
宅建は独学で合格できる?勉強時間の目安やおすすめの勉強法も解説
宅建(宅地建物取引士)は不動産業界だけでなく、金融業や建築業など幅広い業界でつかえるため、多くの人が取得を目指す人気の国家資格です。
この記事では、独学で宅建の取得を目指す人のために、独学で合格を目指す場合のスケジュールの組み方や、具体的な勉強法について詳しく解説していきます。
- 宅建を独学で学ぶ難しさ
- 宅建を独学で合格するための勉強時間
- 宅建を独学で合格するためのコツ
また、独学より効率的に宅建の合格を目指すための勉強方法についても紹介していきますので、これから宅建の合格を独学で目指す人は、ぜひ参考にして下さい。
Contents
宅建は独学での合格が難しい?
宅建(宅地建物取引士)とは、不動産に関わる国家資格で、宅地や建物の売買、宅地建物取引業を行う場合に必要な専門知識を持った士業です。
まずは、宅建は独学でも合格が可能なのか、宅建の難易度や、試験の概要について紹介していきます。
独学での合格も可能だが初学者には難関
結論から述べると、宅建は独学でも合格が可能です。特に、不動産業界で仕事をしていて、多少知識がある人なら、勉強時間を短縮できるでしょう。
試験日までにしっかりとしたスケジュールを組み、計画通りに学習を進めていく強い意志が必要です。独学での合格は決して甘くないといった認識を持つことが大切です。
宅建の合格率
宅建の難易度が高いと言われているのは、その合格率が決して高くないことが理由の一つです。過去7回分の宅建の合格率の推移を確認していきましょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
2021年度(12月) | 24,965 | 3,892 | 15.6% |
2021年度(10月) | 209,749 | 37,579 | 17.9% |
2020年度(12月) | 35,261 | 4,610 | 13.1% |
2020年度(10月) | 168,989 | 29,728 | 17.6% |
2019年度 | 220,797 | 37,481 | 17.0% |
2018年度 | 213,993 | 33,360 | 15.6% |
2017年度 | 209,354 | 32,644 | 15.6% |
2020年度と2021年度は新型コロナウィルスの影響により、試験を10月と12月の2回に分けて開催しています。
上記の表※から過去7回分の合格率を確認すると、平均して16%前後と、低い合格率となっています。
宅建の試験概要
それでは、改めて宅建(宅地建物取引士)の試験概要を確認しておきましょう。
受験資格 | 年齢、性別、学歴等の制約なし |
---|---|
試験日 | 毎年1回、10月の第3日曜日 |
合格発表 | 原則12月の第1水曜日又は11月の最終水曜日 |
試験方式 | 出題50問 4肢択一式のマークシート式 |
試験科目 |
|
宅建の試験は、4つの選択肢のなかから解答を選ぶマークシート方式です。問題数は全50問で、合格ラインは毎年変動します。
記述式は一切ないため、初学者でも受験しやすい試験内容となっています。
「登録講習」は受けるべき?
宅地建物取引業に従事している場合、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関で「登録講習」を受講すれば、試験の一部(5問)が免除されます。
もし登録講習の受講対象に該当している場合は、必ず受講しておくことをおすすめします。なぜなら、登録講習受講者の方が宅建合格率が高くなるためです。
全50問のうち、5問が免除になるというメリットはとても大きいことが分かります。
なお、登録講習を受講するためには、宅建業法施行規則17条別記様式第8号による従業者証明書の「写し」が必要です。
※令和3年度宅建試験(10月試験)の実施結果|一般財団法人 不動産適正取引推進機構
宅建を独学で合格するための勉強時間の目安
ここでは、宅建を独学で合格を目指す人のために、勉強時間の目安やスケジュールの立て方について詳しく解説していきます。
250~300時間程度必要
宅建の合格を目指す場合、一般的に250時間~300時間程度の学習時間が必要だと言われています。
それに加えて、独学の場合は、スクールや通信講座を利用するよりもさらに時間がかかります。独学が勉強時間を多く必要とする理由は、以下のとおりです。
- 勉強のペースをつかみづらい
- 分からないことを自力で解決するために時間がかかる
- スケジュールが守れずに長引いてしまいがち
独学は何から勉強するのか自分で決めた上で、すべて自分でスケジュールを管理しなければなりません。
そのため、自分で勉強の進行管理をしっかりと決めて守る強い意志が必要とされます。
勉強する期間の考え方
宅建の一般的な勉強時間は250~300時間と紹介しましたが、仮に300時間かけた場合、どのぐらいの勉強期間が必要になるのでしょうか。
