
行政書士試験は独学で合格できる?必要な勉強時間や勉強法のポイントも解説
「行政書士試験の難易度はどのくらい?」「行政書士試験を独学で合格するためのポイントとは?」行政書士に興味がある人なら、こういった疑問を感じたこともあるのではないでしょうか?
本記事では、独学で行政書士試験合格を目指す人や行政書士に興味がある人に向けて、主に以下のことについて解説していきます。
- 行政書士試験の難易度
- 行政書士試験に合格するための勉強時間
- 独学で行政書士試験合格を目指すためのポイント
- 独学で行政書士試験の勉強をする注意点
通信講座を利用して行政書士試験の勉強をするメリットや、おすすめの通信講座も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
Contents
独学でも行政書士試験に合格できる?難易度を解説
本項では、合格率や合格基準から見る行政書士試験の難易度について解説していきます。
過去10年の行政書士試験合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和3年度 | 11.18% |
令和2年度 | 10.72% |
令和元年度 | 11.48% |
平成30年度 | 12.70% |
平成29年度 | 15.72% |
平成28年度 | 9.95% |
平成27年度 | 13.12% |
平成26年度 | 8.27% |
平成25年度 | 10.10% |
平成24年度 | 9.19% |
過去10年の間で合格率が最も高い平成29年度は15.72%の受験者が合格していますが、平均的な合格率は11%程度です。
単純に考えると受験者10人のうち一人しか合格できない確率です。ただし、行政書士試験に関しては、必ずしも「合格率=難易度」の式が成立するわけではありません。
この点を加味すれば、法律の勉強に慣れていない人や、実力試しで受験する人が合格率を下げているという見方もできます。
合格率と難易度は、完全な相関関係にあるわけではありません。したがって、合格率だけで難易度一概に判断することはできませんが、決して簡単な試験ではないと言えるでしょう。
行政書士試験の合格基準
行政書士試験は、行政法や民法などに関する知識が問われる法令科目と、政治・経済・社会・に関する知識や文章理解が問われる一般知識科目があります。
合格するには、以下の基準を全て満たす必要があります。
- 法令科目で計244点のうち122点以上の得点
- 一般知識科目で計56点のうち24点以上の得点
- 試験全体の計300点のうち180点以上の得点
合計得点が180点を上回っていても、法令科目か一般知識科目のいずれかが基準を満たしていなければ不合格です。
行政書士試験は、綿密な学習計画を立て要点を押さえて勉強しなければ合格できない難関資格と言えます。
独学で行政書士を目指すとどれくらいの期間が必要?
行政書士は士業資格試験の一つで難易度が高く、学習時間はできるだけ多く確保する必要があります。
初心者が受験する場合800~1000時間ほど必要とされているため、1日3時間と仮定しても1年ほどの学習期間が必要になります。
1~4カ月目
まず最初に1~4カ月の期間は、まず行政書士試験の基礎を固めるため、インプットの期間として学習を進めましょう。
問題集やテキストを購入する際も、応用編ではなく基礎的な入門書を選択肢、少しでも多くの知識を身につけることが大切。
各分野ごとに時間をしっかりと確保し、分野ごとの知識をインプットすることが大切。
むやみに参考書の内容を覚えようとせず、ある程度区切りをつけながら効率よく知識を身につけていくことで、後半の実践的な学習にもつながってきます。
5~8カ月
中期となる5~8ヶ月目はインプットした知識が定着するよう、反復する期間です。
約1年間という長期的な学習期間が必要な行政書士の試験では、序盤に得た知識が抜けてしまうことも珍しくありません。
合わせて、何度反復しても身につきづらい「苦手項目」の発見にも務め、自分の苦手を潰す学習も進めましょう。
学習期間の中盤段階で苦手項目を発見しておけば、行政書士試験当日まで時間があるため、まだまだ挽回するための時間が残っています。
9~12カ月目
学習期間最後となる9~12月は、実践的な学習を進める期間で、総仕上げとして最後の大詰めです。
基本的には実践的なテキストを進め、合格点に近い点数を獲得する必要があります。
また、この段階で身についた知識はテスト当日でも、特に問題なく発揮できるでしょう。
