
MRの転職事情とは?異業種への転職や未経験から目指すコツも解説
MRとして製薬会社などで働いているものの、さまざまな事情により転職を考えている人も多いのではないでしょうか。
ただし、初心者からMRを目指す場合はもちろん、MRからMR他社に転職する場合や、MRから異業種に転職する場合では難易度がまったく異なります。
この記事では、MRの転職事情とあわせて、MRから異業種に転職する場合におすすめの転職先や、そのままMRとして他社のMRに転職するメリットなどについて解説していきます。
- MRの転職事情
- MRから異業種を目指すメリット
- MRとして他社に転職するメリット
- MRの転職におすすめの転職エージェント
また、未経験からMRを目指す場合の注意点についても紹介していきますので、MRの転職について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
Contents
MRの仕事内容は?基本情報を確認
MRは主に医療関連の仕事を担当し、正確な情報を必要な人に届けることがメインとなる仕事です。
病院の医師や薬剤師に向けて、自社の薬に関する情報を届ける必要があり、薬を売る営業ではないことは抑えておきましょう。
- 基本的な仕事内容
- 取引先
- 営業職の仕事内容
- マーケティングの仕事内容
基本的な仕事内容
大前提として、MRは「医療情報担当者」の略なので、基本的には医療に関する情報を伝えることが主な仕事内容になります。
その中でも、MRが病院やクリニックに伝える内容は大きく分けて以下の3つです。
- 効果
- 使い方
- 副作用
上記3つを医師や看護師に説明するため、自分自身も医療に関する深い知識を身に着けておく必要があります。
また説明だけではなく質問をされるケースも多いため、予め質問を予想してしっかりとした準備を行うなど、身につける知識が多いことが特徴です。
取引先
MRはその名の通り医療情報担当者のため、仕事上取引が発生するのは病院やクリニックといった医療機関です。
訪問後は医師や看護師と商談や説明を行うため、事前に情報を整理してから提案へ向かいます。
加えて状況によっては質問事項を持ち帰ることもあるため、的確なヒアリングスキルも重要です。
その場で回答できない内容は後日回答することになるため、説明をしつつしっかりと相手が必要としている情報を聞き分けるスキルも身に着けておくと良いでしょう。
営業職の仕事内容
職種として多いのが、よく求人が公開されているのが営業職で、主な仕事内容は自社の商品を病院に情報を伝え売り込んで行くことが求められます。
そのため自社の商品を理解し、正しい情報を伝達するための説明力は必須と言えるでしょう。
他の営業職と違い、MRの場合は予算も大きく病院を主に回るため、大きな責任感が問われることも特徴です。
また営業職は未経験募集も多いため、初めてMR業界へ転職を考えている人でも挑戦しやすく、おすすめの職種です。
マーケティングの仕事内容
次の職種はマーケティングで、製薬会社に派遣されるコントラクトMRが挙げられます。
マーケティングを行う場合、複数のメーカーのを担当し医薬品を販促するためにマーケティング担当したり、場合によっては営業も担当します。
専門知識が問われるマーケティングでは、根本的な市場調査のスキルも身につきますが、各病院やメーカーの特有の知識やスキルが身につくこともメリット。
営業以外ではマーケティングも人気の職種ですが、未経験での募集が少ないため、ある程度の予備知識やスキルが求められることは注意しましょう。
MRの転職事情は?
