
医療事務資格の難易度は?資格の種類や合格率、勉強方法も詳しく解説
全国に医療機関は数多くあり、勤務先の選択肢も広いため、医療事務は女性に人気の職種です。医療事務への転職を検討するにあたり、医療事務資格の取得を検討している人もいるでしょう。
- 医療事務資格の難易度
- 医療事務資格の種類
- 医療事務資格の勉強方法
- 医療事務受験におすすめの通信講座
医療事務資格の勉強におすすめの通信講座もご紹介するので、試験を検討しているならぜひ参考にしてみてください。
医療事務の資格とは?国家資格なの?
医療事務とは、医療機関においての事務全般を指す呼び名です。医療事務の仕事は、大きく分けると「受付・接客」「会計・診療報請求・レセプト」「クラーク業務」の3つの業務を担当します。
どの資格を取得していても、仕事内容が大きく変わるわけではありません。
医療事務の資格を認定しているのは、医療機関団体や協会、公益法人といった団体です。資格がなくても就業は可能ですが、資格を保有していることにより相応の知識があることの証明になります。
特に医療事務の仕事の経験がない場合は、資格を取得しておくことで経験不足をカバーでき、採用される可能性も高まるため、転職活動に役立てることができるでしょう。
医療事務資格の難易度は?
医療事務資格の難易度は、受験する資格により難易度が異なり、合格率も30%~80%と幅が広いです。
それぞれの難易度や合格率は後の章で詳しく解説しますが、難易度の高い医療事務資格に関しては、以下のような理由が挙げられます。
- 人の命に関わる仕事である
- 専門知識が問われる
- 実技試験がある
- 記述問題が難しい
人の命に関わる仕事である
まず第一に医療事務資格は、直接人の命に関わる医療の資格であるため、難易度が高い資格がいくつもあります。
人の命に携わる医療現場で仕事をするため、レベルが高い資格もあり、試験内容が難しいです。
しかし一方で、それだけ責任が重大なポジションを担える医療事務資格であれば、年収が大きく上がります。
他の職種にも共通して言えますが、責任や求められる仕事が増えるほど、年収も高くなるため難易度の高い医療事務資格の取得はおすすめです。
専門知識が問われる
次に医療事務資格が難しいポイントとして、深い専門知識が求められることが挙げられます。
そもそも医療に関することであるため、試験内容が複雑で、より高度な専門知識が必要です。
一方で、専門知識が身につけば他の医療事務の試験に活かせる点はメリットです。
一度難易度の高い医療事務資格を突破できれば、自信にも繋がりモチベーション高く学習が進められるため、他の学習も効率よく進められるでしょう。
実技試験がある
医療事務資格の中には、実技試験が設定されているものもあり、単なる知識をアウトプットするだけでは突破が難しいです。
実際にレセプト作成を行ったり、点検を行ったりと、資格ごとに様々な実技試験が行われており、それぞれ事前対策は必須。
また実技試験は、基礎が身につきある程度知識がインプットされていることが前提とされます。
学習を進めていく際は、まず必要な知識を吸収し、最後の仕上げとして実技試験の対策を行うと良いです。
記述問題が難しい
最後のポイントは、選択形式ではなく記述式の問題が難しい点が挙げられます。
中にはマークシートや1問1答形式の問題もありますが、問題の本質を理解し記述で応えるタイプの問題は特に難しいです。
マークシート形式で効率よく点数を稼ぐこともが求められ、時間と余力を持って記述形式の問題に取り組むことが理想。
そのためにも、ある程度暗記で対応できる問題は素早く解き進め、時間配分を考えながらテストを進めていく事が重要です。
代表的な医療事務資格の合格率から探る難易度は?
