中小企業診断士の難易度は?合格率や他資格との比較、勉強時間も解説

中小企業診断士の難易度は?合格率や他資格との比較、勉強時間も解説

中小企業診断士に興味がある人の中には、「中小企業診断士試験の難易度はどのくらい?」「効果的な勉強方法とは?」などの疑問を感じたこともあるのではないでしょうか?

中小企業診断士の資格があれば、経営への助言や講演、執筆活動など様々な分野へ仕事の幅を広げることが可能です。

そこで本記事では、主に以下のことについて解説しています。

本記事で分かること
  • 中小企業診断士の試験内容
  • 中小企業診断士の合格率
  • 中小企業診断士の勉強方法

中小企業診断士試験の対策におすすめの通信講座も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

こちらのページはコンテンツ運営ポリシーに則って運営しています。詳しくはこちらをご確認ください。

中小企業診断士の難易度は高い?試験内容や合格率は?

拳をつきあわせる人達

試験内容

中小企業診断士の試験は、選択式で出題される1次試験と、記述・面接からなる2次試験があります。

まず、 1次試験の試験科目から見ていきましょう。

企業経営理論 経営戦略論、組織論、マーケティング論など。
複雑な記述に対する正誤を選択する問題が多い。
財務・会計 資金に関する問題が出題される。
会計の分野では財務会計や管理会計、財務の分野では資金調達や投資が主題とされる。
運営管理 製造業の生産オペレーションや、小売業などの店舗における店舗・販売管理などに関する問題。
経営情報システム 情報システムの基本知識や、それを経営に生かすスキルが問われる問題。
経済学・経済政策 経済動向への理解や、経営戦略を立案する際の考え方が問われる問題。
テーマは、マクロ経済とミクロ経済の分野に大別される。
経営法務 起業に携わるうえで必要になる最低限の法律知識が問われる問題。知的財産権や会社法に関する問題が中心。
中小企業経営・政策
中小企業経営と中小企業政策の2分野で構成される。
中小企業経営の分野では中小企業の動向や課題、中小企業政策の分野では政府による中手企業向け政策など。

このように、1次試験では企業経営に関する考えかたや、法律・政策への理解度が問われる問題が多く出題されるため、幅広く知識を身に着けておく必要があります。

次に、2次試験の科目を見ていきましょう。

2次試験の筆記試験は主に以下の4科目があります。1次試験とは異なり、選択肢から答えを選ぶのではなく、問題分に対して指定された文字数に応じて答えを記載する記述形式の問題となっています。

組織を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例 組織の課題や人材の活用について、営戦略や経営管理の視点から説明が求められるような問題。
マーケティングや流通を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例 起業のシェア拡大に向けた戦略やマーケティングに関する考え方が問われる問題。
生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例 生産や技術に関する課題や打開策などについての理解が求められる問題。
財務や会計を中心とした経営戦略・経営管理に関する事例 経営戦略や経理管理への理解が求められる問題や、経営指標・キャッシュフローに関する計算問題。

数値で回答する問題もありますが、基本的には文章での回答が求められるため、用語を暗記するだけでは不十分です。

 知識があるのは大前提です。そのうえで、経営に関する様々な観点から導き出された答えを論理的かつ網羅的に説明する能力が求められます。

記述問題は、正誤や部分点が不明瞭であり万全な対策がしにくいことから、多くの受験生の悩みの種となっています。

なお、2次試験の口述試験は約10分間の面接です。筆記試験の問題への理解を改めて確認するような質問をされることになりますが、ほとんどの人が合格しています。

合格基準

仕事をする人

1次試験・2次試験ともに合格基準は以下の通りです。

1次試験の合格基準
  • 総点数の60%以上
  • 満点の40%未満の科目がない

試験は1科目100点満点であるため、仮に1次試験で7科目受験するなら、700点満点で420点(総得点の60%)が合格ラインとなります。

ただし、総得点が420点以上でも、40点未満の科目が1科目でもあれば不合格になってしまうため、満遍なく対策してなくてはなりません。

合格率

一般社団法人中小企業診断協会が発表したデータによれば、中小企業診断士の1次試験の合格率は、以下の通りです。

年度 合格率
令和2年度 42.5%
令和元年度 30.2%
平成30年度 21.7%
平成29年度 21.7%
平成28年度 17.7%
平成27年度 26.0%
平成26年度 23.2%
平成25年度 21.7%