300時間を1日の勉強時間で割った勉強期間は、以下のような期間となります。
勉強期間 | 勉強を始める時期 (10月が宅建試験だと想定) |
|
---|---|---|
毎日1時間勉強する場合 | 10カ月程度 | 前年の12月頃 |
毎日2時間勉強する場合 | 5カ月程度 | 5月頃 |
毎日3時間勉強する場合 | 3カ月と10日程度 | 7月頃 |
あくまで目安ですが、毎日欠かさずに勉強した場合、上記のような勉強期間がかかります。
そのため、まずは毎日の勉強時間を決めることで、試験までにおおよそどのぐらいの準備期間が必要なのかが分かります。
余裕を持ったスケジュールを立てよう
宅建を独学で学ぶ場合、自分で詳細なスケジュールを組む必要があります。しかし、仕事が忙しい時期やプライベートの予定がある時など、思ったように進まないこともあるでしょう。
そのため、計画が遅れることを事前に想定して、スケジュールはある程度余裕をもたせて組むことをおすすめします。
特に仕事が忙しいことがあらかじめわかっている時期はゆったりめの計画を立て、余裕がある月に多めの勉強時間を取るなど、柔軟に対応しましょう。
【科目別】宅建を独学で合格するための時間配分
ここからは、宅建に合格するための、科目別の勉強時間について詳しく紹介していきます。
宅建には5種類の科目から合計50問出題されますが、それぞれの科目によって出題数も難易度も違ってきます。
各科目別の勉強時間の配分の目安は以下の通りです。
科目 | 勉強時間の目安 (合計300時間で計算) |
出題数の傾向 |
---|---|---|
宅建業法 | 100時間 | 20問 |
権利関係(民法・特別法) | 90時間 | 14問 |
法令上の制限 | 70時間 | 8問 |
税その他 | 20時間 | 3問 |
免除科目 | 20時間 | 5問 |
もっとも優先して勉強すべきなのは、宅建業法です。宅建業法は内容が理解しやすく、出題数が多い上に暗記でも得点しやすいため、最優先で勉強すべき科目です。
その次に優先すべきなのは、権利関係です。
次に学ぶべきなのは、法令上の制限です。法令上の制限は暗記でも得点しやすいですが、8問と比較的多く出題されるため、確実に得点を取るためにしっかりと時間を取りましょう。
また、税その他と免除科目については、暗記でも得点しやすく、過去問でも十分対策ができます。
【時期別】宅建を独学で合格するための時間配分
宅建を独学で取得しようと思った際、計画的な時間分で学習を進めると良いです。
まずは全体像を掴んだ後、逆算し時間配分をすることで、独学での宅建合格の確立が高まります。
- 1~2カ月目
- 3~4カ月目
- 5~6カ月目
- テスト直前
1~2カ月目
最初の1~2ヶ月目は基本的にインプットの期間となり、主に「民法・宅建業法」を中心に基本を固めるようにしましょう。
土台となる知識をインプットすることで、この先の学習の効率も上がり、全体的な習熟度も高まります。
基本的にはテキストを準備しまとまった時間を確保することが良いですが、時間がなければ通勤時間や休み時間など、スキマ時間を上手く活用することもおすすめ。
全体の学習量を確保するためにも、スキマ時間をうまく活用し少しでも多くの知識を身に着け、宅建資格の土台を作ることに専念して下さい。
3~4カ月目
3~4カ月目は法令上の専門用語を理解し、ただ暗記するだけではなく自分でしっかりと運用できるよう知識を深めることが大切です。
目安としては80時間の学習時間が必要となり、問題数が少ない一方でより専門的な知識が求められるパートです。
建ぺい率や第一種低層住居用地域を中心に、普段の日常生活では耳馴染みのない、宅建資格特有の用語が問われます。
そのため、ただ暗記しても内容が理解できていなければ身につきづらいため、1つずつしっかりと理解しながら学習を進めることで、効率よく知識が増えていきます。
5~6カ月目
5~6カ月目は今までインプットした知識をアウトプットするため、過去問を中心により実践に近い学習を始めます。
最初のうちは全体の雰囲気をつかむために自分のペースで学習を進めていき、慣れてきたら当日の時間配分を意識し、しっかりと時間を図りながら模擬テストを実施することがおすすめ。
テスト当日までにしっかりと合格点に近い点数が出せれば、合格の確立は極めて高いです。
直前対策に時間をしっかり割いて、1~4カ月目の知識をしっかりと活かせるよう、最終調整を進めていくようにしましょう。
テスト直前
最後にテスト直前のフェーズですが、模擬テストで見えてきた苦手分野の克服に務めましょう。
この段階で身についた知識はテストまでに抜けることはあまりないため、取りこぼした苦手分野をどれだけなくしていけるかが重要です。
基本的に宅建のテスト当日も自身のある分野であればスムーズに進みますが、苦手分野が出てきてしまうと、時間がかかったり自信をなくしたりと悪循環に陥りかねません。
