
行政書士試験に必要な勉強時間は?勉強方法のポイントも徹底解説
行政書士は、司法書士などと並ぶ法律系の人気資格のひとつです。
行政書士になりたい場合、まず試験を突破して資格を取得する必要があります。「合格するための勉強時間はどのくらい?」「どうやって勉強すればいい?」と悩んでいる人もいるでしょう。
そこで今回は、行政書士試験合格に必要な勉強時間の目安と、おすすめの勉強方法について詳しくご紹介します。
- 行政書士試験合格のために必要な勉強時間の平均
- 行政書士試験合格に向けての勉強方法
- 行政書士試験合格に向けて意識したい勉強時間の活用方法
- 行政書士試験の勉強に活用したい通信講座
行政書士資格取得を目指している人は、この記事を参考に合格に向けての第一歩を踏み出しましょう。
Contents
行政書士の試験内容・合格基準は?
行政書士資格は行政書士法に定められた国家資格で、行政書士の主な仕事は以下の3つです。
- 書類作成業務:官公署に提出する書類や、権利や義務に関わる書類の作成
- 許認可申請の代理:官公署から許可や認可を取るための代理申請
- 相談業務:書類作成や申請代行に関する相談業務
この章では、行政書士試験の内容や合格基準を解説していきます。
全体で180点以上は必須
行政書士試験は3時間の筆記試験で、「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関連する一般知識等」が出題されます。
科目名 | 出題形式 | 出題数 |
行政書士の業務に関し必要な法令等 | 択一式および記述式 | 46題 |
行政書士の業務に関連する一般知識等 | 択一式 | 14題 |
令和3年度の合格率は11.18%と、難易度の高い試験です。受験資格はなく、年齢や学歴などを問わず誰でも受験可能です。※
合格基準
合格基準は、下記すべての要件を満たすことです。
要件 | 詳細 |
法令科目の得点が、満点の50%以上 | 244点中50%にあたる122点以上であること |
一般知識科目の得点が、満点の40%以上 | 56点中40%にあたる24点以上であること |
試験全体の得点が、満点の60%以上 | 300点中60%にあたる180点以上であること |
各科目の基準点を満たしていれば、全体得点180点以上が合格ラインとなります。
法令科目
行政書士は法律の専門家として働くため、実務において法律知識は必須です。法令科目は、行政法、民法、憲法、基礎法学、商法・会社法から出題されます。
法律は、さまざまな制度が絡んでいることが多いため、最初は法と法の繋がりが理解できないこともあるでしょう。
しかし、全体像が見えてくると「こことここが繋がるのか」と理解できてくるので、まずは立ち止まらずにどんどん勉強を進めることがポイントです。
一般知識
一般知識科目では、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解に関する問題が14問出題されます。
合格基準は24点(6題)なので、得意な分野を見極めて対策するのもひとつの方法です。
一般常識科目では、政治・経済・社会で約7問、情報通信・個人情報保護で約4問、文章理解で約3問出題されます。
政治・経済・社会は出題範囲が広くて対策が取りにくい分野なので、情報通信・個人情報保護と文章理解の対策を重点的に行うのがおすすめです。
行政書士試験の合格に必要な勉強時間の目安
行政書士試験の勉強時間
行政書士試験の勉強時間は、法律知識の有無やほかの保有資格などによって勉強の範囲が異なるため、個人差が大きいでしょう。
そのうち、講義にかかる時間は200~300時間ほど、復習に費やす時間が300~400時間ほどとなっています。
予備校や通信講座は効率的に学習できるノウハウを教えてくれますが、独学の場合はまず情報収集から始めなくてはなりません。
よって、独学で行政書士試験の勉強をする場合、目安よりもさらに時間がかかるでしょう。
行政書士試験の勉強を始める時期
勉強に600時間かかる場合、1日にどれくらいの勉強時間を確保できるかによって、勉強開始時期は異なります。毎日2時間勉強すれば10カ月、3時間勉強すれば7カ月ほどかかる計算です。
しかし、働きながら毎日欠かさず2~3時間の勉強時間を確保するのは、至難の業です。飲み会や残業、家族の予定、体調不調など、勉強時間が確保できないこともあるでしょう。