令和2年度の合格率は42.5%と驚異的と言える値で、例年よりもかなり高くなっていますが、過去10年を振り返ると平均的な合格率は20~25%ほどです。

 合格率が高いわけではありませんが、しっかり準備すれば1次試験を通過する可能性は十分にあると言えます。

次に、2次試験の合格率を見ていきます。

年度 合格率
令和2年度 18.4%
令和元年度 18.3%
平成30年度 18.8%
平成29年度 19.4%
平成28年度 19.2%
平成27年度 19.1%
平成26年度 24.3%
平成25年度 18.5%

2次試験の合格率は18%ほどで、1次試験よりもやや低めです。1次試験と2次試験を別個で見れば、それぞれの合格率は一見さほど高くないようにも思えます。

しかし、1次試験を通過した人のうち2割程度しか2次試験を合格できないという事実に注目すると、中小業診断士試験の難易度の高さが分かります。

では、最終的な合格率はどのくらいなのでしょうか?

公式データは発表されていないので一概には言えませんが、表のデータに基づき1次試験の合格率を25%、2次試験の合格率を18%と仮定すれば、4.5%(25%×18%)が最終的な合格率になります。

出典:中小企業診断協会

中小企業診断士の難易度を科目別に解説

ペンと紙を持つ人

本項では、中小企業診診断士1次試験も科目ごとの難易度を見ていきます。

一般社団法人中小企業診断協会が発表したデータをもとに、平成30年度から令和2年度までの3年間について、一次試験の科目別の合格率を以下の表にまとめました。

平成30年度 令和元年度 令和2年度
企業経営理論 7.1% 10.8% 19.4%
財務・会計 7.3% 16.3% 10.8%
運営管理 25.8% 22.8% 9.4%
経営情報システム 22.9% 26.6% 28.1%
経済学・経済政策 26.4% 25.8% 23.5%
経営法務 5.1% 10.1% 12.0%
中小企業経営・政策 23.0% 5.6% 16.4%

年代によってばらつきはありますが、合格率が10~20%程の科目が多くなっています。

「経営法務」に関しては、合格率が一番高い年でも12.0%であり、その他の科目よりも平均的な合格率が低いことが分かります。

 前述したように、経営法務は、経営に関することだけではなく法律も理解していなくては回答できない分、難易度が高いと考えられます。

資金に関する問題が出題される「財務・会計」についても、近年の合格率は低めです。

一方、「経営情報システム」は徐々に合格率が高くなっており、比較的対策がしやすい科目であると言えます。

出典:令和3年度中小企業診断士第1次試験の結果について

中小企業診断士の難易度をその他の資格と比較

勉強

司法書士との比較

法務省が発表したデータによれば、司法書士試験の過去10年間の合格率は以下の通りです。

年度 合格率
令和2年度 5.2%
平成31年度 4.4%
平成30年度 4.3%
平成29年度 4.1%
平成28年度 3.9%
平成27年度 3.9%
平成26年度 3.8%
平成25年度 3.5%
平成24年度 3.5%
平成23年度 3.4%

平均的な合格率は4~5%ほどであり、非常に難易度の高い資格であることが分かります。

前述したように、中小企業診断士試験も1次試験と2次試験をどちらも合格する確率は4.5%ほどであるため、最難関資格の一つとされる司法書士と同程度の難易度であると言えます。

出典:法務省‐司法書士試験 

行政書士との比較

スーツを着た人

一般財団法人 行政書士試験研究センターが発表したデータによれば、過去10年間の行政書士試験の合格率は以下の通りです。

年度 合格率
令和3年度 11.18%
令和2年度 10.72%
令和元年度 11.48%
平成30年度 12.70%
平成29年度 15.72%
平成28年度 9.95%
平成27年度 13.12%
平成26年度 8.27%
平成25年度 10.10%
平成24年度 9.19%
平成23年度 8.05%

