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HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向
HRテックは、最新のテクノロジーで多忙な人事担当者の悩みを解決できると、近年注目を集めています。
そこで、この記事ではHRテックについて詳しく解説していきます。
HRテックとは何か、どういった背景で普及したのか、HRテックの市場規模やメリットをご説明します。
また、HRテックの活用領域と注目のサービスもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
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目次
HRテックとは、人材・人事を意味する「HR(HumanResouces)」と「テクノロジー(Technology)」を組み合わせた造語です。
近年、金融とテクノロジーを組み合わせた「FinTech(フィンテック)」や、医療とテクノロジーを組み合わせた「MedTech(メドテック)」のように、「○○Tech」と称したサービスが急速に発展しています。
これは、従来からある様々な領域にIT技術を活用し、新たな価値や仕組みを提供しようというもので、人事領域もそのうちの一つです。
HRテックは、クラウドや人工知能(AI)、ビッグデータ解析などの最先端テクノロジーを活用し、採用・教育・評価・労務といった人事課題を解決・効率化するサービスを言います。
具体的には、「勤怠管理システム」や「給与計算ソフト」、社員の持つスキルなどを一元管理する「タレントマネジメントシステム」がHRテックに含まれます。
HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
HRテックについて理解が深まったところで、国内外のHRテック市場について見ていきましょう。
日本国内のHRテック市場は、年々規模が大きくなっています。
ミック経済研究所が調査した、クラウド型ソフトウェアサービスを提供している企業(40社)を対象に行った、調査によると
の4分野からなるHRテッククラウド市場は、2018年度で256.4億円、2019年度には349.0億円(前年比136.1%)にまで成長したことが明らかになりました。
また、2024年度には1,700億円の市場規模になると同社は予測しています。
HRテックはクラウド型以外にもさまざまな、分野があり軒並みは大きくなっていることから日本のHRテック全体が急拡大していると言えます。
Binsightsの調査によると、世界のHRテック市場は、約140億ドル(約1兆5000億円)と言われており、HRテック先進国のアメリカが全体の62%を占めています。
また、ラスベガスでは、22回目となる世界最大級のHRテックイベント「HRTechnologyConference&Expo2019」が開催され、1万人以上のHR領域に関わる人が参加したことからも、HR市場の注目度は高いと言えるでしょう。
世界のHRテック市場における日本のシェアは2%程度(約300億円)とされていますが、国内外問わず注目度の高い市場であるため、今後はますます規模が拡大していくと考えられます。
現在日本では、数多くのHRテックのサービスが展開されています。
商品やサービスを提供する企業をカテゴライズした「カオスマップ」は、企業が展開するサービス内容や競合他社を把握することが可能です。
HRテックのカオスマップを活用することで、企業の課題を解決してくれるサービスを選びやすくなるでしょう。
現在は主に求人や採用、労務管理のサービスが多く提供されています。
しかし、人手不足が叫ばれる昨今、どのカテゴリーも年々増加し、HRテックの市場規模は拡大していくと予測できます。
HRテックのカオスマップ | ||
---|---|---|
カテゴリー | サービス内容 | サービス名 |
求人 | ・求人サイト ・就職マッチングサービス |
・マイナビ転職 ・イーキャリア |
採用 | ・採用管理システム ・動画面接ツール ・履歴書やオファーレターの作成 |
・HARUTAKA ・Talentio |
エンゲージメント | ・コミュニケーションツール ・人事評価システム ・評価指標の体系化サポートサービス ・本社と店舗を双方向の動画でつなぐサービス |
・ClipLine ・TANREN |
労務管理 | ・勤怠管理システム ・給与計算ソフト ・入退社手続き ・年末調整 |
・クラウドハウス ・SmartHR |