MRは比較的高年収なため、未経験からでも転職したいと考える人も多い人気の職種です。
まずは、MRが転職を考える具体的な理由について、MRから他社のMRに転職する場合と、異業種に転職する場合のそれぞれのケースについて紹介していきます。
MRから他社のMRに転職する理由
まずは、MRから他社の製薬会社などのMRに転職したいと考える理由について解説していきます。
MRとして働くことには問題ないものの、現在の会社になんらかの不満があるケースです。
担当領域を変えたい
MRが担当する領域には、主に2つの領域があります。
どの領域を担当するのかは製薬会社によって違うため「他の領域を担当してみたい」と考えても、同じ会社にいるとそれが叶わないことがあります。
会社の将来性が心配
自社の医薬品について「将来性がない」「他社に負けている」などにより、自信をもって営業できないと感じたときに、他社に転職したいと考える人もいるようです。
人間関係がつらい
会社によっても違いがありますが、ノルマがきつい会社の場合は、上司からのプレッシャーがつらい、また病院の医師との関係が上手くいかないなどにより、他社への転職を考えるケースもあるようです。
ノルマなどの社風は会社によって違いがあるため、転職することで今より良い環境の会社で働ける可能性はあります。
MRから異業種へ転職する理由
次に、MRからまったく関係ない異業種に転職する理由についても紹介していきます。この場合は、MRという仕事自体に嫌気がさしてしまったケースが考えられます。
転勤が多い
会社にもよりますが、MRは3年から5年程度で配置換えをされることが多く、転勤が比較的多いとも言われています。
MRとして一つの病院に慣れたころに、また新しい場所に移動させられるということに疲れてしまった人は、MR以外の仕事に転職してみたいと考える人もいるようです。
残業や土日出勤が多い
MRは医師に都合にあわせて営業活動を行う必要があるため、医師の手があいている夜間に合わせて病院を訪問するなど、日常的に残業になりがちな仕事です。
このように、プライベートの時間を犠牲にすることが続くと、MRとしての仕事に嫌気が差してしまうこともあるようです。
キャリアアップができない
MRという仕事は、基本的に何歳になっても営業という仕事から変化がないため、40歳、50歳になってもキャリアアップすることなく、医師への営業活動を続けなければなりません。
このことから、MRを続けているうちに将来に不安を感じ、まったくの異業種に若いうちに転職したいという気持ちになる人も少なくないようです。
【MRから異業種】転職する3つのメリット
MRという仕事を続けるのではなく、まったくの異業種への転職を希望する人も少なくありません。では、MRから異業種に転職することに具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、異業者へ転職する3つのメリットについて解説していきます。
プライベートの時間を確立できる
MRの仕事は先にも紹介したように、医師の手が空いている時間にあわせて営業活動を行います。
その点、土日にしっかり休める業種に転職することで、仕事とプライベートをしっかり分けた生活を続けられる可能性もあり、MRを続けるよりも充実したプライベートを過ごせる可能性があります。
ノルマなどへのストレスがなくなる
MRでは会社によっては営業にきついノルマを設定している場合も多く、そのようなノルマに苦しめられて転職を考える人も少なくありません。
その場合、ノルマがきつくない営業職や、そもそもノルマなどがない職種を選択すれば、ノルマに対するストレスを抱える生活からも解放されます。
転勤なしの会社も選べる
MRには、会社によっては定期的に転勤が発生するところもあり、慣れた頃の転勤が続くと転勤疲れになってしまう人も少なくないようです。
その点、異業種への転職をするときには、転職先に転勤があるのかを確認することができるため、転職が発生しない会社を選ぶことも可能となります。
MRから異業種を目指す人おすすめの転職先4選
MRからの転職する場合には、今までの経験をできるだけ活かせる職種への転職がおすすめです。ここでは、MRからの転職におすすめの異業種を4つご紹介します。
臨床開発モニター(CRA)
CRA(Clinical Research Associate)とは、新しい薬を製品化するための「治験(臨床開発試験)」に関するさまざまな業務を行う仕事です。
MRと同様に、製薬会社の立場で病院の医師とのやり取りが発生する仕事のため、MRからの転職に人気の職種です。
ただし、締め切りがある提出書類などが多いことから、日々業務に追われがちな仕事となっています。
薬剤師
MRには医薬品の知識が必要なため、MRとして働く人の中には、薬剤師の資格を所有している人もいます。
もし薬剤師の資格を所有しているなら、MRから薬剤師として転職するという選択肢も選べます。