医療事務資格の中でも受験者が多い以下4つの代表的な資格の合格率を確認していきましょう。
- 医療事務技能審査試験
- 医療事務管理士
- 医療事務認定実務者(R)
- 診療報酬請求事務能力認定試験
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療事務資格の中でも受験者が多いのが、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)です。
科、実技Ⅰ、実技Ⅱの3つからなる試験で、70点以上で合格です。団体受験者以外は在宅試験となっており、毎月受験することができます。
出典:医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)|一般財団法人 日本医療教育財団
医療事務管理士
日本で初めに登場した医療事務の資格が、技能認定振興協会が実施する医療事務管理士です。こちらも医療事務の業務にまつわる幅広い分野から出題されます。
受験方法には、試験は2カ月に1度のペースで実施される在宅試験と、好きなタイミングに好きな場所で受験ができるインターネット試験のどちらかの方法が選択可能です。
医療事務認定実務者(R)
全国医療福祉教育協会が主催する医療事務認定実務者は、2016年にスタートした比較的新しい資格です。医療事務の実務に関する基礎知識と診療報酬明細書作成から出題されます。
試験は毎月実施され、在宅受験と会場受験の2つがありますが、会場受験の場合通学受講生のみ選択可能です。
診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務能力認定試験は、厚生労働省が認定した日本医療保険事務協会が主催している試験です。診療報酬請求事務に加え、受付や会計といった医療事務全般のスキルを試すことができます。
試験が行われるのは年に2回。自宅から近い試験地に赴き、試験を受けるという流れです。
出典:これから就職しようという方へ|公益財団法人 日本医療保険事務協会
出典:試験実績|公益財団法人 日本医療保険事務協会
【スキル別】自分に適した資格を探そう!おすすめの医療事務資格
医療事務の資格はたくさんあり、どの資格を取得すべきか悩む人も多いでしょう。そんなときは、得られるスキルで選ぶのがおすすめです。
身に付けられるスキルごとに、どんな医療事務資格があるのかご紹介します。
幅広い医療事務の知識を身に付けるなら
まずは、医療事務にまつわる幅広い業務の知識を身に付けることができる資格です。
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
- 医療事務管理士
- 医療事務認定実務者(R)
それぞれ運営する団体により差はあるものの、どれも医療事務における全般の知識を問われる資格です。
医療事務業務未経験なら、難易度の低い資格に挑戦し幅広い知識を身に付けておくと、転職先で役立つかもしれません。
受付業務やクラーク業務を学ぶなら
医療事務で欠かせない、受付・接客業務を知識として理解できる資格試験もあります。
- ホスピタルコンシェルジュ(R)検定試験
- 医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト(R)検定試験)
- 医師事務作業補助業務実務能力認定試験
- 医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク(R))
- 医療秘書技能検定試験
患者さんと接する際のコミュニケーション能力や、医師の事務作業を代行するための知識を身に付けたいなら、上記の資格が挙げられます。
医療秘書技能検定試験では、上記と併せて医師のスケジュール管理、医療機関の組織運営といった、秘書業務にまつわる知識を身に付けることができるでしょう。
会計や診療報酬請求について理解するなら
医療事務の業務の中でも特に専門知識が必要になるのが、診療報酬請求事務です。
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- DPC/PDPS初級検定試験
- 在宅診療報酬事務管理士(R)技能認定試験
- 労災事務管理士(R)技能認定試験
DPC/PDPSとは「診断郡分類」に従った、分類ごとの医療費用の計算方式のこと。
ほかにも、ニーズが高まる在宅診療や労災にまつわる保険請求事務など、より専門性の高い知識を身に付けられる試験もあります。
医療現場のIT知識なら
最近は、医療現場におけるIT化も進んでいます。IT化に対応するための資格試験を検討してみるのもいいでしょう。
- 電子カルテ実技検定試験
- 医事コンピュータ技能検定試験
