
薬剤師の再就職は難しい?ブランクあり・定年後におすすめの職場も紹介
「薬剤師は再就職できるの?」と不安を抱いている方も少なくありません。昨今では新型コロナウィルスが各業界に大きなダメージをもたらしており、その影響は薬剤師業界にまで及んでいるのです。
「リモート」が普及し、感染拡大を予防するために医療機関の受診が減り、薬局の経営も悪化している状態です。そのため、転職を考えている薬剤師が増えてきています。
そこで今回は、薬剤師の再就職について、おすすめの職場や知っておくべき注意点などを詳しくまとめていきます。
- 薬剤師は再就職ができるかどうか
- 薬剤師の再就職におすすめの職場
- 薬剤師の再就職における注意点
- 薬剤師が再就職を成功させるポイント
再就職を目指す薬剤師におすすめの転職エージェントもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
薬剤師の再就職は可能?
結論からお伝えすると、「薬剤師」の資格があれば十分に薬剤師の再就職は可能です。
また、「未経験者大歓迎」と薬剤師の求人を出している企業も多く、再就職しやすい業界だといえます。働き方や勤務形態はそれぞれ違うので、再就職する際はリサーチが必須です。
ただ、再就職する前には法律や制度、新薬知識をアップデートすることが大切です。
薬剤師の再就職率はどれくらい?
薬剤師の再就職率は公式では公開されていないため、正確な数値まではわかりませんでした。
しかし、薬剤師の有効求人倍率などを参考に、需要の有無や転職先について解説してくため参考にしてください。
再就職先の割合
まずはじめに、一度薬剤師をやめた人や定年を迎えた人は、主に以下のような事業所へ転職しています。※
就職先 | 人数 | 割合 |
薬局(調剤薬局・ドラッグストア) | 約18.0万人 | 58.0% |
医療施設 | 約6.0万人 | 19.3% |
医薬品関係企業(製薬企業) | 約4.1万人 | 13.3% |
衛生行政機関 | 約6700人 | 2.1% |
大学 | 約5200人 | 1.7% |
その他 | 約1.7万人 | 5.4% |
上記の通り、基本的には薬剤師の主な活躍場所として上がる薬局が最も多い58.0%と多く、ついで医療施設という結果になりました。
薬剤に限らず医療とは一切無関係ない一般企業へ転職する人も一定数おり、幅広い転職先が待っていると言えるでしょう。
薬剤師は専門スキルが必要とされるため、再度同じく薬剤師として復帰する人も少なくありません。
他には大学で授業を教えたりと、誰かにスキルを伝授する道もあります。
※平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況|厚生労働省
薬剤師は需要が高い職種
次に薬剤師は求人倍率は2.18倍となっており、全職種の平均である1.27倍と比較して2倍近い数字となっています。
そのため再就職先として薬剤師に戻ることは、キャリア形成において有効な手段です。
薬剤師のスキルを活かし一般企業へ転職する道もありますが、基本的には薬剤師としての再就職がおすすめ。
一度身につけたスキルは今後長く活かせるため、医療業界や薬剤師業界で次のキャリアを形成すると良いでしょう。
60代薬剤師の再就職
一般的には60代での再就職は難しいですが、薬剤師に限っては再就職があまり難しくありません。
前述通り求人倍率が高いこともありますが、スキルや知識があればあるほど活躍できる職種のため、経験値が多いほど有利になります。
長年培ったスキルを活かし、60歳以降のキャリアでも十分活躍できます。
そのため薬剤師に限っては、年数により転職が不利になることもあまりないため、「60歳以上」で絞って求人検索をすることがおすすめです。
ブランクのある薬剤師の再就職におすすめの職場3選
ドラッグストア
まずはドラッグストアです。特にドラッグストアは、調剤経験がない人にも向いています。
最近では調剤薬局を併設したドラッグストアが増えています。調剤の必要がない「OTCメイン」のドラッグストアが大半を占めるようになりました。
ただし、ドラッグストアで薬剤師として働く場合は医療関係と離れた業務もこなさなければいけません。
- レジ内
- お客様の対応
- 商品の品出し陳列
- 清掃
- POPの作成
どれも難しい業務ではないので、覚えればすぐにできるようになるでしょう。高齢の人でも無理なくできる仕事ばかりなので、定年退職を迎えた人にもおすすめです。