アウトソーシング | ・業務の外部委託が可能なサービス ・スカウト代行サービス |
・HELP YOU ・PRO SCOUT |
アルムナイ | ・退職社員の出戻りを支援するサービス | ・Airy for Alumni ・Official-Alumni.com |
HCM | ・人的資本管理のサービス | ・freee人事労務 ・ヒトマワリ |
HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
近年、急速にHRテックが普及していますが、どのような背景があるのでしょう。
ここでは、HRテックが普及した背景をご紹介していきます。
かつての人事向けソフトウェアは、人事担当者のみの利用を想定していたため、一般の社員から提出された情報を人事担当者が手入力し、管理していました。
しかし、スマートフォンやタブレットといったデバイスの普及によって、分かりやすく使い勝手の良いサービスが登場したため、一般の社員も自分のデバイスから入力できるようになったのです。
これにより、人事担当者の負担を抑えつつ、正確な情報を把握することができるようになりました。
また、今までメール・口頭・書面で行っていた面接時の共有事項や、社員へフィードバックなどもアプリを通してリアルタイムに伝えられるようになったのです。
これまでのHRテックは、ソフトウェアのライセンスを最初に購入し、自社サーバーで人事データを管理する「オンプレミス型」が一般的でした。
しかし、新しいバージョンをアップデートするには追加課金しなくてはならないため、追加投資に躊躇したり、インフラ調整に時間が掛かったりすることから導入しづらかったのです。
一方、基本的に定額課金であるクラウド型サービスは、アカウント登録後すぐに利用できますし、バージョンが新しくなれば無料で自動更新されます。
クラウド型のサービスは、コストを抑えて手軽に利用できるため、人事システムに投資できない中小企業にも広まったのです。
人口知能(AI)や機械学習によるビッグデータの分析技術が飛躍的に進化したため、分析結果を様々な人事業務に活用できるようになりました。
例えば、収集した従業員データの分析によって、
といった活用が可能です。
また、従業員が着用しているウェアラブル端末やスマートフォンを活用すれば、システム上で従業員の健康状態を管理することもできます。
日本では、
といった影響からHRテックに注目が集まっています。
労働力人口が減少しているため、限られた人員の中でいかに生産性を上げるか、が求められています。
HRテックは、ルーチン業務・定型業務の自動化や、クラウド上で情報の管理・共有が可能なため、生産性向上につながると期待されているのです。
また、企業競争の激化している近年において、少ない働き手の中から高い成果を出してくれる「優秀な人材の獲得」は、企業にとって最重要課題と言って差し支えないでしょう。
国内外問わず優秀な人材を獲得するには「オンライン面接ツール」による間口の拡大や、多様な働き方に合わせた雇用形態・勤務形態に対応できる「勤怠管理システム」のような環境整備が必要です。
さらに、終身雇用の崩壊による流動性が進んでいるため、自社の優秀な人材を流出させない施策も重要視されています。
つまり、IT技術の進歩や企業を取り巻く様々な環境が変化したため、HRテックが普及したのです。
HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
2024年現在、労働人口が減少している日本において、優秀な人材を確保する、人材の離職を防ぐ、生産性を向上させるなど、人事労務領域においてもテクノロジーを活用した様々な動きがあります。
また、2020年の年明けから猛威を振るった新型コロナウィルスも、HRテック業界にも大きな影響を与えました。
2024年のHRテックのトレンドは大きく分けると以下の4つです。
2020年に発生した新型コロナウィルスの影響で、日本のみならず世界規模で、在宅ワークの需要が高まりました。それに伴い在宅ワークを支援する様々なツールがリリースされています。
人事領域も例外ではなく、社員同士の連携を支援するツールの導入に始まり、会社の監視が届かない場所で働く従業員の勤怠管理を行うクラウドツールの導入などがトレンドとなっています。
また、在宅ワークが基本になったことによって、研修などもこれまでの集合型ではなくリモートで行う企業が増えたことによって、リモート型研修を支援するツールなどもトレンドとなっています。
新型コロナウィルスの影響を特に受けた業務に、採用業務で行われる企業説明会や面接があります。