医療現場のIT化の中心となっているのは、電子カルテシステムです。
電子カルテ実技検定試験はシステムを活用し、電子カルテの作成スキルを確認する試験です。
また、レセプトのオンライン請求をはじめ、医療事務におけるオンラインの知識を問う医事コンピュータ技能試験もあります。
医療事務資格の合格に向けた勉強方法
通信講座で学ぶ
用意されたテキストや講座の動画などを活用して自宅で勉強を進めるのが、通信講座です。
通学講座よりも費用は抑えることができ、すき間時間を見つけて自分のペースで勉強を進めることができます。疑問点は質問することができるので安心です。
ただし、自分で勉強時間を確保する必要があるため、モチベーション管理の難しさはあるかもしれません。
市販のテキストで独学
医療事務はそう難易度が高くないため、独学で資格試験にチャレンジする人も多いようです。独学の場合、まず市販のテキストを選ぶことから始まります。
また、自分のペースで勉強を進められる点も、メリットのひとつでしょう。ただし、不明点を質問することができないため、間違って理解してしまう可能性もあります。
専門学校や通学講座に通う
医療事務講座のある専門学校や通学講座に通うのもいいでしょう。
同じ目標を持つ仲間に出会えることもあるため、モチベーションを維持しながら学習を続けることができます。
デメリットは、費用が高額になる傾向にある点と、講義に合わせてスケジュールを調整する必要がある点です。
医療事務資格合格に向けた勉強内容
医療事務資格は、受験する資格によって難易度や勉強内容が異なります。
その為まずは、どの資格を受験するか決めた後、以下の内容で学習を進めていくと良いでしょう。
- 参考書で基礎知識をインプットする
- 過去問を解く
- 苦手分野を克服する
- 仕上げに過去問をもう一度解く
参考書で基礎知識をインプットする
まずはじめに、受験する医療事務資格を決めた後は、その資格に沿った参考書で基礎知識を身に着けましょう。
記述や実技など様々な問題形式に対応するためにも、基礎を固めてから応用に取り組む必要があるので、参考書を何周も解き知識量を増やすことが大切です。
また参考書で学習を進める際は、アウトプットのスピードも意識することが重要です。
一度覚えた知識に関しては、問題を見てすぐに答えが出てくるレベルになれば、試験序盤のマーク式の解答スピードも上がり、後半に時間を多く使えます。
過去問を解く
基礎知識のインプットが終わったら、その内容をもとに医療事務の過去問を解き、自分の現在地を把握しましょう。
そのためにも過去問を解いた後は点数を記録し、合格点からどれくらい離れているのか逆算してスケジュールを建てることがおすすめです。
また過去問を解く際はただこなすのではなく、どこで点数を落としているのか、どのパートであれば自信を持って解けるのかを確認しながら進めましょう。
後ほど苦手分野を克服する際にも、自分に今足りていない知識を性格に把握することが重要です。
苦手分野を克服する
過去問を何度か解き、自分の苦手分野が見えてきた後は、そのパートに注力して勉強を進めます。
頻繁に間違った箇所は参考書を利用し、何度も反復学習を進めると良いです。
医療事務の資格の中には、複雑な専門知識が求められるパートが多く出てきます。
そのたびにつまずいていては時間内に試験が終わらないことも危惧されるため、苦手分野はしっかりと潰していきましょう。
仕上げに過去問をもう一度解く
上記全ての項目が完了したら、試験本番に備え過去問を解いていきます。医療事務の過去問を解く際は、直近3年のものがおすすめです。
数回過去問を解き、その平均点が合格点を超えていれば自信を持って本番のテストに臨みましょう。
もしも合格点に届かない場合は再度苦手克服のパートに戻り、参考書を活用しながら苦手分野の対策に集中して下さい。
医療事務資格の勉強におすすめの通信講座3選
たのまな
- 医療事務関連講座が全部で9つ
- e-ラーニングでも学習を完結できる
- 重要箇所が一目でわかるテキスト
たのまなの特徴
「たのまな」は、ヒューマンアカデミーが運営する、楽しく学びながら資格取得を目指すことをコンセプトにした通信講座です。趣味を見つけたい人からスキルアップしたい人まで幅広く活用できるたくさんの講座が用意されています。
講座の体験談も掲載されており、受講生のリアルな声を確認することもできます。
医療事務資格講座の特徴
「たのまな」では、9つの医療事務関連講座が用意されています。中でも初学者におすすめなのでは、「医療事務講座」です。
テキストの内容はすべて講義動画でも確認できるため、医療事務の知識がなくても学習が進めやすくなっています。
単元ごとの映像なので、家事などのすき間時間に聞きながら勉強するのもおすすめです。