調剤薬局やドラッグストアなどで働く場合は、ある程度のコミュニケーション能力が必要です。薬剤師としてどのような働き方をしたいのかを考えてから、転職先を探しましょう。
医療機器の販売
MRは医薬品の営業でしたが、同じ医療機関への営業として、医療機器の営業職に転職するという方法もあります。
ただし、会社によってはノルマがあるケースや、MRと同様に医師の都合により、残業や土日出勤などが発生することもあります。
治療コーディネーター(CRC)
CRC(Clinical Research Coordinator)と呼ばれる治療コーディネーターは、治験を実施する医療機関にて、治験業務全般をサポートする仕事です。
主に病院などで、被験者への対応や治験中のフォロー、CRFのドラフト(下書き)の作成などを担います。
特にCRCは、治験に参加している被験者の不安を取り除くための相談相手として、治験終了まで、被験者のケアやサポートをすることが大きな役割となります。
【MRからMR他社】転職する3つのメリット
MRをそのまま続けたいものの、今の会社に対して不満がある場合は、MRとして働ける他社への転職を考えるケースもあります。
ここでは、MR他社に転職する場合の3つのメリットについて紹介していきます。
MRとしての経験を継続して活かせる
MRとして働ける他社への転職をするなら、現在の会社で経験したものをそのまま転職先でも活かせますので、異業種への転職よりもスムーズに転職しやすいです。
また、MRの募集をかけている企業では経験者を求めているため、転職先が決まりやすいというメリットもあります。
新たな分野の担当を経験できる
同じMRとして働いている人の中でも、製薬会社によって担当分野が違うため、転職して他の分野の経験もしてみたいという人にとっては、転職はメリットのあるものとなります。
よって、今のうちに経験を積めるところに転職したいと考える人は増えています。
自分の希望条件にあった会社を選べる
未経験からMRを始めたときには選択肢も少ないため、自分の希望条件に合う求人を選べなかったかもしれません。
希望する給料などの待遇面や、福利厚生など、希望条件にあった転職先を選ぶことができ、現在よりもより待遇の良い会社に転職できる可能性もあります。
未経験でもMRに転職できる?
ここまではMRとして経験がある場合の転職について紹介してきましたが、逆にまったくMRの経験がない人がMRヘの転職を目指すケースも少なくありません。
MR未経験者がMRに転職することは可能なのか、転職できる条件について確認していきましょう。
営業経験があると有利
MRは医薬品の知識がいるものの基本的には営業職ですので、これまで営業職としての経験がある場合は、MR未経験でも転職は可能です。
営業職としての経験が長いほど、MRヘの転職に有利になります。
医療系からの転職者が多い
MRは医薬品の営業となるため、医療関係の知識がある人がMRを目指すケースも多いです。
営業職の経験はあっても、専門的な知識がないと医者が納得する営業ができないため、医療知識がある方が転職しやすいです。
例えば、薬剤師など薬の知識が豊富な人がMRに転職するケースもあります。
MRの転職に有利になる「認定証」がある
MRへの転職を考えている時に「医療系出身じゃないから不利だ…」と考えている方も多いのではないでしょうか。
MR認定試験に合格すると「MR認定証」がもらえ、MRに必要な医薬品の知識について学んでいるという証明となります。
受験資格をもらうためのハードルは若干高いものの、MRへの転職を考えているなら受験を検討してみることをおすすめします。
豊富な求人数!MRの転職におすすめの転職エージェント4選
MR BiZ
- 採用開始アラート機能でMRの募集が始まった瞬間にお知らせを受け取れる
- 主要製薬メーカーの動向をリアルタイムで配信
- 転職にまつわる様々なテーマのコラムを多数掲載
MR BiZは、MRとして製薬業界で活躍したい方におすすめの転職エージェントです。利用満足度は96.4%の実績を誇り、直近で転職したい方も、じっくり転職したい方も希望に応じてサポートしてくれます。※公式サイト
MR転職にまつわるコラムも多数掲載されており「女性のためのMRのキャリア」「未経験からMRを目指す」「MRからMSLへの転職」などニーズに応じ、転職の参考にもなります。
「未来図:MR」のコラムでは主力製品の特許切れに対応に揺れる製薬・医薬品業界の情報をMR BiZの調査員が独自の支店で分析しているため、業界の動向とMRの今後を把握できます。
公開求人数※2022年8月1日時点 | 24件 |
主なサービス・機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社クイック |
出典:公式サイト
リクルートエージェント