行政書士の平均的な合格率は10~12%ほどです。そのため、単純に合格率を比較すれば中小企業診断士試験の方が難易度が高いと言えます。

出典:令和 3年度行政書士試験実施結果の概要
出典:令和3年度(2021年度)行政書士試験 合格率は11.18%、合格者5,353人! – STUDYing

社労士との比較

厚生労働省が発表したデータによれば、社労士試験の過去10年間の合格率は以下の通りです。

年度 合格率
令和3年度 7.9%
令和2年度 6.4%
令和元年度 6.6%
平成30年度 6.3%
平成29年度 6.8%
平成28年度 4.4%
平成27年度 2.6%
平成26年度 9.3%
平成25年度 5.4%
平成24年度 7.0%
平成23年度 7.2%

社労士試験の合格率は約5~7%ほどであり、中小企業診断士試験の合格率よりは若干高い値です。

ただし、社労士試験には明確な受験資格が定められているため一定の要件を満たした人しか受験できません。一方、中小企業診断試験(1次試験)は、特に受験資格が設けられていません。

 その分様々な属性の人が受験できます。中には力試しや経験のためにチャレンジする人もおり、それが原因で合格率が低くなっている側面もあると考えられます。

このことを考慮に入れると、社労士試験と中小企業診断士の合格率に大きな差がないことから、難易度は概ね同水準であると言えます。

出典:社会保険労務士試験の結果について‐厚生労働省 

中小企業診断士試験に合格するための勉強時間

子どもと時計

中小企業診断士の試験に合格するための勉強時間は1000時間ほど必要だと考えられています。1日2時間勉強しても1年4カ月ほど期間を要することになります。

これだけの膨大な勉強時間が必要になるのは、前述したように1次試験の試験科目が7科目と幅広いうえに、記述問題がある2次試験では1次試験とは異なる対策をする必要があるためです。

 知識さえあれば通過できる1次試験とは異なり、2次試験では知識をアウトプットする能力が求められます。

どのような問題に対しても、論理性や分析力、語彙力など様々な評価指標において求められる水準を満たした回答をしなければ2次試験は通過できません。

出題範囲のテーマについて深く理解したうえで、アウトプットの練習を繰り返しスキルを向上させなくてはならず、結果的に勉強時間が長くなってしまうのです。

難易度が高い中小企業診断士の勉強方法

試験勉強

独学で勉強する

独学が向いている人の特徴としては以下のようなものが挙げられます。

独学が向いている人の特徴
  • 自分のペースで勉強したい人
  • モチベーションが維持できる人
  • 費用を抑えたい人

独学なら使用する教材も勉強する時間・場所も全て自由に選べます

 人から干渉されることなく自分のペースで勉強することが可能ですが、モチベーションが維持しにくい側面もあります。

前述したように中小企業診断士の試験範囲は広く、2次試験では文章力や論理性が求められる問題が出される分対策が難しいため、戦略的に勉強しなければ資格取得までに膨大な時間がかかってしまいます

コツコツ勉強しているのに成果が出なければ、焦りを感じることもあるでしょう。

そういった時に、学習計画を見直し、自分を奮い立たせモチベーションを維持できる人であれば独学が向いていると言えます。

費用が安く収まるのも独学のメリットです。基本的に勉強費用はテキストや問題集代のみなので、1万円~3万円程度で済むでしょう。

スクール・予備校に通う

勉強する人

スクールや予備校に通い、本格的に指導を受けるのも手です。スクール・予備校が向いている人の特徴としては以下のようなものが挙げられます。

スクール・予備校が向いている人の特徴
  • 講師から直接教えてもらいたい人
  • 一緒に勉強する仲間が欲しい人
  • 学費が払える人

スクールや予備校に通う醍醐味は講師から直接勉強を教えてもらえることでしょう。分からないことがあってもその場ですぐに質問して解消できるので、知識が定着しやすくなります。

また、決められた時間に確実に勉強できる分、勉強を習慣化しやすい点や、一緒に勉強する仲間が見つかる点もスクールや予備校ならではのメリットと言えます。

 こういったメリットがある反面、独学や通信講座よりも費用が高くなりやすいという難点もあります。

スクールや予備校は、一講座あたり20万円ほどが相場です。

通信講座を受ける

通信講座では、インターネットなどを介し場所や時間にとわれず講座を受けられます。通信講座が向いている人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