そのため、最後の仕上げで苦手分野が見つかった場合、残りの時間は苦手分野克服に集中し、点数の底上げを目指すことがおすすめです。
独学で行政書士試験に合格するための勉強時間とは
初学者が行政書士試験に独学で合格するためには、800~1000時間ほどの勉強時間が必要になると言われています。
1日2時間勉強時間を確保しても、合格までに1年~1年4カ月ほどの期間を要することになります。
法律的な知識だけでなく、各国の政治制度、国際問題、金融政策などに関する理解も求められます。試験範囲が広く求められる理解のレベルが高い分、時間をかけて対策する必要があるのです。
そういったことも考慮して学習計画を立て、余裕を持って勉強することが大切です。
独学に不安がある場合には、合格に必要な知識を効率よく身に着けられる通信講座を利用するのも手です。通信講座であれば、勉強時間を600時間ほどに短縮することが期待できます。
独学で行政書士試験の合格を目指す勉強法のポイント
独学で行政書士の合格を目指すためのポイントとしては以下のようなものが挙げられます。
- 学習計画を立てる
- 自分に合った教材を選ぶ
- 頻出箇所・法改正の情報を知る
- 繰り返し過去問を解く
それぞれ見てきましょう。
学習計画を立てる
独学で合格を目指すなら学習計画を立てることが重要です。
行政書士試験には、法令科目と一般知識科目で構成されると述べました。先に軽く触れましたが、法令科目には「基礎法学」「憲法」「行政法」「民法」「商法・会社法」があります。
なお、行政法には「行政手続法」「行政不服審査法」「行政事件訴訟法」「国家賠償法」「地方自治法」が含まれます。
独学でこれらの試験範囲を網羅しようとすると、手当たり次第テキストを読み込み、ひたすら過去問を解くという学習スタイルになりがちです。
試験日から逆算し、各科目の勉強時間や優先順位などを事前に決めておくことが肝心です。
自分に合った教材を選ぶ
基本的な内容が勉強できるテキストや、試験対策に特化した問題集、過去の試験問題が掲載された過去問題集など、行政書士試験対策用の教材には様々なものがあります。
教材によっても違いがあり、図や表が多めに用いられているものもあれば、専門性が高く文章量が多いもののあります。
教材ごとに強みがあるため、効果的に勉強を進めるには、自分に合った教材を選ぶことが大切です。
頻出箇所・法改正の情報を知る
前述したように、行政書士試験では様々な法律に関する知識が求められます。
重要なのは、頻出箇所を重点的に勉強することです。頻出箇所を知るために効果的なのは、過去問題集や予想問題集を読み分析することです。まずは、問題や解説に一通り目を通し出題傾向を把握しましょう。
改正点が反映されていない古いテキストを使用していると、実践的な対策ができない可能性があるため注意しましょう。
繰り返し過去問を解く
テキストを読み込むだけで得点アップを図るのは困難です。
過去問を解く際は問題と解答を丸暗記するのではなく、条文や判例などを深く理解することを意識すると、様々な問題に対応できる応用力を身に着けやすくなります。
行政書士試験の合格率を上げる勉強内容
行政書士の合格率を上げるためには、大きく分けて4つのポイントが存在します。
- 行政法と民法は全体の75%
- 基礎法学の配点はわすか8点のみ
- 憲法は2番目に配点が多いパート
- 商法はある程度捨てても良い
行政法と民法は全体の75%
行政書士の試験範囲は広いため、まずどの分野を抑えればよいのかを判断しましょう。
結論から言うと、配点の多い行政法と民法は行政書士の合格には欠かせない分野です。
行政書士試験は合計244点満点ですが、行政法と民法だけでも約75%の割合を占めています。
つまりこの二つは避けて通れないと同時に、裏を返すとこの2つを極めるだけでも全体の75%のスコアが記録できます。
- 行政手続法
- 行政不服審査法
- 地方自治法
行政法と民法の中でも、特に上記3つの項目は頻出される問題なので、まずは頻出される3つの分野から始めていき、少しずつ知識量を増やしていくことがポイントです。
それぞれに関する条文を暗記し、テスト当日はすぐに引き出せるよう定着させましょう。
基礎法学の配点はわずか8点のみ
次は逆に、配点が少なくそこまで時間を割くべきではないパートを見極めましょう。
行政書士試験において、基礎法学の配点は合計8点と少なく、さらには専門性が極めて高い問題がでてくるため、むしろ捨てるくらいの気持ちでも良いでしょう。
憲法は2番目に配点が多いパート
行政法、民法に続き憲法の配点は多く、28点分の設問があります。
出題傾向としては条文の暗記力を問われるものから、応用力を効かせた問題などさまざま。