そのため、当日スムーズにテストを進めるためにも、なるべく苦手分野がない状態でテストを受けることを意識してください。
宅建を独学で合格するための勉強法
宅建を独学で合格を目指す場合は、試験までの学習スケジュールの組み方が特に重要なポイントとなります。
しっかりとスケジュールが組めたら、実際に勉強を始めていきましょう。宅建のおすすめの勉強方法は以下のとおりです。
- テキストを一通り読んで把握する
- テキストを細かく読みこみ、その項目に対応した過去問題集を解く
- 過去問題集を通して3回ほど解く
- 予想問題集を解く
- 模試を受験する
まずは科目ごとに全体を一通り流し読みをし、分からないことがあっても読み飛ばし、全体的にどのようなことが出題されるのか把握しましょう。
ざっくりと読み終わったら、次は1つの項目ごとに細かくテキストを読みこんでいきます。
テキストが理解できるまで読みこめたら、次はひたすら過去問題集を何度も解いていきます。
宅建は過去問題集をどれだけ解いているかがポイントとなるため、1冊の過去問題集を3回終わらせる程度に、何度も繰り返し解きましょう。
宅建を独学で合格するためのコツ
宅建を独学で合格するには、試験まで勉強を継続させるといった強い意志のほかに、いくつかのポイントがあります。
宅建の勉強を始める前に確認しておきましょう。
自分が理解しやすいテキストかつ最新版を選ぶ
宅建を独学で勉強する場合、スクールや通信講座と違って、テキストや問題集はすべて自分で選ばなければなりません。
テキストの選び方としては、一般的に売れているものより、実際に自分が見て「理解しやすい」と思ったものにしましょう。
また、宅建の試験の内容は年度によって変更する場合もあるため、常にその年度の最新版のものを選ぶようにしましょう。
学習計画は常に見直す
先にも解説したように、まずは学習計画を立て、それを毎日継続させることが大切ですが、スケジュールより遅れてくることもあるでしょう。
そのため、スケジュールは、できれば週間・月間のスケジュールも組みましょう。
遅れたスケジュールのまま放置していると、だんだんモチベーションも下がり、途中で挫折してしまう原因にもなります。
宅建業法は満点を取りにいく心構えで
宅建の科目の中で、特に出題数が多い宅建業法は得点源となる重要な科目です。
宅建業法で点を稼げれば、苦手な科目の正答率が多少低くともカバーできるため、確実に点を取れるように力を入れて学びましょう。
独学より効率的に宅建の合格を目指すなら通信講座がおすすめ!
宅建は、自分で立てた計画通りに継続して勉強を続けられる人なら、独学でも合格を目指せます。
しかし、独学はすべてのスケジュールが自分任せのため、自分に甘くなるとスケジュールが遅れがちになり、そのまま挫折してしまうケースが多いです。
このような「自分は独学での勉強に向いていない」という人には、通信講座がおすすめです。通信講座のメリットは以下のようなものがあります。
- 動画で講座が学べる
- スクールより費用が抑えられる
- スキマ時間を活用できる
- 分からないことを質問できる
通信講座の大きなメリットは、テキストだけでなく、プロの講師による講義を動画で見れることです。
テキストだけでは理解しにくい部分も分かりやすく解説してくれるので、テキストだけで学ぶよりも理解度が深まりやすいです。
また、通信講座によっては、分からないことを講師に質問できる場合や、講師による添削サービスなども活用できます。
独学のさまざまなデメリットを上手くカバーしつつ、時間に拘束されずにある程度自由に学べるというのが、通信講座の大きなメリットと言えます。
宅建の合格を目指す人におすすめの通信講座3選
フォーサイト
- 「合格点主義」のこだわりのフルカラーテキスト
- リアル講師とバーチャル講師のどちらも自由に選択できる
- 不合格時の全額返金保証あり※条件に該当した場合のみ
フォーサイトの特徴
フォーサイトは、宅建受講者の合格率が82.0%※と高い合格率を誇る通信講座です。
フォーサイトのeラーニング「ManaBun(マナブン)」は、パソコンやスマホ、タブレットで視聴できるので、出かけ先でもプロの講義が視聴できます。
また、フルカラーのテキストは「合格点主義」をモットーに、「満点」ではなく「合格ライン」を確実にクリアできる内容が厳選して詰め込まれています。
※公式サイトの文言による
宅建講座の特徴
フォーサイトの宅建講座は、2021年度に787名が合格した実績を持っています。
また、フォーサイトの宅建講座は「わかりやすい講義」に定評があり、合格した787名の中の86.7%※の方が非常に満足・満足と解答しています。
特に忙しい時には、1.5倍速・2倍速で視聴することもできます。
※出典:受講生アンケート|フォーサイト
宅建講座の講師陣
フォーサイトの講師には、5万人以上の指導実績がある宅建業界のレジェンド講師、窪田義幸講師が担当しています。
講義の内容はプロ講師が監修していますので、講義内容はリアル講師と変わりはありません。
