
簿記3級に必要な勉強時間は?効果的な勉強方法やおすすめ通信講座も紹介
「簿記3級の勉強時間は?」「簿記3級の効果的な勉強方法とは?」簿記試験に興味がある人なら、こういった疑問を感じたこともあるでしょう。
本記事では主に、以下のような内容について解説していきます。
- 簿記3級を取得するための勉強時間
- 簿記3級の勉強方法
- 簿記3級の勉強に必要なもの
簿記3級試験対策におすすめの通信講座も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Contents
簿記3級の試験内容・合格基準は?
簿記3級の合格基準は100点満点のうち、70点以上となっているため、ハードルは高くまとまった勉強時間の確保が必須。
他の資格では相対評価で合格点が変わるケースもありますが、簿記3級は70点以上のスコアを取得できれば確実に合格できます。
- 第1問:仕訳
- 第2問:戡定記入・補助簿・適語補充
- 第3問:決算
第1問:仕訳
最初の簿記3級の試験内容は仕訳で、45点分の問題が設定されています。仕訳は最も配点が多いため、勉強時間をしっかりと確保することがおすすめです。
また仕訳の内容は基礎的な知識がベースとなっているため、テキストを中心に反復学習を進めていくことで、ある程度の点数は確保できるでしょう。
1問1答形式の出題されるため、知識をすぐに引き出せるようになるまでテキストを暗記し、なるべく時間をかけずに第1問を駆け抜けるように進めて行くと良いです。
第2問:勘定記入・補助簿・適語補充
次の簿記3級の試験内容は勘定記入・補助簿・適語補充となっており、20点分の問題が用意されています。
全3問のうち配点が20点と最も少ないですが、完全に捨てることはリスキーなため、ある程度の勉強時間は確保するようにしましょう。
具体的な試験内容としては、勘定記入をベースに帳簿記載の一連の流れが問われます。
第1問とは違い、時間をかけずに突破することは難しいため、しっかりと問題の本質を理解し13点程獲得できれば合格も近づくでしょう。
第3問:決算
最後は決算に関する設問で、合計で35点分の配点があります。難易度の高いパートで、ただ単に知識の出し入れではなく、実際に決算書を本質的に理解することは必須。
決算整理に関する問題が出されますが、未処理事項と決算整理の仕訳の2パターンの理解が必要です。さらに決算整理仕訳に関しては、以下のようなパターンで出題されます。
- 現金過不足
- 当座借越の振替
- 商品棚卸
- 貸倒見積り
- 減価償却
- 貯蔵品棚卸
- 収益・費用の前受け・前払いと未収・未払い
上記7項目から出題されるため、一通り学習を進め自分の得意不得意を理解しておくと良いです。
簿記3級を取得するための勉強時間
簿記3級を取得するための勉強時間は100時間ほど必要になると考えられています。
毎日3時間コツコツ勉強していけば、1カ月ほどで合格できる可能性があるため、比較的チャレンジしやすい資格です。
反対に、簿記の勉強経験がある人や、経理関係の仕事をしたことがある人なら、勉強時間を短縮することも十分に可能です。
以下では、「じっくり勉強したい人」と「短期集中で合格したい人」に向けて、必要な勉強時間や勉強スケジュールを解説していきます。
じっくり勉強したい人
じっくり勉強したい人は、1日1時間ほど勉強して約3カ月で合格を目指すのがおすすめです。
仕事がある日には、朝と夜で30分ずつ勉強するのが理想ですが、残業などで思ったように勉強時間を確保できない場合もあるでしょう。
1日1時間勉強して3カ月で合格を目指す場合の、勉強スケジュールは概ね以下の通りです。
期間 | 勉強内容 |
---|---|
勉強開始~1カ月半 | 参考書を読み込み、内容を理解する |
1カ月半~2カ月半 | 予想問題や過去問を繰り返し、試験の出題傾向や自分の得意・苦手分野を把握する |
2カ月半~3カ月 | 苦手な分野は参考書で復習し、どのような問題が出ても対応できる状態にする |
短期集中で合格したい人
短期集中で合格したい人は、1日6時間ほど勉強時間を確保して約2週間~1カ月で合格を目指すのがおすすめです。
この場合の勉強スケジュールは、概ね以下の通りです。
期間 | 勉強内容 |
---|---|
勉強開始~1週間目 | 参考書を読み込み、本番試験に対応するための基礎知識を定着させる |
1週間~2週間目(前半) | 予想問題や過去問題で問題に慣れる |
1週間~2週間目(後半) | 直近の過去問題を解き、確実に合格点をとれるようにする
苦手な部分は復習し基礎知識を見直す |
簿記3級を取得するための勉強内容
簿記3級を獲得するために、まとまった勉強時間を確保し効率よく勉強を進めることが必要です。
大きく分けて必要な勉強内容としては、合計で4つあるため事前に把握しましょう。
- 過去問を解く
- 仕訳に力を入れる
- アウトプットのスピードを上げる
- もう一度過去問を解く
過去問を解く
まず最初に過去問を購入し一通り解き、自分の得意分野と苦手分野を判別しましょう。
またその際、最初に解いた際の合計点数を把握し、そこからどれくらい伸ばしていく必要があるか把握しておくことがおすすめです。
また同時に参考書も購入し、基礎知識のインプットにも力を入れ、点数アップに努めましょう。参考書で反復的に学習を続け、地道に点数を稼ぐために知識をつけていくことが重要です。
仕訳に力を入れる
次に必要な学習は、仕訳に関する知識を身に着け、基礎を固めることです。
簿記3級において仕訳に対する理解は必須となるため、取引ひとつひとつのルールに対する理解力が必要になります。
特に第1問の仕訳問題は45点分とボリュームが多く、1問1答形式のため点数の稼ぎどころです。
最初で躓くと時間配分やモチベーションもうまく調整できなくなるため、最初の仕訳で好スタートを切れるためにも、まとまった勉強時間を確保しておくと良いでしょう。
アウトプットのスピードを上げる
ある程度知識が身についた後は、その知識を素早く引き出せるよう定着させることが必要です。
簿記3級の試験時間は60分となっており、その中で第3問まで進めていかなければなりません。
仕訳はもちろんですが第2問、第3問でも解答スピードを上げておくことは必須。
最後に見直しの時間を確保するためにも、余裕を持って試験が終えられるようすぐに知識をアウトプットできるようにしましょう。
もう一度過去問を解く
上記3つの勉強内容を完了した後は、簿記3級の過去問をもう一度ときます。
目安としては3~5回ほど過去問を解き、その平均点が当日の点数とシミュレーションして良いでしょう。
またもしも、合格点に届かないとしても焦る必要はありません。