条文をただ暗記すればよいわけではないため、学習時間は多くかかりますが、それでも配点が多いパートなので無視はできません。
基本的には条文を暗記しつつ過去問を解き、覚えた条文をアウトプットできるか実力を確認しましょう。
商法はある程度捨てても良い
最後のポイントは商法で、配点が20点と少ないにも関わらず、必要な条文が1000以上もあることから効率の悪いパート。
あまり時間をかけずに、他の分野に学習時間を割いて良いでしょう。
また1000以上の条文から20点分しか出題されない商法ですが、直近の過去問題を見てくと株式会社の設立手続、取締役に関する問題は出題される傾向が強いです。
そのため上記2つは最低でも把握しておき、残りのパートはそこまで重点的に進めず、他の分野に時間を割くと良いでしょう。
独学で行政書士を目指すメリット
スクールへ通わず独学で行政書士を目指すメリットは、大きく分けて3つ存在します。
それぞれの詳細を以下で解説していくため、これから試験を受ける予定の人は参考にしてくください。
- 自分のペースで学習ができる
- 時間効率が高まる
- 繰り返し苦手に取り組める
自分のペースで学習ができる
まず最初に上げられるメリットは、自分のペースで学習ができることで、現職で忙しい人でも継続的に勉強を進めやすい点です。
特に行政書士は試験のレベルも高く、継続的な学習は欠かせません。
スクールへ実際に通うとなると移動時間がかかったり、周りと合わせるなど、なかなか思うように学習が進められないことも珍しくありません。
社会人として忙しい人こそ、行政書士の学習を進める場合、独学ですすめることでさまざまなメリットを感じられるでしょう。
時間効率が高まる
次のメリットとして、時間効率が高まる点も忘れてはいけません。
自分のペースで行政書士試験の学習を進める場合、通勤時間や休み時間などの空いた時間を活用したり、仕事次第でしっかりと学習する日を区別するなど、ある程度自由が効きます。
特にスキマ時間を上手く使うことが効果的で、まとまった時間が取れないとしても、少しずつ学習をすることトータルの時間が確保できます。
そのため、時間を効率よく活用しながら、少しでも多くの学習時間をとることで試験の合格率が高まっていくでしょう。
繰り返し苦手に取り組める
最後のポイントは、自分のペースで進める独学の場合、何度も自分の苦手な分野を繰り返し学習できる点です。
行政書士試験は出題範囲が広いため、苦手分野を捨てることはあまり得策ではありません。
少しでも自信を持って試験を受けられるよう、苦手分野は繰り返し学習しましょう。
独学で行政書士試験の勉強を進める際の注意点
独学で行政書士試験合格を目指すことも不可能ではありませんが、独学にはいくつか注意点があります。
具体的な注意点としては、以下のようなものが挙げられます。
- 知識にムラが出やすい
- 自分の実力を客観視しにくい
- 学習計画の管理・モチベーション維持が難しい
それぞれ見ていきましょう。
知識にムラが出やすい
独学ではどうしても学習範囲が偏りがちです。
結果的に知識にムラが出てしまい、ある程度点数はとれるようになったものの、法令科目、一般知識科目のいずれかが基準点に届かず試験に合格できないといった状況を招く懸念があります。
自分の実力を客観視しにくい
一人で勉強をする分、自分の実力を客観視しにくいことも独学の難点です。
講座を受けていれば、選任講師からのFBを受けることで現状を客観的に把握できますが、独学の場合には過去問などの点数を参考に合格までの距離を測るしかありません。
学習計画の管理・モチベーション維持が難しい
独学の課題点として、学習計画の管理やモチベーションの維持が難しい点も挙げられます。
独学の場合には、学習進捗を管理・把握するための指標を自分で作る必要がありますし、思ったように学習成果が出ない時も自分自身を鼓舞してモチベーションを維持しなくてはなりません。
自己管理があまり得意ではない人にとっては、独学で行政書士試験合格を目指すのはハードルが高いかもしれません。
その点、通学講座であれば、同じ目標に向かう仲間の存在がモチベーションの維持に繋がるでしょう。
短期間で行政書士試験の合格を目指すなら通信講座がおすすめ
より短期間で行政書士試験の合格を目指すなら独学で勉強するよりも、通信講座を利用するのがおすすめです。
通信講座を利用するメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 短期間で合格するためのカリキュラムが組まれている
- サポート体制が充実している
- 自分のペースで勉強できる
