して利用するのもおすすめです。

これまでのキャリアを棚卸する

自分のキャリアの棚卸しを行い、整理しましょう。

これまでどのようなキャリアを積み実績を作ってきたか、スキルや資格を得てきたかなど、キャリアを振り返って整理することで、経験やスキル・資格など自分の強みを分析して明確にできます。

どのような仕事ができるのか、転職先の企業で自分がどうなっていきたいのか、入社後の姿を具体的にイメージしてみましょう。

55歳での転職は求められる能力の水準が高く、年齢がネックになりやすいという点で若年世代の転職よりもやや不利ですが、企業の求める人物像とぴったりマッチしていれば採用の確率は高まります。

面接対策をしっかりと行う

面接に際しては、しっかりと対策を練って臨みましょう。長い社会人経験の中、商談や業務など人前で話す機会は多いかもしれませんが、選考・審査される面接の場で話をするということはまた別です。

また、あがってしまったり緊張でたどたどしく話してしまうのも、20代であればプラスに働く可能性もありますが、中高年世代ではそうもいきません。

サポートの厚い転職エージェントでなら、模擬面接講座や面接対策講座を受けられますので、ぜひ活用してみてください。

55歳の転職におすすめの転職エージェント3選

ビズリーチ

ビズリーチは取り扱い求人の3分の1以上が年収1,000万円以上※2という転職エージェントです。

ビズリーチでは「プラチナスカウト」というものがあり、ビズリーチに所属する優秀なヘッドハンターがユーザーのレジュメを見てスカウトを送ります。このスカウトを受けると必ず面接に進むことができます。

厳選された優秀なヘッドハンターが約4,600人在籍※2しているので、レジュメを登録後はこのヘッドハンターからのスカウトを待つだけです。

※1 転職サービスに関する調査/調査会社：シード・プランニング/調査期間：2019年1月〜2月/調査対象：年収600万円以上で、転職意欲がある人
※2参照 公式サイト

出典：公式サイト

リクルートエージェント

リクルートエージェントは業界最大級※1の非公開求人を持つ転職エージェントです。

自分のアピールポイントや、どのような仕事が自分に合っているのかわからない時にも、キャリアアドバイザーとの面談を通して、スムーズに転職を進めることができます。

マイナビエージェント

マイナビエージェントはアドバイザーの質の評価が高い転職エージェントです。丁寧なカウンセリングを行ってくれるのが特徴で、信頼できる担当者に出会えたという利用者の声が多数あります。

未経験業種への転職を目指している方や、転職に不安を抱えている方はアドバイザーの質が高いマイナビエージェントがおすすめです。

まとめ

本記事で何度も述べたように、55歳で転職を成功させるのは難しいことです。

採用の間口が狭いことはもちろん、20〜30代のときの転職以上に求められるレベルが高いということも厳しさの要因のひとつです。

しかし、自らのスキルや経験・知識を整理し、企業の求める人物像とマッチできれば、年齢はそれほど大きな障害とはならないでしょう。

転職活動は一人で行うばかりではなく、転職エージェントなどプロの手を借りて、納得のいく転職を実現するようにしましょう。

記事内では55歳の転職におすすめの転職エージェントもご紹介したため、上手く活用しながら理想の転職実現を目指してみてください。