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公開求人数※2022年6月23日時点 | 219,510件 |
MRの公開求人数※2022年6月15日時点 | 1,050件 |
主なサービス・機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社リクルート |
出典:リクルートエージェント
出典:MR・メディカル専門職の転職|リクルートエージェント
※公式サイトの文言によります
マイナビエージェント
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マイナビエージェントは、キャリアアドバイザーが業界ごとの専任制となっているため、その業界に熟知したアドバイザーからのサポートが受けられます。
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また、キャリアアドバイザーとは別に、企業の人事担当者とやり取りするアドバイザーも在籍しています。
公開求人数※2022年6月23日時点 | — |
MRの公開求人数※2022年6月23日時点 | — |
主なサービス・機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
出典:マイナビエージェント
出典:MR・メディカル業界の転職に+Agent|マイナビエージェント
doda
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公開求人数※2022年6月23日時点 | 143,252件 |
MRの公開求人数※2022年6月23日時点 | 126件 |
主なサービス・機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
出典:doda
出典:MR、CRA、医療機器営業職の転職・求人情報ならdodaメディカル|doda
【MRから薬剤師を目指すなら】おすすめの転職エージェント2選
MRから異業種に転職を考えている方の中には、薬剤師の資格を持っている人もいます。
最後に、MRから薬剤師への転職を考えている人におすすめの転職エージェントを3社ご紹介します。
薬キャリAGENT
- 年間20,000人以上の薬剤師が利用している
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薬キャリAGENTは、薬剤師登録者数No.1※を誇る転職エージェントです。
特に専門性の高さと迅速な対応に定評があり、希望に合った求人を最短即日に最大10件紹介してもらえます。
さらに、今出ている求人からだけでなく、利用者の希望に合わせて通勤圏内の職場に1件1件確認して、市場に出ていない求人を探してもらえます。
公開求人数※2022年6月23日時点 | 28,686件 |
主なサービス・機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | エムスリーキャリア株式会社 |
出典:薬キャリAGENT
※公式サイトの文言による。薬剤師ポータルサイトにて19社中、年間登録者数No.1(2015年3月自社調べ)
お仕事ラボ
- 薬剤師に特化したコンサルタントが入社までサポート
- コンサルタントが職場に逆指名して交渉も可能
- 各薬局の事情を把握している担当者が直接面談してくれる
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お仕事ラボは、薬剤師に特化したコンサルタントが担当してくれる転職エージェントです。
各薬局の事情を詳しく把握している担当者が、直接利用者に仕事を紹介してくれるのでマッチング率が高く、紹介後の仕事の定着率は95.6%※の高水準を誇ります。
さらに、面接への同行、面接後のヒアリングなど、面接に関しても全面サポートしてもらえます。
公開求人数※2022年6月23日時点 | 31,082件 |
主なサービス・機能 |
|
利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社AXIS |
出典:お仕事ラボ
※株式会社AXIS調べ「求職者への3ヶ月間定着確認」2018年2月現在
よくある質問
まとめ
MRから異業種への転職の場合、未経験の業者への転職は不安かもしれませんが、医療機器営業やCRA、CRCといった、MRの経験を生かして転職しやすい職種もあります。
また、MRから異業種だけでなく、MRからMR他社、未経験からMRなどで転職先を探している場合、上手く自分で転職先が見つけられないという人は、転職エージェントの利用もおすすめです。
記事内では、MRの転職におすすめの転職エージェントをご紹介しました。
メディカル業界専門のサイトを用意しているエージェントもありますので、まずは登録して相談してみることをおすすめします。