特に新卒採用ではその影響が大きく、大規模な就職マッチングイベントなどは軒並み中止となり、多くの企業がオンライン説明会、オンライン面接で対応しました。
これまでから、LINEやSkypeなどテレビ電話機能のツールはありましたが、セキュリティ面や機能面で企業説明会や面接に適してはいませんでした。
そのため、多くのオンライン説明会ツール、オンライン面接ツールがリリースされ、ほとんどの企業が導入するほどトレンドとなっています。
2020年は、数年前から問題視されてきた「カンと経験に基づいた人事」を変革するツールもトレンドになっています。
例えば、自社の社員の経歴やスキル、会社での業績などを一元管理し、適材適所な人材配置に生かすためのタレントマネジメントツール。
また、人事管理、勤怠管理、労務管理、経費管理と言った個別で提供されることの多かった人事採用関連のツールを、一つにまとめた人事業務プラットフォーム型のツールなども注目が集まっています。
近年、通年採用を後押しするツールの増加が予想されています。
これはリモートワークの普及からはじまり、さらに通年採用を拡大する方針を経済団体連合が示したことから始まった動きです。
従来のような横並びの人材採用から一転して、今後どの企業でも多様な採用方法が取り入れられるでしょう。
これにより、留学生などの採用チャンスが拡大していくことも考えられます。
ますます会社説明会や選考日程などの調整が複雑化していくことから、HRテックのような情報を正確に管理できるツールが不可欠になっていくでしょう。
HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
HRテックが注目されることになった背景には、様々なテクノロジーの進歩が影響しています。ここではHRテックを支えるテクノロジーについてご紹介します。
クラウドとは、インターネットを介して様々なツールや情報にアクセスするという考え方を指す言葉です。
例えば、インターネットを介してファイルの保存などを行うオンラインストレージや、インターネットブラウザからログインする採用管理システム(ATS)などもクラウドサービスの一つです。
クラウドの特徴は、インターネットさえあれば場所を選ばずどこでも利用できる点と、データが一つの場所に管理されていることにより分析がしやすくなるという点です。
クラウドを活用すれば以前のように、Excelファイルの中身を見るためだけに出社するということも不要ですし、データ分析を行うためにいくつものファイルを一つにまとめる必要もなくなります。
ビッグデータとは、これまでの方法では、記録、分析ができないような大量のデータという意味があります。
また、量が多いという意味以外にも、情報の持つ性格や形式が多岐にわたるデータという意味も含まれています。
人事業務は、これまでカンや経験を頼りに意思決定をされることが多くありました。
クラウドサービスなどを活用し、応募者情報や内定者情報、入社後活躍している人物に関する様々なデータを分析することで、効率の良い採用活動や、人材配置を行うことが可能です。
人口知能とは、一般的には、これまでのコンピューターではできなかったような高度な処理を行うプログラムのことを言います。人口知能を指す英語の、「artificial intelligence」の頭文字を取り「AI」と呼ばれることもあります。
人口知能はこれまでのプログラムとは違い、データの処理を繰り返す内にプラグラム自体が自ら学び、精度が上がっていくという特徴があります。
人事業務において人口知能の活躍は、幅広い業務の中で期待されています。
例えば、選考のマッチングを人口知能に任せ、判定を繰り返して精度を高めていくといった活用方法や、様々なデータを人口知能を使って解析し、データに基づいた人材配置をするなどです。
既に、人口知能を用いた選考マッチングや、人材配置は様々な企業で行われており、人間が行った場合よりも制度が向上したというデータも多数あります。
HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
様々なサービスが次々と生み出されているHRテックですが、どのようなメリットがあるのでしょう。
HRテックは、定型業務の削減が可能なため、採用計画や育成計画といった戦略的業務に注力できるようになります。
人事は、給与計算や勤怠管理、各種証明書発行、面接の日程調整など、幅広い業務を行っています。
しかし、こういった業務を手作業で行うと膨大な労力が掛かるため、戦略的業務へ支障をきたしていました。
HRテックは、人事の定型業務をルール化することによって自動で処理できます。