通信講座が向いている人の特徴
  • 自分のペースで講義を受けたい人
  • 学習習慣を身につけたい人
  • 少ない費用で質の高いサポートを受けたい人

通信講座では、事前に録画された講義映像やWebテキストなどの教材を使って勉強するのが一般的です。

 これらの教材はスマートフォンやタブレット、PCなどへダウンロードできる場合が多く、いつどこにいても講座を受られます。

また、通信講座には学習進捗をグラフで可視化できるツールや、勉強するべき箇所を教えてくれるツールなど、勉強をサポートしてくれる様々な便利ツールがあります。

これらを利用することで、学習習慣が身に付きやすくなるのもメリットです。

費用もスクールや予備校などの通学講座より安く、一講座あたり5万円程度で収まるのが一般的です。

中小企業診断士1次試験に合格するための勉強方法

パソコンとノートを広げて勉強する人

難易度が高い中小企業診断士の1次試験の合格を目指す際、全7科目の学習内を進めていく必要があります。

それぞれ優先度順に、対策方法を解説していくので参考にしてください。

中書企業診断士の1次試験の7科目
  • 企業経営理論/財務・会計
  • 運営管理/経済学・経済政策
  • 経営情報システム/経営法務/中小企業経営・施策

企業経営理論/財務・会計

まず最初に手を付けるべき項目は企業経営理論、財務・会計の2種類で、中小企業診断士の1次試験において最も優先順位が高いです。

科目 目安の勉強時間 優先順位
企業経営理論 200時間程度 高い
財務・会計 200時間程度 高い

企業経営論は経営戦略やフレームワークなど、会社を運営する基盤となる知識が問われるため、真っ先に学習し基礎を固めることが先決です。

基本的には経済学の領域が範囲となり、中小企業診断士として活躍するためには欠かせない知識と言えます。

 最初の基礎でつまづいてしまうと、その後のスケジュール・モチベーションも低下するため、しっかりと学習時間を確保しましょう。

その後は財務・会計の学習を進めることがおすすめですが、単なる暗記で攻略することは難しく、設問の本質を理解する必要があり難易度は高いです。

時間がかかり、つい捨てがちな財務・会計のパートですが、優先順位が高いため避けては通れないといえるでしょう。

独学、通信講座問わず、企業経営理論と財務・会計は学習時間を多く割き、しっかりと理解するまで学習することがおすすめ。

運営管理/経済学・経済政策

電卓

次に優先度の高い分野は運営管理と経済学・経済政策となっており、運営管理の分野のほうがやや優先度が高いです。

科目 目安の勉強時間 優先順位
運営管理 200時間程度 高い
経済学・経済政策 150時間程度 やや高い

運営管理の特徴は4択のマーク式が45問前後となっており、非常に問題数が多い構成。

そのためできるだけ知識をインプットし、問題を見たら瞬間的に答えが導き出せるようになるまで、反復的な学習を進めると良いでしょう。

 運営管理は問題数が多く、全て解ききれないケースも珍しくはありません。時間配分を意識し、問題を見た瞬間に答えが出なければ、時には捨てる思い切りも重要です。

次に経済学・経済政策に関しては、主に以下の様な領域に関しての出題がメインとなります。

経済学・経営政策の出題傾向
  • マクロ経済
  • ミクロ経済

マクロ経済、ミクロ経済ともに5:5の割合で出題されるケースが基本のため、どちらの分野も同じくらい学習時間を割くようにしてください。

暗記力で突破できる項目が多いため難易度は低く、学習に割く時間を避ければ、その分スコアアップが期待できるパートです。

経営情報システム/経営法務/中小企業経営・施策

エンジニア

最後に学習を進めるパートが経営情報システムと経営法務、中小企業経営・施策で、優先度と学習時間は以下の通りです。

科目 目安の勉強時間 優先順位
経営情報システム 50~100時間程度 低め
経営法務 50~100時間程度 低め
中小企業経営・政策 50~100時間程度 低め

いずれも50~100時間程度となっており、合計でも300時間かからないほどの配分となっています。

経営情報システムの分野では、今までの経営・経済に関する知識ではなく、ITシステムに関する知識も問われるため純粋な難易度とは異なり、表計算ソフトや開発言語に関する学習も進めるようにしましょう。