また、いざ勉強を始めるとわからない箇所が出てくるなど、スムーズに進まないこともあり、さらに勉強時間が必要になることも考えられます。
行政書士試験の基本的な勉強方法
最新の教材・参考書をそろえる
行政書士試験を受けるにあたり、まずは教材や参考書を用意する必要があります。法改正などのため、古い教材では情報に誤りがある可能性を踏まえ、教材は最新のものをそろえるようにしましょう。
できればネットではなく書店に足を運び、活字の大きさやわかりやすさ、デザインなど、自分好みのものを探してみるのがいいでしょう。
行政書士試験の効率的な勉強方法を把握するため、受験のノウハウが記載されている本を読んでみるのもいいかもしれません。
過去問を繰り返し解く
行政書士試験の傾向と対策には、過去問が最大の教材になります。頻出する分野やひっかけ問題など、過去問からわかることもたくさんあるでしょう。
過去問を分析することで、勉強すべき項目を明確にするのが大きな目的です。
まだ過去問を解くほどに知識が身に付いていないなら、過去問を読んでみるだけでも効果があるでしょう。解説から読んでみるのでも構いません。
ある程度勉強が進んだら、並行して過去問を解いてみるのがおすすめです。過去問を活用すると、メリハリをつけて勉強が進みます。
質問の仕方を変えながら同じ内容の問題が出題されることが多いため、過去問を繰り返すことで知識の定着にもつながるでしょう。
モチベーションを維持する
試験勉強の際には、モチベーションの維持も重要なポイントになります。特に行政書士試験の勉強は長丁場になるため、途中でモチベーションが下がってしまうこともあるかもしれません。
同じ目標を持った仲間がいると、モチベーションの維持しやすくなります。特に独学の場合は孤独になりがちなので、ネットなどで同じ目標を持った仲間を探してみるのもいいかもしれません。
行政書士試験に合格するための勉強時間の使い方
勉強スケジュールを決める
行政書士試験の勉強方法としては、まず勉強スケジュールを立てることから始めましょう。どの教材を、いつまでに、どんな順番で進めていくかを、きちんと決めておくことが大切です。
勉強スケジュールを事前に立てておくことで、効率的に勉強を進めることにつながります。
全て予定通りに進めようとするのではなく、ざっくりとした月間スケジュールを立てておき、週間スケジュールやその日のスケジュールといったように予定を立てていくと、微調整がしやすくなるでしょう。
勉強の順番を決める
行政書士試験は、一般知識3科目、憲法・基礎法学・民法・行政法・商法の法律系科目5科目が出題範囲です。さらに、選択式や記述式など、出題形式もいくつか種類があります。
試験の配点のうち、比重が高いのは民法と行政法の2つです。この2科目に重点を置くことが、行政書士試験突破のカギになります。
ほかの科目の勉強時間とのバランスを考えつつ、ベストな勉強方法を探りましょう。
すき間時間を活用する
資格勉強をいざ始めてみると、忙しくて勉強する時間がないという壁にぶつかる人も多いのでしょう。仕事をしながら別途勉強の時間を確保するのは、思った以上に大変です。
代表的なすき間時間は、移動時間やテレビやスマホを観る時間、晩酌の時間などです。スマホで勉強できるようにしておいたり、カードで暗記するなどすれば、電車の中でも勉強しやすいでしょう。
試験勉強中は、一日のうち楽しみに費やす時間を思い切って辞めてみる努力も必要です。
完全にやめるのが難しいのであれば、時間を半分にする、週末だけにするなど、自分のルールを作ってみるのもいいかもしれません。
行政書士試験に合格するためにおすすめの勉強法
行政書士試験を勉強するための方法は、通信講座とスクール、独学の、主に3つが挙げられます。最適な勉強方法は人によって向き不向きがあるため、ライフスタイルや性格によって決めるのがおすすめです。
どの勉強方法を選ぶべきなのか、それぞれのメリット・デメリットを踏まえながら考えてみましょう。
通信講座で学ぶ
通信講座は、与えられたテキストや講義動画などを使って自分で勉強を進めていく勉強方法です。
いつでもどこでも勉強を進めることができる自由度の高さが、通信講座の大きなメリット。近くにスクールがない人でも利用することができます。