ドラッグストアでの求人はパートやアルバイトが多い傾向にあります。しかし、比較的時給が高めなうえ、シフトの融通もききやすいので自分のライフスタイルに合わせて働けるでしょう。
調剤薬局
調剤薬局は、基本的には「調剤経験がある」ことが前提条件となっています。調剤経験がなくても働ける企業もありますが、ほとんどは調剤経験が必要となるので注意が必要です。
また、調剤薬局で再就職する際は、何科の病院の調剤が必要なのかも確認が必要です。
例えば整形外科は処方箋数は多いですが、専門的な知識はあまり必要ないので初めての薬剤師にとっても働きやすいです。
総合病院や内科は処方箋数も多い上に専門的な知識も求められるので、業務内容がハードになりやすいと言えます。その分やりがいは感じられますが、人によってはハードな業務が辛く感じることもあるかもしれません。
病院
薬剤師は、病院にも再就職できます。ただ、大規模な病院や大学病院の場合は24時間体制なので夜勤もありますし、業務内容がハードです。
ブランクがある人や、定年退職を迎えた人にとってはきつく感じることもあるかもしれません。
体力は必要になりますが、やりがいがありますし、薬剤師としての誇りも高まりまるでしょう。
リハビリテーション専門の病院なら即戦力となる薬剤師を求めているところが多いので、誰でも再就職できる可能性があります。
定年を迎えた薬剤師が再就職をするには?
現在では定年制の職場で働いている薬剤師が多く、定年を60歳に定めている企業が多いです。
しかし、「定年退職を迎えたけど、薬剤師として復帰したい」「老後のために働きたい」と考えている人も少なくありません。
そこで、ここからは定年を迎えた薬剤師の再就職先の選び方などをご紹介していきます。
定年後の再就職先の選び方
- 転職エージェントに相談する
- 勤務時間や残業時間をチェックする
- 通勤時間が短い職場を選ぶ
- 雇用形態にこだわりすぎない
- 調剤経験の有無で調べる
- 「60歳以上可」で検索する
定年後の再就職先を選ぶ際は、通勤時間の短さや勤務時間などを確認しておきましょう。
定年後は体力的な負担を感じやすいので、残業時間が長かったり、フルタイム勤務だったりすると体に影響が出てくるかもしれません。
定年後は自分の無理のない範囲で働ける職場を選ぶことが大切です。自分にどの求人が合っているかわからないと悩んでいる人は、転職エージェントに相談するのも1つの手です。
転職エージェントを利用すれば定年を迎えた人向けの求人を紹介してもらえることもあるので、スムーズに再就職先が見つかるでしょう。
定年後の再就職におすすめの職場
- 現在の職場で再雇用をしてもらう
- ドラッグストア
- 物流センター
- 調剤薬局
上記の4つの職場は病院などと比べると体力的にも無理なく働けることが多いので、定年を迎えた人にぴったりです。
ドラッグストアや調剤薬局はパートやアルバイトとして再雇用してもらえる可能性が高く、自分のライフスタイルに合わせて働けます。
物流センターの業務は基本的に衣料品の品質管理や在庫管理なので、調剤経験のない人でも応募できる可能性が高いです。
薬剤師が再就職をする前に知っておくべき注意点
年収や待遇が下がる可能性がある
薬剤師として再就職すると年収や待遇が下がる可能性があります。特に定年を迎えると、若い世代と比較してパフォーマンス力が劣ります。
勤務できる年数も短くなるので、以前働いていた時と同じような年収や待遇は期待できないでしょう。
また、正社員ではなくパートやアルバイトとして再就職する場合は、さらに年収が下がる可能性が大きいです。場合によっては半分以下になることも考えられるでしょう。
上司が自分より年下になる可能性が高い
再就職すると自分より年下の上司がつく可能性が高いです。そのため、やりづらさを感じることもあるかもしれません。「自分の方が知識があるのに」「年下に指示されるのは嫌だ」と感じてしまうこともあるでしょう。
最初はやりにくさを感じることもありますが、仕事なので指示に従い、協調性を高めることが大切です。
年齢によっては体力的にきつさを感じやすい
50代や60代で再就職する際は、体力的にきつさを感じやすいのも注意点の1つです。50代を超えると体力の衰えを感じやすくなり、以前は普通にこなせていた仕事でも、辛く感じることがあります。
アルバイトやパートなら自分のライフスタイルや体力に合わせてシフトが組めるので、負担もあまり大きくありません。
薬剤師の再就職を成功させる5つのポイント
1.転職エージェントを活用する