 エンジニアが行うような、高度な開発技術ではなく基礎的な項目が出題範囲となっています。

経営法務に関しては、民法や情報開示に関する法律など、法的な知識が問われます。

中小企業診断士として経営支援を行うだけではなく、リーガルチェックなども対応できる市場価値の高い中小企業診断士が目指せるでしょう。

暗記で対策できるもの、本質を理解する必要があるものなど様々なため、パートごとに対策を立てていきましょう。

中小企業診断士2次試験に合格するための勉強方法

勉強

次に2次試験の勉強方法ですが、大きく分けて以下2つのポイントがあるので参考にしてください。

中小企業診断士の2次試験の勉強方法
  • 論文式に対応する
  • 2次試験の科目

論文式に対応する

まずはじめに、2次試験はマークシートではなく論文式となっているため、知識を暗記するだけでは突破が難しく難易度は高いです。

そのため、それぞれのパートにおいて本質的な理解が必要で、なおかつ自分の言葉で説明できるほどの理解力が求められます。

 論文式の問題に慣れるためにも、何度か過去問を解いてみて、理解力を高めましょう。

ただ論文式の問題は、必要な基礎知識が身についていることが大前提。

まずはマークシートなど暗記で対応できる分野の学習を進め、総仕上げとして論文式に対応するようにしましょう。

論文式の問題は学習時間を多く取り、理解力を高めるようにしましょう。

2次試験の科目

勉強

次に、2次試験の科目を把握し、それぞれのスケジュールを立てていく必要があります。

2次試験で出出される科目
  • 組織・人事
  • マーケティング
  • 生産・管理
  • 財務・会計

上記の学習目安時間は約100時間、経験がある人であれば50時間です。

まずは自分の得意・不得意を判断し、苦手をなくすように学習を進めていきましょう。

記述式は初めから最後まで、一貫した文章が求められます。主題がねじれ内容、わかりやすい文章構成を意識しましょう。

中小企業診断士に合格するための勉強内容

勉強

前提として中小企業診断士の合格率は上がってきているため、しっかりと対策を行えば合格が目指せます。

財務・会計

まず最初に、簿記の基本的な仕組みを理解するフェーズからはじめ、財務・会計の基礎知識を身に着けましょう。

過去問と同じ問題が出題されることは少ないため、根本的な理解を深めるための反復が必要です。

 過去問にとらわれすぎず、そもそもの知識をみにつけることが重要。

またここで身につけた財務・会計の知識は、二次試験にも繋がるため、まとまった時間を作って学習に臨むようにしましょう。

目安として財務・会計のフェーズでは200時間の勉強時間が必要です。

企業経営理論

経営

次に企業経営理論の学習ですが、財務・会計どうよう時間を掛けるべきパートです。

簿記などの数字的な側面よりも、リーダーシップやマネジメントスキル、市場調査といったビジネス的な知識が問われます。

 普段からビジネス書を読んでいる人であれば、比較的知識は吸収しやすいです。

企業経営理論も同様に、後の二次試験でも必要なスキルなのでしっかりと対策の時間を作るようにして下さい。

真新しい専門知識よりも、ビジネス全般に必要なスキルが求められるフェーズです。

経済学・経済政策

経済学・経済政策の知識は、ほとんど一次試験のみで活用するため、前述の2つのパートよりは時間がかからないでしょう。

主に数学的な知識が問われ、グラフやデータを読み取り正解を導き出す力が求められます。

 売上や利益、支出など企業の経営全体に関わる項目が多いです。

暗記しておけばクリアできるようなタイプではないので、何度かグラフを読み取る問題を実際に解き、慣れておくことが重要です。

比較的重要度は高くないパートですが、暗記だけでは対応できず本質を理解する必要が在るため、人によっては時間がかかるでしょう。

運営管理

転職エージェント 利用 書類選考

運営管理の分野は、以下2つの分野に分かれるため、それぞれの対策が必要です。

運営管理の2分野
  • 生産管理
  • 店舗・販売管理

基本的に知識を覚えれば対応できる問題と、その知識を応用し計算し導き出さなければいけない問題の2パターンが存在します。

また、生産管理に関しては二次試験でも必要な知識なので、時間をかけて学習に挑みましょう。

計算問題が多いパートですが、基本的な数学の知識があればそこまで難しい問題ではありません。