社会保険の手続きや従業員の入退社手続きをオンライン上で行えるため、役場へ出向いて手続きする必要がありません。
さらに、住所変更や定期区間の変更手続きなどを従業員自身が行えるシステムも増加しているため、そのようなサービスを利用すれば、入力ミス防止や更なる業務効率化も可能でしょう。
このように、データ管理や労務作業が自動化されることで、人事担当者は人材育成や採用計画のような戦略的業務に注力することができるようになるのです。
人事の取り扱っている情報は、応募者の履歴書や面接の評価、従業員の給与や人事評価など多岐にわたります。
HRテックはクラウド上に人事関連のデータを一元管理できるため、必要な情報をすぐに取り出すことが可能です。
また、蓄積したデータを可視化・分析することによって、勘や経験に基づいて行われていた採用や人事評価をデータに基づいて行えるため、客観的で公正な意思決定を下せるようになります。
AIによるデータ分析は、成長意欲の高い社員や退職リスクの高まっている従業員を見つけ出すことができるため、各人に沿ったきめ細やかなマネジメントの実現につながるのです。
中小企業庁の調査によると、新卒社員の4割、中途社員の約3割が早期離職するとも言われています。
早期離職の大きな原因である入社後に感じるギャップを低減させるために、きめ細やかなマネジメントが必要とされています。
前述の通り、HRテックはデータの分析によって、離職リスクの高まっている従業員を見つけ出すことが可能なため、対策を講じることも可能です。
また、ビジネスチャットツールなどを利用すれば、コミュニケーションが活性化されるため、良好な人間関係の構築に役立ちます。
さらに、データに基づいた納得感のある人事評価や人員配置ができるため、従業員満足度の向上や離職率の低下に有効です。
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HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
HRテックは、「採用管理」「人材管理」「労務管理」「育成・従業員定着」の領域で活用されています。
それぞれの領域の代表的なサービスと、その内容について見ていきましょう。
採用業務関連のサービスでは、「採用管理システム(ATS)」や「Web面接システム」があります。
採用管理システムは、応募から入社までに発生する一連業務を一元管理できるシステムです。
具体的には、
採用管理システム上で求人内容を設定・編集を行えば、複数求人へ内容を反映させることが可能です。
また、自動日程調整や合否連絡が可能であり、応募者や関係者とのコミュニケーションも採用管理システムを通して行えるため、対応スピードの向上や対応漏れを防ぐこともできます。
近年は、クラウド型の採用管理システムが登場しているため、履歴書や選考の進捗状況、面接時の評価がリアルタイムで共有できます。
オンライン面接ツールは、インターネット上で応募者と面接・面談を行えるツールです。
従来の対面方式と異なり、移動時に掛かる交通費や宿泊費が発生しないため、地方や海外在住の優秀な人材を獲得する機会につながります。
面接内容を録画しておけば社内の関係者にも共有できます。
現場の意見を参考にしたり、正確なフィードバックを受けられたりするため、面接官の教育も可能です。
また、最近はオンライン面接機能と採用管理機能を搭載したシステムも登場しています。
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人材管理に関する代表的なサービスとして、「タレントマネジメントシステム」が挙げられます。
タレントマネジメントシステムは、従業員のスキルや経験、人事評価データを一元管理するシステムです。
具体的には、
従業員の社員情報や勤怠状況、評価内容などの情報管理
パフォーマンスの管理をする人事考課機能
育成計画の管理
のような機能があります。
タレントマネジメントシステムは、個人の能力を可視化できるため、職務適性を考慮した適正な人員配置や、個別の育成プラン作成などを行えます。
また、入社・退社・異動の時期や退社理由といった情報をシステム上で管理できるため、離職要因の分析が可能です。
最適な人員配置や優秀な人材を引き留めるリテンション施策、人材育成といった課題解決に有効なシステムと言えるでしょう。
労務関連の代表的なサービスには、「給与計算システム」「勤怠管理システム」「労務管理システム」の3つが挙げられます。
給与計算システムは、勤怠管理データと雇用情報から自動的に給与計算するシステムです。