通学時間も勉強に充てられるため、時間を有効活用できます。しかし、学習スケジュールは自分で立てる必要がある、すぐに質問できるわけではないといったデメリットもあるでしょう。
スクールに通う
スクールのメリットは、講師から直接講義を受け、何かあれはすぐに質問ができることでしょう。同じ目標を持つ仲間と知り合えるため、モチベーションを維持しやすいのもメリットのひとつです。
それに対してスクールのデメリットは、カリキュラムに合わせて通学しなければならないことです。
資格取得だけに注力できるなら問題ないかもしれませんが、仕事をしながら勉強をしている場合、急な残業や付き合いなどですべての授業に出席できない可能性もあるでしょう。
独学で勉強する
独学で勉強を進めるメリットは、何といっても通信講座やスクールと比べて費用が抑えられる点でしょう。書店で販売されている参考書や教材をいくつか用意するだけで、あとは自分で進めていくこととなります。
独学のデメリットは、参考書や教材選びからスケジュールの設定まで、すべて自分ひとりで進めなくてはならないことです。勉強方法を間違ってしまうと、なかなか結果につながらない可能性もあるでしょう。
行政書士になるためにおすすめな勉強内容
過去7年間の合格率は8%~15%前後で推移しているほど、難易度の高い行政書士試験。
この章では、効率的に合格を目指すためにおすすめの勉強内容を解説するので、参考にしてみてください。
- 行政に関する勉強
- 民法に関する勉強
- 憲法に関する勉強
- 商法の優先度は低い
行政に関する勉強
行政法は法令科目のなかでも配点が高く、令和元年度は法令科目244点中112点が行政法の問題でした。
出題形式もさまざまで、5肢択一式、多肢選択式、記述式のそれぞれで出題されているのも特徴です。
行政法では、「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」「国家賠償法」「地方自治法」のメイン五法の対策が重要。
条文からの出題が多いので、まずは条文を読み込んで理解し、次に判例を学習するのがおすすめです。
民法に関する勉強
民法の配点は法令科目244点中76点と、行政法に次いで配点の高い科目です。
近年、民法の難易度が上がってきていますが、しっかりと対策をすれば得点を稼げる分野であるとも言えるでしょう。
民法は全体像を掴むことで理解度が高まります。
まずはひと通り勉強してから再度学習したり、場合によっては図解で内容を整理するなど、具体的にイメージしやすい方法で勉強することがおすすめです。
憲法に関する勉強
憲法は、行政法・民法に次いで配点の高い科目です。5肢択一式と多肢選択式で出題され、記述式の出題はありません。
憲法の出題分野は大きく分けて人権と統治の2分野で、人権は判例の知識、統治は条文の知識に関する出題が多いのが特徴。
過去問題で出題方法や引っ掛けの傾向を掴み、繰り返し勉強していくことがポイントです。
商法の優先度は低い
商法・会社法は5肢択一式で出題され、5問20点の配点です。過去問題から頻出テーマを分析し、繰り返し学習することで対策ができます。
商法は、出題範囲が狭く出題数も1題なので、全体のインプットを繰り返すことで点数を取りやすいのが特徴。
会社法は、「株式会社の設立」や「取締役に関する問題」など、過去問題から頻出分野を絞って勉強すると効率的です。
行政書士試験に合格するために通信講座を使うメリット
難易度の行政書士試験に効率よく合格するためには、通信講座の活用がおすすめです。
この章では、通信講座を使うメリットを3つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 難易度の高い問題も解きやすい
- 最短の学習時間で合格できる
- 疑問点をすぐに解消できる
難易度の高い問題も解きやすい
通信講座では、過去の出題範囲や法律の改正内容を考慮したテキストや動画を使用して学習できます。
通信講座によっては、自分の間違いやすいポイントや傾向などを教えてくれるところもあるので、難易度の高い問題も解きやすいのが魅力です。
どの問題の難易度が高いかは、個々の不得意分野によって異なるので、一般的なテキストだと対策しきれないことがあります。
添削指導のある通信講座を選ぶと、個々の傾向に合わせて指導してもらえるので、効率的に対策できるのがうれしいポイントです。