過去問を解き点数が取れない部分を重点的に勉強し、苦手克服に1~2週間ほど準備ができれば、試験当日までには仕上がるでしょう。
簿記3級の基本的な勉強方法
ここまで、簿記3級の合格に必要な勉強時間や勉強スケジュールについて解説してきました。本項では、具体的な勉強方法について解説していきます。
簿記を知る
初学者は、まず簿記とは何か知るところから始めましょう。
参考書を読んで「仕訳」や「複式簿記」「借方・貸方」などの専門用語を理解し、簿記の概要を掴み、土台となる知識を定着させることが肝心です。
簿記一巡を理解する
基本的な簿記の知識が身に付いたら、次は簿記一巡についての理解を深めていきます。
簿記一巡とは、簡単に言えば開始仕訳から貸借対照表と損益計算書の作成までの一連の作業の流れのことです。
具体的な流れは以下の通りです。
- 取引の仕訳
- 仕訳を総勘定元帳に転記
- 試算表の作成
- 決算整理の実施
- 財務諸表の作成
簿記一巡を理解していると、作業の流れや時期が分かり、問題を解くために必要な情報を見極められるようになります。
勘定科目を覚える
勘定科目とは、企業の取引内容やそれに伴うお金の出入りを分かりやすく分類するための簿記の科目を指します。
簿記の勘定科目は主に、資産、負債、純資産、収益、費用の5つに大別されます。
勘定科目 | 概要 | 具体例 |
---|---|---|
資産 | 企業が支配する経済的資源 | 現金、売掛金、建物、土地、投資有価証券 |
負債 | 将来的に引き渡す義務がある経済的資源 | 買掛金、支払手形、借入金、前受金 |
純資産 | 資産から負債を除いた金額 | 資本金、新株予約権 |
収益 | 取引に応じて得た利益 | 売上、受取利息、 |
費用 | 取引に応じて発生した消費される金銭 | 仕入、水道光熱費、人件費 |
勘定科目が理解できれば、仕分けも問題も解きやすくなります。
仕分ルールを覚える
仕分とは、取引に基づいたお金の流れを勘定科目に振り分けることを言います。
取引内容を簿記の帳簿に記帳する際には、仕分のルールに従う必要があります。仕分けルールを覚える際は、前述した簿記一巡を参考にして勉強している箇所を把握するようにしましょう。
簿記3級の勉強に必要なもの
簿記3級の勉強に必要なものは、概ね以下の通りです。
- 電卓
- テキスト・演習問題集
- 過去問題集
- 予想問題集
それぞれ見ていきましょう。
電卓
簿記3級試験は計算問題も出題されるため、電卓は必須です。ただし、試験当日に持参できる電卓には制限があることを留意しておかなくてはなりません。
具体的には、以下のような機能がついている電卓を持ち込むことは禁止されています。
- 印刷機能
- 音が出る機能
- プログラム機能
- 辞書機能
こういった機能が無い電卓であれば、試験に持ち込むことが可能です。
テキスト・演習問題集
テキスト(参考書)や演習問題集も必須です。とはいえ何冊も買う必要は特になく、それぞれ一冊あれば十分だと言えます。
簿記3級の試験は、基本的な簿記の知識が問われる問題が多く出題されます。そのため、難解な専門書ではなくわかりやすく解説されているテキストを選ぶのがおすすめです。
また、簿記の試験範囲は数年ごとに改定されるため、演習問題集は最新の出題範囲に対応しているものを選ぶことが重要です。
過去問題集
簿記三級試験にかかわらず、大半の試験には一定のパターンや傾向があります。過去問題集は、そうした試験問題の出題傾向を掴むために必要になってきます。
前述したように簿記の試験範囲は定期的に改訂されます。数年前の過去問題集は現在の試験範囲と異なる可能性があるため、直近の過去問題集を選ぶのが無難です。
予想問題集
予想問題集では、過去の本番試験の傾向をもとに次の試験で出る可能性が高いと予想される問題を解くことができます。
過去問題集で問題のパターンを把握し、予想問題集でより実践に即した対策をすることで、合格率を格段に高めることが期待できます。
簿記3級は独学でも合格できる?おすすめの勉強方法
本項では、簿記3級試験のおすすめの勉強方法や、各勉強方法が向いている人の特徴について解説していきます。
独学
簿記3級の合格率は45%ほどであり、必要な勉強時間も約100時間とそれほど多くないため、独学で合格を目指すことも可能です。
独学が向いている人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 費用を安く抑えたい人
- 自分のペースで勉強したい人
- 効率良く勉強できる人
独学の大きなメリットは、費用を安く抑えられることです。前述したように、簿記の勉強に必須なのは、電卓と数冊のテキストや問題集のみなので、勉強費用は1万円程度で済むケースが大半です。
勉強する場所や時間も自由です。仕事の合間に勉強したい人や、他人に学習進捗を管理されたくない人は独学が向いていると言えます。
計画を立てるのが苦手であったり、モチベーションが保てずに計画通り勉強できない場合には、通常よりも多く勉強時間が必要になる可能性も考えられます。
また、試験問題を暗記することに専念してしまい、実践的なスキルが身につかない場合があるのも独学の難点です。
通学講座
通学講座を利用して本格的に指導を受けるのも手です。通学講座が向いている人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 講師から直接勉強を教えてもらいたい人
- 勉強時間を確実に確保したい人
- 同じも目標に向かう仲間が欲しい人
通学講座であれば、指導経験豊富な講師から直接勉強を教えてもらえます。
通学さえすれば勉強時間を確実に確保できるため、勉強に苦手意識がある人でも継続しやすいでしょう。
勉強につまずいた時も、同じ目標に向かう仲間がいればモチベーションを維持しやすくなります。
通信講座
通信講座であれば、インターネットを介して場所や時間に囚われず講座を受けることが可能です。
通信講座が向いている人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 自分のペースで受講したい人
- 効率的に勉強したい人
- 費用を抑えつつ質の高いサポートを受けたい人
通信講座は、通学講座とは異なり事前に撮影された講義映像を視聴する形式で受講するのが一般的です。
講座は、効率良く知識を身に着け短期間で合格を目指すためのカリキュラムが組まれているため、初学者や自分で計画を立てるのが苦手な人でも高い学習効果が得られます。
また、簿記三級の通信講座は1,000円~30,000円ほどが相場であり、独学よりは費用がかかるものの通学講座に比べればリーズナブルな価格帯となっています。
簿記3級の勉強におすすめの通信講座3選
スタディング簿記講座

