
保育士の職務経歴書の書き方は?作成ポイントや記入項目、見本も紹介
保育士として働くうちに、働き方を変えたくなったりほかの園に憧れたりすることは、ごく自然な流れです。そこで”転職”という選択肢を選ぶ保育士も少なくありません。
しかし、転職するとなると書類作成や面接など、いくつかのステップがあります。
初めての転職や久しぶりの転職の場合、書き方がわからないこともあるでしょう。そこで今回は、保育士の職務経歴書の書き方を紹介します。
- 職務経歴書の種類と書き方
- 保育士が職務経歴書に書く内容
- 保育士の職務経歴書例文
- 保育士の職務経歴書で悩んだときの行動
保育士におすすめの転職エージェントも紹介するため、保育士で転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
Contents
保育士の転職に必要な職務経歴書とは?
転職の際「履歴書と職務経歴書を持って来てください」と言われた経験がある人も多いでしょう。
しかし、職務経歴書とはどのようなものなのか、履歴書とはどう違うのかを知っておかなければ間違った書類を提出してしまいます。
職務経歴書・履歴書の違い
職務経歴書と履歴書は、どちらも転職の際に必要になる書類です。記入項目には、具体的にどのような点が違うのでしょうか。
履歴書 |
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職務経歴書 |
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自身の経歴とアピールについては履歴書、仕事に関する実績等は職務経歴書に記載します。
職務経歴書の種類
職務経歴書の書き方は、主に3つあります。それぞれの違いを理解し、自分に合った形式を選びましょう。
編年体形式
時系列に沿って古い順から系列を並べる形式です。多くの職務経歴書のフォーマットに採用されています。
逆編年体形式
編年体形式とは反対に、新しいものから遡って時系列に並べます。直近の仕事での実績が華々しい場合、逆編年体形式を採用することもあります。
キャリア形式
業務内容やキャリア別にまとめる形式です。さまざまな業務に携わってきた場合、キャリア形式で記載すると見やすくなります。
保育士の職務経歴書に書く項目
保育士の職務経歴書では、主に3つの内容を盛り込む必要があります。
- 免許・資格
- 趣味・特技
- 長所・短所
それぞれの書く内容と書き方を見ていきましょう。
免許・資格
保育士で転職する際、保育士資格のほかに保有している資格や免許は忘れず記載しましょう。
- 幼稚園教諭第1種免許
- チャイルドマインダー
- ベビーシッター
また、英語教育に力を入れている保育園の場合は、英検やTOEICのような英語に関する資格を記載するのも有効です。
反対に、中学生レベルでも取得できる資格や、質問されて受け答えに困るような趣味の資格などは、記載しない方が無難かもしれません。
趣味・特技
保育士の職務経歴書の趣味や特技の欄は、ほかのライバルより目に留めてもらえるチャンスになります。しかし、やみくもに趣味や特技を書いても自己アピールには繋がらないため注意しましょう。
趣味や特技に書くといい内容を以下にまとめました。
- 読書
- 音楽(楽器)
- スポーツ
- 映画・音楽
いずれも趣味を羅列するだけでなく、プラス要因となるエピソードが必要です。
面接時に質問されても受け答えできる内容でなければ逆効果になるため、書く内容は厳選するのがおすすめです。
長所・短所
長所や短所について、自分ではすぐに思いつかなくても「特になし」と記入するのは避けましょう。
長所は簡潔にまとめるようにし、短所は必ず補うための努力など、前向きに締めくくれる要素をつけ足して説明します。
保育士が職務経歴書を作成する際のポイント
保育士が職務経歴書を作成するにあたって、いくつか基本的なポイントを押さえておく必要があります。
- パソコンで作成する
- 見やすさを意識する
- 内容は具体的に
職務経歴書は、手書きではなくパソコンで作成するのがおすすめです。パソコンで作ることで、情報量が多くなっても読みやすく、パソコンの基本的なスキルがあることの証明にもなります。
また、A4サイズの用紙1~2枚に収めるように簡潔に記入しましょう。
職務経歴書は採用担当者に読んでもらうための書類であるため、記載事項は簡潔で具体的に記入するように心がけなければいけません。
【見本あり】保育士向けの職務経歴書の書き方
保育士から保育士へ転職する場合の職務経歴書には、いくつか書き方のポイントがあります。
- 経験した業務内容は漏れなく記載する
- 自己PRはアピールポイントを目立たせる
- 退職理由は前向きにする
経験した業務内容は漏れなく記入する
職務経歴書を記入していると「この業務は短期間だったけど書いていいのだろうか」「些細な仕事内容過ぎて書く必要ないかな」と思う業務に出会うことも珍しくありません。
また、業務内容は箇条書きで書くことにより、見やすくなります。