最短の学習時間で合格できる
行政書士試験に合格するためには、500~800時間もの学習が必要と言われています。
通信講座では、自身の希望に合わせた学習計画をサポートしてくれるところもあり、最短の学習時間で合格を目指せるのが大きなメリットです。
対策範囲が広く膨大な学習時間が必要となると、途中でやる気やモチベーションが下がってしまうこともあります。
通信講座のサポートを受けて項目ごとに目標を定めた学習計画を立てることで、途中壁にぶつかって手が止まるなどの心配がなく、最短での合格を目指せます。
疑問点をすぐに解消できる
行政書士試験に合格するためには、分からないことはそのままにせず、都度解決していくことが重要。
通信講座では疑問点を質問できるサービスもあるため、時間を無駄にせず、すぐに解消できるのがメリットです。
講師に質問できるサービスのほか、添削指導があるとさらに安心。
間違えやすいポイントなどを客観的に判断し、自分に合わせた勉強方法などを提案してくれるので、より効率的に試験対策ができます。
行政書士試験に合格するために通信講座を使うデメリット
行政書士試験の勉強には通信講座がおすすめですが、利用にはいくつか注意点があります。
注意点も把握したうえで、自分に合った通信講座を選びましょう。
- 費用がかかる
- 相性の善し悪しがある
- 地力が育たないことがある
費用がかかる
通信講座は、独学よりも費用が掛かるのがデメリットのひとつ。さまざまな通信講座を比較して、予算に合うサービスを選ぶ必要があります。
費用は掛かりますが、独学にはないさまざまなサービスを提供しているのがポイント。
通信講座はテキストだけでなく、講義動画の視聴や質問サービス、添削指導、カウンセリングなどのサービスもあるので、自分に必要かどうかを判断するようにしましょう。
相性の善し悪しがある
通信講座はたくさんのサービスがあり、なかには相性が合わない講座もあるので注意しましょう。
ひとつの通信講座だけを見て判断するのではなく、複数の通信講座内容をチェックして、比較してから選ぶことがポイントです。
複数の通信講座をチェックする前には、費用やサポート内容など、自分が通信講座に求めるサービスや条件を整理しておきましょう。
サービスを比較した時に、自分に合う通信講座の判断ポイントが明確になり、効率的に通信講座を選べます。
地力が育たないことがある
通信講座は分からないことをすぐに質問できる点がメリットですが、使い方を間違えると、本質的な地力アップにつながらない点もデメリットです。
疑問点に対する「答え」だけを得ようとすると、「考え方」が身に付かないので、応用問題が出たときに対応できなくなってしまいます。
「分からない」という基準を下げすぎると考える力が衰えてしまうので、まずは自分でしっかりと考えたうえで、どこがどう分からないのかを明確にしてから質問するようにしましょう。
行政書士試験の合格を目指す人におすすめの通信講座3選
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学べる資格例 |
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運営会社 | 株式会社アガルート |
出典:アガルートアカデミー
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講座数※2022年6月5日時点 | 30講座 |
学べる資格例 |
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運営会社 | KIYOラーニング株式会社 |
出典:STUDYing
よくある質問
まとめ
今回は、行政書士試験合格のための勉強時間と勉強方法について解説しました。
行政書士試験の勉強には半年~1年と長丁場になる傾向にあるため、法律の知識に自信がない、仕事や家事が忙しいといった場合には、通信講座を活用するのがおすすめです。
通信講座は効率的に勉強が進められるようカリキュラムが組まれているため、しっかり活用して学習を進めていくことで、行政書士資格の勉強と対策ができるでしょう。
今回ご紹介した通信講座を活用して、ぜひ行政書士試験合格を目指してください。