社員・アルバイト・パートなど多様な雇用形態に合わせて、複雑な計算を自動化できるため、毎月の給与計算や賞与計算、年末調整といった業務を効率化することができます。
勤怠管理システムは、従業員の出退勤時刻の記録や残業時間の管理、休暇の申請・取得記録などの勤怠管理業務を支援するシステムです。
具体的には、
のような機能が搭載されています。
従来はタイムカードの打刻からExcelへ入力してデータを管理する必要があったため、莫大な時間と労力が掛かっていました。
クラウド型の勤怠管理システムであれば、生体認証やICカードで打刻した正確な情報をクラウド上で保管できるため、従業員ごとの勤怠情報をリアルタイムで把握することができます。
残業時間や有給取得情報などを確認できるため、残業の多い従業員には注意喚起したり、有給取得を呼び掛けたりと働き方改革関連法の対策も可能です。
労務管理システムとは、社会保険や雇用保険、年末調整の手続きといった労使関係の管理を支援するシステムです。
具体的には、
の機能が搭載されています。
入退社や住所変更などによって発生する手続きでは、従業員ごとの書面作成と関係機関への提出もしくは、保管管理を行わなくてはなりません。
煩雑な書類も簡単に作成できるよう工夫されたサービスが多く、役所やハローワーク、年金事務所への電子申請が可能なため、大幅な工数削減につながるでしょう。
育成・従業員定着に関連する代表的なサービスは、「学習管理システム(LMS)」「従業員サーベイツール」の2種類があります。
学習管理システム(LMS)は、学習教材の配信や受講状況、成績などを管理するシステムです。
具体的な機能は
などが搭載されています。
スマートフォンやタブレットといったデバイスにも対応しているため、多忙な従業員も手軽に受講できます。
受講状況やテストの成績もリアルタイムで把握できるため、改善アプローチを行えば、学習効果を向上させることが可能です。
従業員サーベイは、従業員満足度やエンゲージメント(愛着や貢献度)を図るアンケート調査を支援するツールです。
Excelのような従来のアンケート方法では、データ分析や保管作業に膨大な労力が掛かり、継続的・定期的に実施できない企業も多々ありました。
従業員サーベイツールは、すぐに答えられる少数の質問を定期的に実施するため、従業員の声をリアルタイムで抽出できます。
また、未回答者への催促連絡や回答結果の分析・グラフ化機能も付いているため、人事の業務削減が実現します。
従業員や部署といった任意の属性ごとにエンゲージメントを確認できるため、部署や組織全体にどういった問題点があるのか客観的に把握しやすいです。
対策方法を提案するサービスもあり、人材定着に効果が期待できます。
HRテックとは?現在のトレンド、市場規模拡大の背景、今後の動向 TOPへ
活用領域と代表的なサービスをご紹介してきました。
では、ご紹介した領域注目のサービスと、その導入事例について見ていきましょう。
採用管理の領域で注目を集めているサービスをご紹介します。
タレンタ株式会社:デジタル面接プラットフォーム「HireVue」
HireVueは、アメリカで開発された面接特化型のツールです。
動画面接ができるだけでなく、プログラミングコードテストや面接日程調整、AIの応募者分析による活躍人材の予測もできます。
また、最新の機械学習を活用したゲームベースの認知能力測定機能も付いているため、優秀な人材の見極めにつながるでしょう。
導入事例:ヤフー株式会社
ポテンシャル採用の選考プロセスに活用。
事前に設定した5つの設問に沿って、録画面接を実施(1次面接)。
同社のバリューとの適合などを選考基準として設定したところ、1次面接の選考時間が15分短縮され、日程・会議室の調整作業が削減された。
株式会社donuts:ジョブカン採用管理
ITトレンド2018年年間「採用管理・選考管理システム」ランキング1位を獲得したこともある人気の採用管理システムです。
募集から内定までの一連の採用業務を行えるため、業務効率化や円滑な応募者対応が可能です。
また、シンプルな仕様で人事以外の採用担当者も使いやすく、進捗状況も一目で把握できます。
導入事例:株式会社アソシエ・インターナショナル
属人的な管理により、対応の遅れやミスが発生していた。
また、採用人数が増加したため、Excelでの管理に限界を感じた。
導入後は人為的ミスがなくなり、進捗状況の把握がスムーズになった。
人材管理の領域で注目を集めているサービスをご紹介します。
株式会社ビズリーチ:HRMOSCORE