医療事務資格講座の講師陣
たのまなの医療事務資格講座の講師や開発を担当しているのは、ヒューマンアカデミーのメディカル部門でたくさんの医療事務講座に携わる、谷京香さん。
指導要綱の執筆も手掛けているなど医療事務試験に精通しており、効率的な学習をサポートしてくれます。
医療事務資格講座の教材
医療事務資格講座の教材は、初めて学ぶ人でも理解しやすいよう工夫されているのが特徴です。テキストは図解つきで、重要な箇所が見てわかるようになっています。
回答には詳しい解説もついているため、理解を深めることができます。
講座の価格例(税込) | 【医療事務講座】 38,000円 ※一括払いの場合 |
主なサポート体制 |
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合格実績 | 非公開 |
運営会社 | ヒューマンアカデミー株式会社 |
出典:たのまな
資格のキャリカレ
- 初心者目線で作られた教材と講義動画
- 専任講師や専任サポーターによる質問対応や添削指導
- 資格取得後の転職活動もサポート
資格のキャリカレの特徴
「資格のキャリカレ」は、なりたいを叶えるたくさんの資格講座がある通信講座です。わからないことは講師に相談でき、転職サポートもあるなど、学習サポートやアフターフォローも充実しています。
会員登録をすればテキストの試し読みができるため、事前にどんな教材なのかをチェックしてから検討したい人にもいいでしょう。
医療事務資格講座の特徴
「資格のキャリカレ」で受験するのは、JADP認定医療事務資格です。カリキュラム修了後、随時在宅受験に進みます。
職務経歴書作成サービスや面接合格ガイドブックなどといったサービスを受けることができ、資格を取得したあとも安心です。
医療事務講座の講師陣
「資格のキャリカレ」で医療事務講座を監修しているのは、医科と歯科、調剤の診療報酬が専門の就実短期大学教授、大友達也先生です。
医療事務講座の教材
医療事務講座の教材は、初心者が見てもわかりやすいことを重視して作成されているのが特徴です。専門的な内容が理解しやすいよう映像講義も用意されています。
学習は1日2ページだけでOKというように、すき間時間で学べるようになっており、働きながら、家事・育児の合間に資格取得を目指す人にも最適でしょう。
講座の価格(税込) | 41,900円 ※一括払いの場合 |
主なサポート体制 |
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合格実績 | 非公開 |
運営会社 | 株式会社キャリアカレッジジャパン |
出典:資格のキャリカレ
ユーキャン
- 学習サポートサイトで効率的な学習をサポート
- フルカラーで内容を厳選したテキスト
- スマホで勉強が進められるためすき間時間を活用できる
ユーキャンの特徴
「ユーキャン」は、多彩な学びを提供している通信講座です。実績とわかりやすさ、そして手厚い学習サポートが、ユーキャンの大きな特徴となっています。
学習スケジュールの管理やテスト機能、質問機能などにより、効率的な学習に役立てることができるでしょう。
医療事務資格講座の特徴
「ユーキャン」の医療事務講座で受験するのは、医療事務認定実務者(R)です。毎月在宅受験ができ、試験はマークシート形式となっています。
就職活動のノウハウが掲載された「就職ガイド」や大手派遣会社の登録の案内など、資格取得後もしっかりサポートしてもらうことができます。
医療事務講座の教材
医療事務講座のテキストは必要な内容を厳選しているため、無理なく学習を進めることができる仕様です。
学習サポート集やオリジナルDVDといった副教材も役立つと評判です。スマホやパソコンでテキストを読んだりテストを解いたりするができるため、すき間時間を有効活用しやすいでしょう。
講座の価格(税込) | 49,000円 ※一括払いの場合 |
主なサポート体制 |
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合格実績 | 非公開 |
運営会社 | 株式会社ユーキャン |
出典:ユーキャン
よくある質問
まとめ
今回は、医療事務資格試験の難易度について解説しました。
医療事務資格はたくさんありますが、平均すると合格率が50%ほどとほかの資格試験と比較して難易度はそう高いわけではありません。
現在医療事務として働いているなら、スキルアップを目指して資格勉強にチャレンジするのもいいでしょう。
記事内では、医療事務の資格を目指す人におすすめの通信講座をご紹介したため、今回ご紹介した通信講座を活用して、ぜひ医療事務資格の取得を目指してみてください。