再就職を成功させるために、転職エージェントを活用してみてください。転職エージェントでは自分のスキルや経歴を入力するだけで、その人に合った求人を紹介してくれるものです。
転職エージェントにもいろいろな種類があり、できれば求人数を多く取り揃えているところを選ぶと良いです。
また、60歳以上の求人も見つかりやすいので、定年を迎えた薬剤師の人にもぴったりです。
2.改正された法律や制度を把握しておく
薬剤師として再就職する前に、改正された法律や制度を改めて把握しておくことが大切です。法律や制度が改正されると業務内容が大きく変わる場合もあるので、事前に確かめる必要があります。
法律や制度が変わったことを知らずに再就職すると、現場で戸惑って、業務に支障が出る場合があるかもしれません。
新しい法律や制度は厚生労働省のホームページでも確認できるので、ぜひチェックしてみてください。
出典:厚生労働省
3.新薬について勉強しておく
新薬についても勉強しておきましょう。医薬品業界は日々目まぐるしく動いているので、置いていかれないように、知識を学んでおく必要があります。
新しく出た新薬について全て把握するのは難しいですが、再就職先となる職場で用いられるものは目を通すようにしておきましょう。
4.優先順位を明確にする
自分の中で優先順位を明確にしておきましょう。「ライフスタイルに合わせて働きたい」「老後資金を集めるために働きたい」など一人一人希望は違いますよね。
求人を探す上でゆずれない条件を明確にしておくことで、自分に合った職場を探しやすくなります。給料面でも、勤務時間でも、働き方でも何でも構いません。
5.ブランクがある理由を説明できるようにしておく
ブランクを経て再就職する際は、なぜしばらく離れていたのかを説明できるようにしておきましょう。
再就職先でも面接が実施されます。ブランクがある場合は「なぜ離れていたのか」という質問が来る可能性が高いです。
できればブランクがあることをデメリットに感じさせないように伝えることが大切です。
例えば離れていた間も医療業界の勉強をしていた、いろいろな職経験を経てさまざまな知識とスキルを身につけられたなどとアピールできれば、好印象を持ってもらえるでしょう。
再就職を目指す薬剤師におすすめの転職エージェント3選
お仕事ラボ
- 転職後の高い定着率が魅力的
- 薬剤師に特化したコンサルタントがサポート
- 転職後も相談に対応してくれる
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よくあるヒアリングではなく、細部までその人のこだわりを聞き出した上で求人を紹介してくれます。自分が本当に希望としている求人が見つかりやすいでしょう。
転職前だけではなく転職後もサポートしてくれるので、何か不安やトラブルを抱えたときでも相談しやすいです。
公開求人数※2022年5月27日時点 | 29,232件 |
主なサービス・機能 |
|
利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社AXIS |
出典:お仕事ラボ
※公式サイトの文言による
マイナビ薬剤師
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公開求人数※2022年5月27日時点 | — |
主なサービス・機能 |
|
利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
出典:マイナビ薬剤師
ファルマスタッフ
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公開求人数※2022年5月27日時点 | 41,528件 |
主なサービス・機能 |
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利用可能地域 | 全国 |
運営会社 | 株式会社メディカルリソース |
出典:ファルマスタッフ
よくある質問
まとめ
今回は薬剤師の再就職について詳しくまとめていきました。調剤経験がある人でもない人でも、定年を迎えた人でも、再就職ができる可能性は高いでしょう。
ただし、薬剤師は豊富な知識が必要な仕事なので、日々知識をアップデートしておく必要があります。
また、効率良く再就職先を探すなら転職エージェントを利用するのがおすすめです。自分の希望や理想に合った求人を紹介してくれるので、ぴったりの再就職先が見つかるでしょう。
記事内では再就職を目指す薬剤師におすすめの転職エージェントを紹介したため、ぜひチェックしてみてください。