それぞれ解説していきます。
短期間で合格するためのカリキュラムが組まれている
実績がある通信講座は、過去問の出題傾向などを徹底分析することで必要な箇所を重点的に学習できる教材を制作しています。
知識が定着しやすく得点力を向上させやすい学習カリキュラムに沿って勉強できることから、短期間での合格が目指すには最適です。
サポート体制が充実している
学習中のサポート体制が充実しているのも、通信講座のメリットです。
例えば、選任講師に分からない箇所を質問できたり、丁寧な添削指導が受けられたり、モチベーションを維持するための応援メールが定期的に届いたりと、さまざまなサポートが受けられます。
中には、学習中のサポートだけでなく、資格取得後の就職・開業までサポートしてくれる通信講座もあります。
自分のペースで勉強できる
教室まで足を運ばなくては勉強できない通学講座とは異なり、通信講座はオンラインによる動画講座・音声講座がメインです。
音声講座をダウンロードしておけば、通勤中や隙間時間を有効活用できます。前述したようなサポートを受けつつも、自分のペースで勉強を進められるのは通信講座ならではのメリットと言えるでしょう。
独学よりも効率的!行政書士試験合格におすすめの通信講座3選
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行政書士試験の合格率全国平均11.18倍に対して、フォーサイト受講者の合格率平均は38.0%です。
独自のシステムを用いて過去問を徹底分析することで製作された同テキストは、出題頻度が著しく低い論点を掲載せず、重要度が高い論点を重点的に学習できる構成となっています。
満点を目指すのではなく、合格に必要な点数を確実にとるためのカリキュラムを組んでいるフォーサイトなら短期間での合格が目指せるでしょう。
講座数※2022年6月2日時点 | 20講座 |
学べる資格例 |
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運営会社 | 株式会社フォーサイト |
アガルートアカデミー
画像
- 資格予備校支持NO.1
- 令和3年度行政書士試験の出題カバー率93.48%※1
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アガルートは、「資格予備校支持NO.1」「資格予備校口コミ評価NO.1」「資格予備校サポート体制NO.1」を獲得※2した人気通信講座です。
令和3年度行政書士試験におけるアガルートアカデミー受講生のうち初受験者の合格率は37.9%です。複数回受験者の合格率にいたっては46.15%にも上ります。
アガルートなら、無駄を省いた効率的な学習が実現します。
講義動画には、「8段階の倍速機能」や、学習したい部分だけを視聴できる「しおり機能」、テキスト同時表示、音声ダウンロードをはじめ学習をサポートしてくれる機能が多数搭載されています。
講座数※2022年6月2日時点 | 53講座 |
学べる資格例 |
|
運営会社 | 株式会社アガルート |
STUDYing
- 合格者の勉強法を徹底分析することで作られた最適な学習カリキュラム
- 図や具体的を用いて分かりやすく解説してもらえる
- 最適な学習フローで勉強が進められる
STUDYingの行政書士講座は、短期合格者の勉強方法を徹底的に解析することで最適な学習カリキュラムが構築されています。
ビデオ/音声講座によるインプット後、「スマート問題集」で学習の土台となる知識を固め、次に「過去問解法講座」で実戦に慣れ、「セレクト過去問」で得点力を向上させるといった、試験に合格するための最適な学習フローが組まれているのも特徴です。
講座数※2022年6月2日時点 | 31講座 |
学べる資格例 |
|
運営会社 | KIYOラーニング株式会社 |
よくある質問
まとめ
今回は、行政書士試験の難易度や、独学で合格するためのポイントなどについて解説しました。行政書士は試験の平均的な合格率が11%程の難関資格※です。
試験範囲が広く、幅広い法律知識に加え政治や経済に関する理解も求められるため、効率的に勉強しなければ資格取得までに膨大な時間ががかかってしまいます。
より短期間で合格を目指すなら通信講座を利用するのが効果的です。
通信講座であれば、着実に合格点を取る力を身に着けるためのノウハウが凝縮された学習カリキュラムに沿って勉強を進められます。
記事内では行政書士試験の合格を目指す人におすすめの通学講座を紹介したため、独学に不安がある人は通信講座の利用を検討してみてください。