ポイントを押さえた業務内容の例文を見ていきましょう。
【勤務先】 ・〇〇保育園(〇〇市認可保育所) 【雇用形態】 正社員(職員数:60人) 【担任業務】 0歳児クラスを〇年担当のち、年長クラスを〇年担当 年長クラスでは学年主任と兼任し、園行事の計画から調整までを行う 【職務内容】 ・各クラスのサポート ・他学年の先生や保護者会との連絡共有 ・実習生の指導 ・掲示物の作成 ・行事の計画や当日の進行 |
自己PRはアピールポイントを目立たせる
自己PRでは、自分の強みや企業に知って欲しいポイントを伝える項目です。そのため、流し読みされないようにアピールポイントを伝えましょう。
また、要点を押さえて簡潔に書くこともポイントです。
では、ポイントを押さえた自己PR例文をチェックしましょう。
私は保育士として働くうえで「それぞれの個性を大切にする」ことを意識しています。
一人ひとり考え方や性格は異なるのに、みんな同じように保育するのではなく、その子に寄り添った保育をするようにしています。 私たち保育士が真剣に向き合うことで、子どもも自分のことを大切にする生き方ができるようになると思っています。 |
私は勤めていた保育園で、職員10人をまとめるリーダーを担っていました。行事の計画や進行、保護者会との連携など、保育以外の幅広い業務を担当していました。
リーダーを経験したことで、職員だけでなく保護者とのコミュニケーションをとることが得意です。 |
退職理由は前向きに
人間関係や業務時間など、ネガティブなことが原因で退職する保育士も珍しくありません。退職理由は、明確にそのままを伝えなくて大丈夫です。
退職理由として職務経歴書に記載できる書き方が主に3つあります。
- 一身上の都合により退職
- 契約期間満了により退職
- 会社都合により退職
職務経歴書上は上記の書き方で問題ありませんが、退職理由について面接で詳細を問われることがほとんどです。
保育士から異業種へ転職するときの職務経歴書の書き方
保育士の転職は、再び保育士として働く以外に、異業種へ転職することもできます。
勤め先と合わない場合は再び保育士として働く選択肢が有効ですが、保育士の仕事が合わない場合は、思い切って異業種へ転職するのもいいでしょう。
保育士から異業種へ転職する場合、いくつかのコツを押さえて職務経歴書を作る必要があります。
- 保育士という職業特性を理解する
- 転職先の業界を選んだ理由を明確にする
- 応募先の企業で活かせるスキルをはっきりさせる
それぞれの詳細と、コツを押さえた異業種への転職の際の職務経歴書例文を見ていきましょう。
保育士という職業特性を理解する
保育士という職業はサービス対象が子どもであるため、ほかの職業と比べて特殊な仕事です。これを理解せず異業種へ転職しようと思うと、ギャップが生じてしまいます。
異業種への転職の際ギャップを理解していないと、職務経歴書の自己PRの欄などに的ハズレな記載をしてしまう恐れがあります。
転職先の業界を選んだ理由を明確にする
保育士から異業種へ転職をする際に選ばれやすい業種には、以下のようなものがあります。
- 事務
- 営業
- 介護
- 接客
いずれの職業も、特別な資格がなくても勤めることができることが多いため、保育士から転職する人が多いようです。
若年層の場合は、未経験職へのポテンシャル採用も可能性がありますが、年齢を重ねるごとに未経験である異業種への転職は難しくなってきます。
どうしてその業界を選んだのかは、未経験者を採用するうえで担当者が気にするポイントと言えるでしょう。
応募先の企業で活かせるスキルをはっきりさせる
保育士という職業と転職したい職種が似た業務内容ではないことが多いため、保育士で得たスキルから希望する職種に活かせられるスキルを見出すことが重要です。
具体的には以下のようなスキルが挙げられます。
- リーダーシップ
- 相手の立場で考える力
- パソコンを使った資料や書類作成
- 忍耐力・体力
いずれも職務経歴書の自己PRに書けるだけでなく、エピソードによってはスキル欄に記入することも可能です。一度、自分の経験からスキルを洗い出すのがおすすめです。
以上を踏まえた、保育士から異業種への転職での職務経歴書の例をいくつか紹介します。
私は保育士として働いていくうちにお金に興味を持つようになり、働きながら勉強し簿記2級を取得しました。その結果、簿記の資格を活かせられる仕事に就きたいと思い、御社の事務職を応募しました。
保育士では日々の保育業務だけでなく、行事の企画や進行を行っていたため、書類にまとめたり作ったりすることは得意です。 |
私は保育士という仕事を通して、子どもだけでなく保護者や職員など人と接する楽しさを学びました。
御社のお店では接客として保育士として培ったコミュニケーション能力を活かせられると思います。 また、保育士として3年働いてきたこともあり、体力には自信があります。繁忙期のハードワークにも対応できると思います。 |
保育士の職務経歴書に悩んだときはどうする?