- 低価格講座でコスパ良く資格取得を目指せる
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- インプットとアウトプットで効率よく記憶に定着・短期合格を目指す
- 本試験と同じ形式のテスト教材付き
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簿記初学者でも学びやすいコースに加えて、商業簿記や工業簿記の上級者向けのコースも短期間合格を目指した学習カリキュラムが組まれています。
模試試験や直前対策もパックに含まれているので、簿記試験を想定しながら学習を進められ、試験ギリギリまで対策を練ることができます。

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合格実績 | 記載なし |
運営会社 | KIYOラーニング株式会社 |
ユーキャン簿記講座

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- オリコン顧客度満足度調査2年連速第1位※公式サイト
学習月に合わせて一番近い試験日から逆算して、自分だけの学習スケジュールを組んでくれるため最短ルートで合格を目指せます。
学習時間は1日30分からなので、まとまった学習時間を確保できない方や、短期集中型の方などスキマ時間で学習を進められます。

講座の価格例(税込) |
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合格実績 | 記載なし |
運営会社 | 株式会社 ユーキャン |
クレアール簿記講座

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講座の価格例(税込)※キャンペーン適用時 |
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主なサポート体制 |
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合格実績 | 記載なし |
運営会社 | 株式会社 クレアール |
よくある質問
まとめ
今回は簿記3級の勉強時間や勉強方法、試験対策におすすめの通信講座などについて解説しました。簿記3級試験に合格するには100時間ほどの勉強が必要になると言われています。
1日1時間でも勉強時間を確保できれば約3カ月で合格することも可能であるため、比較的チャレンジしやすい資格だと言えるでしょう。
簿記3級は独学で合格することも可能ですが、短期間で合格し、仕事の現場でも生かせるノウハウをより高いレベルで身つけたい場合には通信講座を利用するのもおすすめです。
記事内ではおすすめの通信講座を紹介したため、簿記3級の合格を目指して勉強を始めたい人はぜひチェックしてみてください。