宅建講座の教材
フォーサイトのテキストは、こだわりがつまったフルカラーテキストです。
分析の結果、出題頻度が低い論点はテキストには掲載せず、逆に重要度が高い論点は重点的に解説をしているため、効率よく実力をつけることができます。
講座の価格(税込) |
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主なサポート体制 |
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合格実績 | 2021年度 787名合格
合格率82.0%(全国平均の4.63倍) ※公式サイトの文言による |
運営会社 | 株式会社フォーサイト |
出典:フォーサイト
STUDYing
- 動画講義、WEBテキスト、スマート問題集の全てがマルチデバイス対応
- 苦手分野を徹底攻略できるスマート問題集
- スマホでも使える暗記ツール機能
STUDYingの特徴
STUDYingは、動画講義やテキスト、問題集などすべてがマルチデバイス対応となっているため、いつでもどこでも手軽に学習ができるこだわりのオンライン教材が魅力です。
また、添削機能や勉強仲間機能により、孤独感をなくし、試験勉強を続けていくモチベーションも上がりやすくなります。
宅建講座の特徴
STYDYingの宅建講座は、過去の試験問題を分析して良く出る問題を抽出し、その内容をわかりやすいビデオ講座、テキストにしています。
また、すべてのツールが基本的にはオンライン教材となるため、お手軽価格で受講できるというメリットもあります。
宅建講座の講師陣
STUDYing宅建講座の主任講師は、宅建士、行政書士など数多くの国家試験や検定試験について、20年以上にわたり教材作成や講義を務める竹原 健講師です
長年の受験指導で培った合格のノウハウを、初学者にもわかりやすく伝える講義は、受講生にも高評価を得ています。
宅建講座の教材
STUDYingのビデオ講義は、宅建初学者でも無理なく学べるように、図や具体例などを使ってわかりやすく解説しています。
スマート問題集は、間違えた問題だけを出題する機能があるため、自分の苦手分野を徹底克服することができます。
講座の価格(税込) |
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主なサポート体制 |
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合格実績 | 2021年度宅建試験合格者 680名以上 |
運営会社 | KIYOラーニング株式会社 |
出典:STUDYing
クレアール
- 合格に必要な範囲だけを学習する「非常識合格法」
- マルチデバイス対応の学習スタイル
- 疑問点は「メール」「質問用紙」で即解決
クレアールの特徴
クレアールは、満点を目指すのではなく、合格点を確実にクリアする「非常識合格法」というオリジナルの学習法を採用している通信講座です。
講義映像配信、講義音声、講義資料などはすべてWeb通信のため、外出先でスマホで学習することも可能です。
宅建講座の特徴
クレアールの宅建講座は、毎年開催される試験傾向を研究し、要点を絞った学習教材と講義で勉強する「非常識合格法」での学習となります。
また、クレアールの宅建講座は完全通信制のため、講義は動画配信となり、パソコン、スマホ、タブレットで視聴も可能です。
宅建講座の講師陣
クレアールの宅建講座の「サクセスコース」を担当する氷見敏明講師は、雑誌等に掲載多数のカリスマ講師です。
分かりやすい講義、楽しい語呂合わせなど、視聴覚にフルに訴えた講義が魅力です。
宅建講座の教材
クレアールの宅建講座の教材は、基本的にすべてWebで配信されるため、テキストを持ち歩く必要はありません。
二色刷りで見た目にも分かりやすい工夫がされています。
講座の価格(税込) |
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主なサポート体制 |
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合格実績 | 記載なし |
運営会社 | 株式会社 クレアール |
出典:クレアール
よくある質問
まとめ
宅建は独学での合格も可能ですが、初学者の場合はスケジュール管理ができなくなり、途中で挫折してしまう可能性も高いです。
テキストではなく、目や耳で聞く方が理解しやすい人や、テキストとあわせてプロの講義を聞きたいという人には、通信講座の利用をおすすめします。
通信講座であれば、スマホやタブレットなどで自宅でも外出先でも勉強ができるため、ちょっとしたスキマ時間を利用して効率よくすすめられます。
通信講座によってサービスも費用も大きく違うため、無料お試しなどを利用して、各社の講義を比較してみることをおすすめします。