職務経歴書の作成途中で、迷ってしまうことや悩むことは珍しくありません。そのようなときにとるべき行動は、主に以下の3つです。
- 職務経歴書のテンプレートを使用
- 周りの転職経験がある保育士に相談
- 転職エージェントに相談
それぞれどのように行動したら良いのか、ポイントを探っていきましょう。
職務経歴書のテンプレートを使用
一から職務経歴書を自分で作り上げようと思うと、誰でも難しく手が止まります。職務経歴書にはあらかじめテンプレートがあるため、サイトからテンプレートをダウンロードして使うのもひとつの手です。
テンプレートを自分で埋めるだけで職務経歴書が完成するため、書きたい内容が決まっている場合はスムーズに進めることができます。
周りの転職経験がある保育士に相談
同じ園の中に転職してきた保育士さんがいる場合は、転職したときの経験を聞いてみるのもいいでしょう。
どのように職務経歴書を書いたのか、どのような点を工夫したのかなど、実際に受かった保育士の声は参考になります。
転職エージェントに相談
転職エージェントは、求職者に企業を紹介する仲介の役割のほかに、悩み相談や書類添削、模擬面接など転職にまつわる業務をサポートしてくれます。
初めての転職で右も左もわからない場合だけでなく、職務経歴書に書けそうな自己PRが思いつかない人は、転職エージェントに相談しましょう。
また、担当してくれるアドバイザーによって得意としているサポートが異なるため、複数の転職エージェントへの登録が短期間で転職を成功させるために有効です。
【保育士の職務経歴書に悩む方へ】転職エージェントの利用メリット
先ほど解説したように、保育士の職務経歴書の書き方に悩んだ方は、転職エージェントを利用することがおすすめです。
ここでは、さらに詳しく転職エージェントの利用メリットについて解説していきます。
- 必要な書類をスムーズに書き進めることができる
- 転職活動のすべての行程においてサポートを受けることができる
- 業界を知り尽くしたプロとともに転職活動を行うことができる
必要な書類をスムーズに書き進めることができる
保育士の転職では、これまで解説してきたようにいくつかの書類が必要になります。個人で転職活動を行う中で、書類作成でつまづいてしまうという方もいるのではないでしょうか。
しかし、転職エージェントを利用することで、書き方を教えてもらうだけでなく、実際に添削をしてもらうことができます。

転職活動のすべての行程においてサポートを受けることができる
転職エージェントのサポートは書類添削だけではありません。求人を探すところから内定後の条件交渉までサポートしてくれます。
普段の生活が忙しく、転職活動がなかなかスムーズに進まないという方も効率よく転職を進めることができます。
これらのサービスは基本的にすべて無料で受けることができます。複数のエージェントで迷った場合には、複数登録することもおすすめです。
業界を知り尽くしたプロとともに転職活動を行うことができる
保育士は、他の業界と少し違うところもあります。その中で転職活動をしていくうえで、業界のことを知り尽くしたプロの意見を聞くことができるという点は、有利な転職活動に繋がるといえるでしょう。
また、アドバイザーは面談を通して、あなたの可能性を見出してくれます。保育園側の求人とあなたの適正を照らし合わせ、あなたに最適な求人を紹介してくれることでしょう。

職務経歴書の添削もOK!保育士におすすめの転職エージェント3選
保育士ワーカー
- 転職のプロから履歴書・職務経歴書の書き方を学べる
- 保育士専門の面接対策も実施
- 量と質ともに充実の求人
保育士ワーカーの特徴
保育士ワーカーは転職のプロから履歴書や職務経歴書の書き方を学べるため、苦手意識を持っている人にとっても心強いサポートを受けられます。
職務経歴書で捉えるべきポイントや面接に繋がる書き方のコツなど、徹底したアドバイスを受けられるため内定率アップが期待できるでしょう。
また、保有する求人は量・質ともに充実しており、なかには希少な限定求人もあります。今まで出会ったことがない仕事との巡り合わせにも期待できるかもしれません。