経営法務

経営法務は、その名の経営に関する法律の知識が求められるパートです。

ただ、法律の分野は極めて幅が広く、すべてを網羅することは極めて難しいでしょう。

 ある程度ポイントを絞り、全てを理解しようと思わないことがポイント。

基本的に経営法務は暗記勝負となるので、時間をかけ知識量を増やすことが重要です。

しかし年度ごとに問題の難易度にばらつきがあるため、法改正が合ったタイミングやタイムリーな話題に絞り込んで学習を進めていくことをおすすめします。

暗記科目でありながら、覚えた量と点数が比例するわけではないので、ある程度難しい問題は切り捨てる意識が必要です。

経営情報システム

プログラマー(PG)・エンジニア(SE)が向いている人の特徴

IT関連の知識が必要な経営情報システムは、専門的な技術用語への理解が必要です。

 普段からIT関連の仕事に就いていれば、そこまで難しくはないでしょう。

一方でIT知識があまりない人の場合、まずは用語の理解や基礎知識の吸収から始める必要があり、ある程度学習の時間がかかります。

年度によって難易度の上下が激しいため、受験時に難易度が高いと感じた場合、あまり時間を割きすぎないようにしましょう。

中小企業経営・政策

最後の中小企業経営・政策は、毎年4月にリリースされる中小企業白書をもとに問題が構築されています。

 中小企業白書の販売時期は決まっているため、4月以降しか学習時間が取れません。

そのため、前述の学習を4月までに終わらせ、4月以降は中小企業経営・政策の勉強に集中できるよう時間を確保しましょう。

中小企業経営・政策は暗記科目のため、中小企業白書をしっかりと覚えておけば確実に点数が確保できます。

中小企業診断士を目指す人におすすめの通信講座4選

たのまな

たのまな

おすすめポイント
  • 徹底的な試験分析で重要項目を明確化
  • 充実した2次試験対策
  • 学習サポートツールが豊富

たのまなは、13カテゴリ250講座という多種多様な講座を開講している通信講座です。中小企業診断士試験の対策に特化した中小企業診断士安心合格講座も用意されています。

 平成13年から本試験で出題された問題を徹底分析することで明らかになった重要ポイントを集中的に勉強できる同講座なら、短期間での合格が目指せます。

2次試験対策も充実しています。筆記試験で求められる「分析力」「論理的思考力」「記述力」を高めるカリキュラムが組まれており、実践的な対策が可能です。

また、学習計画を立てるための「セルフチェックシート」や、紙テキストのデータ化サービスなど、バラエティ豊かな学習サポートツールが用意されています。

メールや質問票などで何度でも無料で質問できるため、分からない箇所が曖昧にならず着実に知識を定着させていけます。

講座数※2022年4月25日時点 250講座
学べる資格例
  • 中小企業診断士
  • 社労士
  • 保育士
  • メンタルケアカウンセラー講座
  • ケアマネジャー 等
運営会社 ヒューマンアカデミー株式会社

出典:たのまな

STUDYing

STUDYing

おすすめポイント
  • 短期合格を目指せる講座
  • 勉強するべき内容を教えてくれる機能がある
  • 試験に出やすい内容を重点的に勉強できる教材

短期間で国家試験に合格した人たちの勉強法を徹底解析することで出来上がったスタディング「中小企業診断士講座」には、短期合格を実現するためのノウハウが凝縮されています。

実際に毎年多くの受講生が短期間で合格し、その後経営コンサルティングなどの分野で活躍していることからも、学習効果の高さが窺えます。

 「ビデオ・音声講座」でインプットした内容に応じた最適なアウトプットを実現するために、「学習フロー機能」で勉強するべき内容を可視化できるのも特徴です。 

そのほか、覚えるべき内容を図式化することで知識を体系的に整理できるようにした「学習マップ」や、試験で出題されやすいテーマを重点的に勉強する「実戦フォローアップ講座」など様々な教材が用意されています。

講義映像はスマートフォンで視聴できるため、移動時間などを有効活用することが可能です。

講座数※2022年4月25日時点 30講座
学べる資格例
  • 中小企業診断士
  • 行政書士
  • 司法書士
  • 建築士
  • ITパスポート
運営会社 KIYOラーニング株式会社