保育士ワーカーを利用するメリット
保育士専門のプロによる手厚いサポートを受けられる点は、保育士ワーカーを利用するメリットです。、就職・転職支援を専門とした実績を活かしアドバイスを実施してくれます。
職務経歴書は公式サイトにて無料でダウンロードできるため、ぜひ活用しましょう。充実した数々のサポートを無料で受けられる点は、大変魅力的です。
運営会社
株式会社トライト
主なサービス(機能)
得意分野・特徴
残業時間・有給消化率などの内部情報が事前にわかる
公開求人数
42,155件※2022年11月25日現在
利用可能地域
全国
拠点
北海道/宮城/東京/神奈川/千葉/埼玉/群馬/新潟/富山/愛知/静岡/大阪/兵庫/京都/広島/岡山/香川/徳島/福岡/熊本/鹿児島
出典:保育士ワーカー
マイナビ保育士
- 履歴書・職務経歴書の書き方をアドバイスしてもらえる
- 想いが伝わる志望動機の書き方も学べる
- 面接マナー対策も実施
マイナビ保育士の特徴
マイナビ保育士では、履歴書・職務経歴書に関して保育士向けの基本的な書き方をアドバイスしてくれます。自身の魅力を最大限アピールできるような書類作りを提案してくれるため心強いです。
また、書類自体だけでなく応募封筒の書き方についても学べるため、ぜひ公式サイトをチェックしておきましょう。
さらに、面接マナー対策も実施してくれる点が特徴です。採用を勝ち取るうえで重要なステップとなるため、書類の書き方とあわせてチェックしておいてください。
マイナビ保育士を利用するメリット
保育士に特化した書類の書き方や面接対策を学べる点は、利用するメリットと言えます。自分の強みやアピールポイントがわからない場合でも、親身に相談に乗ってくれるため安心です。
応募書類の書き方については例文も多く掲載されているため、ぜひ参考にしてみてください。
運営会社
株式会社マイナビ
主なサービス(機能)
得意分野・特徴
書類添削・面接対策・条件※2022年11月25日現在交渉を代行で初めての転職も安心
公開求人数
16,517件※2022年11月25日現在
利用可能地域
全国
拠点
全国
出典:マイナビ保育士
保育士人材バンク
- 履歴書・職務経歴書のポイントをアドバイス
- 保育士専任キャリアパートナーが転職をサポート
- 質の高いマッチングに期待できる
保育士人材バンクの特徴
保育士人材バンクでは、履歴書・職務経歴書の書き方に関するポイントをアドバイスしてくれます。
履歴書は合格する要因にならないが、落ちる原因になるという考えのもと徹底したアドバイスを実施してくれるのです。
また、保育士人材バンクは厚生労働省からマッチングの質が評価され、第一回適正事業者として認定されています。手厚いサポートに加え、理想の転職が叶う要素と言えるでしょう。

保育士人材バンクを利用するメリット
保育士人材バンクでは、履歴書のダウンロードが可能です。また、見本となるテンプレートが公式サイトに掲載されているため、ぜひ参考にしてみてください。
保育転職市場動向に精通したエリア専任のキャリアパートナーが、悩みや不安に寄り添いながら、希望に沿った転職実現へのサポートを実施してくれます。
運営会社
株式会社エス・エム・エス
主なサービス(機能)
得意分野・特徴
厚生労働省認可の独自ルートからの最新求人掲載
公開求人数
21,018件※2022年11月25日現在
利用可能地域
全国
拠点
北海道/宮城/東京/神奈川/千葉/埼玉/愛知/大阪/兵庫/京都/広島/福岡
出典:保育士人材バンク
まとめ
保育士として転職をする場合、職務経歴書は必ず必要になります。また、保育士に特化した内容に仕上げる必要があるため、時間をかけて作成しましょう。
その際、保育士向けのテンプレートを使ったり転職エージェントを利用したりするのは有効です。
転職エージェントは求人を紹介してくれるだけでなく、履歴書や職務経歴書といった書類の添削や模擬面接など転職にかんするサポートをしてくれます。
記事内では無料で利用できるおすすめ転職エージェントを紹介したため、ぜひ転職エージェントを有効活用して、保育士としての転職を成功させてください。