LEC東京リーガルマインド

LEC東京リーガルマインド

おすすめポイント
  • インプットとアウトプットを同時に強化できる
  • 実践的な対策ができる「演習講座」
  • 「成績表」で自分のレベルを客観視できる

LEC東京リーガルマインドは、株式会社東京リーガルマインドが運営する通信講座です。学習形態は「通学講座」「通信講座」「提携高校通学」から選択できます。

 中小企業診断士講座のテキストは、インプットとアウトプットを同時にできる構成になっています。見開き1ページで1テーマが完結するため知識の整理もしやすいでしょう。

答えだけでなく、問題が出題された理由から追加して学習しておくべきこと等まで網羅的に解説されている「演習講座」があるのも嬉しいポイントです。

「成績表」機能を利用すれば、現在の自分のレベルを客観視でき、資格取得までの距離を正確に掴めます。

講座数※2022年4月25日時点 117講座
学べる資格例
  • 中小企業診断士
  • 行政書士
  • 司法書士
  • 弁護士
  • 税理士
運営会社 株式会社 東京リーガルマインド

資格の大原

資格の大原

おすすめポイント
  • 図表で知識が整理できるオリジナルテキスト
  • 記述試験対策に特化した「添削指導」
  • メール質問にも対応している

資格の大原は、初学者でも中小企業診断士の試験問題レベルの問題を確実に回答する力が身に着けられるようオリジナル教材を用意しています。

図や表を多めに挿入することで複雑な内容を分かりやすく表示し、視覚アプローチにて理解を促進しているのが特徴です。

 採点基準が明確化されていない2次試験の記述問題を攻略するための「添削指導」もあります。

採点者からの講評もついてくるので、自分の強みと弱みを適切に把握し得点力アップに繋げられます。

自身の理解度や他の受講生とのレベル差が分かる「採点・成績表」機能を利用することで、学習効果を適宜チェックすることも可能です。

メールでの質問も受け付けているため、疑問を即座に解消できます。

講座数※2022年4月25日時点 33講座
学べる資格例
  • 中小企業診断士
  • 宅建士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 簿記1・2級
運営会社 学校法人 大原学園

※回数制限あり

よくある質問

中小企業診断士の偏差値はどれくらい?
偏差値で換算すると、おおよそ63ほどです。
偏差値63となると、各都道府県トップの大学と同じくらいのレベルのため、難易度としては高い部類と言えるでしょう。
独学で中小企業診断士は取得できる?
難しい部類ではありますが、可能です。
中小企業診断士は平均合格率が25%前後と、士業の資格の中では比較的高いため、しっかりと時間を設けて対策を行えば、独学でも突破できる確立は高いです。
中小企業診断士を取得すると年収は上がる?
企業にもよりますが、中小企業診断士を持っていると資格手当として1~3万円ほど月給に上乗せされます。
年間で見ると30万円以上年収アップが見込めるため、年収を上げたい人は中小企業診断士の取得がおすすめです。

まとめ

今回は中小企業診断士試験の難易度や合格率、効果的な勉強方法などについて解説してきました。中小企業診断士の資格を取得するためには、1次試験と2次試験両方に合格しなくてはなりません。

1次試験の合格率は20~25%ほどと、その他難関資格と比較すれば比較的高めですが、1次試験を通過した人のうち2割ほどしか2次試験を合格できないケースが多く、最終的な合格率は約4.5%です。

合格率が低い理由としては、1次試験と2次試験で異なる対策が必要な点が挙げられます。

2次試験では基本的な知識だけでなくアウトプットのスキルも問われるのです。

独学で合格を目指すのも不可能ではありませんが膨大な勉強時間を要するため、短期間で合格したい人は、要点を絞り効率的な対策ができる通信講座や通学講座を利用するのがおすすめです。

執筆者 転職ベスト編集部
『転職ベスト』では、ユーザーの「仕事」を軸に、「転職」「就職」「退職」「資格」の関するあらゆる情報を発信する比較メディアです。
『転職ベスト』では、新しい仕事へ踏み出すで生まれる「不安」に対して、さまざまな情報を発信し、ひとりひとりにとって最良な選択を手助けする情報を提供するために、最新で有益なコンテンツ制作を日々行っています。
※詳しくはコンテンツポリシーをご覧ください。
・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等を提供する企業等の意見を代表するものではありません。
・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等の仕様等について何らかの保証をするものではありません。本記事で紹介しております商品・サービスの詳細につきましては、商品・サービスを提供している企業等へご確認くださいますようお願い申し上げます。
・本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービスの内容が変更されている場合がございます。
・本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他の企業等の意見を代表するものではありません。
・本記事内で紹介されている意見は、意見を提供された方の使用当時のものであり、その内容および商品・サービスの仕様等についていかなる保証をするものでもありません。