従業員や組織に関する様々な情報を一元管理し、集めた情報を自動でグラフ化できるため、適材適所の人材配置・育成計画を行いやすいです。
また、従業員自身が情報を入力するため、人事の手間を大幅に削減することができます。
導入事例:WILLEREXPRESS株式会社
導入以前は全国の営業所それぞれが、社員情報をExcelや紙で管理していた。
HRMOSNOREの導入によって社員の見える化が進み、円滑なコミュニケーションにつながった。
今後は、社員情報を利用した適切な人員配置などを行っていきたい。
労務管理の領域で注目を集めているサービスをご紹介します。
株式会社ヒューマンテクノロジーズ:クラウド型勤怠管理システム「KINGOFTIME」
KINGOFTIMEは、19,000社の企業に導入されており、勤怠管理クラウド市場でNO.1のシェアを誇っています。
残業・有給休暇といった企業ごとに異なる就業ルールに合わせた設定や、出退勤の打刻をリアルタイムで自動集計することができます。
また、アラート機能も付いているため、一定の値を超える残業や従業員の打刻漏れを一目で把握できるのです。
タイムカードの回収や出退勤時刻の入力・計算といった作業がなくなるため、工数やコストを大幅に削減できるでしょう。
導入事例:株式会社メルカリ
外国人を含む1650名を超える従業員を2名で対応。
社内チャットツール「Slack」と連携することで、残業時間が多い社員に自動的にアラートを上げる仕組みづくりをしている。
株式会社ネオキャリア:jinjer労務
クラウド型の労務管理システムで、従業員の入退社によって発生する書類の作成をWeb上で簡単に行える他、進捗状況も管理できるため、提出漏れを防止できます。
また、電子政府(e-Gov)との連携により、Web上で社会保険の申請手続きを行えるため、役所へ出向く必要がありません。
育成・従業員定着の領域で注目を集めているサービスをご紹介します。
株式会社スタディスト:TeachmeBiz
TeachmeBizは、写真や動画から簡単にマニュアルを作成・共有できるクラウド型のサービスです。
取り込んだ写真や動画は編集できるため、補足などのコメントを入れて分かりやすいマニュアルを作成できます。
また、PC画面や動画キャプチャをそのままマニュアルに追加できるため、編集しなくても作業手順を正確に伝えることが可能です。
導入事例:株式会社サンベルクスホールディングス
Office系のソフトでマニュアル作成を試みたが、上手くいかずマニュアルがほとんど存在しない状態だった。
撮影しながら編集できるため、1日がかりのマニュアル作成が30分でできるようになった。
また、画像や動画で作業手順が分かるため、留学生の教育にも役立っている。
株式会社ヒューマンキャピタルテクノロジー:従業員のコンディション変化発見ツール「Geppo」
事前に用意された仕事満足度や人間関係、健康に関する簡単な質問に回答してもらうと、すぐにダッシュボード上で内容を確認できます。
また、注意が必要な社員がいた場合、上司などにエスカレーションを出して対応を促すことも可能です。
導入事例:ソフィアメディ株式会社
入社半年未満で離職してしまう現状に悩み、従業員定着を目的として導入。
Geppo導入後は、アンケートから従業員の声をリアルタイムに知ることができ、不安や悩みを解消できるよう対応した。
従業員との信頼関係構築にもつながり、離職防止に役立っている。
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そもそも、現在のHRテック関連サービスの多くはクラウドサービスとして提供されています。
そのため、難しい設定などはなく、ログインIDとパスワードのみで使い始められ、導入までのハードルは高くありません。
このようなことから、HRテックを実際に導入する場合には、導入するツールの導入方法に依存することになるので、ツール選定の段階で導入のハードルは高すぎないかということは確認しておくべきでしょう。
また、HRテックツールをダウンロードした後に、使いこなせなければ意味がありません。
ですので、導入元のサポートを活用しツールに関わるメンバーが十分理解し、使いこなせるような研修を行うことが重要です。
また、そのツールだけではなく、背景にある技術などについても理解することがHRテック導入を成功させるためのコツです。
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テクノロジーの進化に伴い、HRテックは組織や採用のあり方を大きく変えることになり、HRテック市場も拡大していくでしょう。
業務効率化によって戦略的な採用・育成を行っていくのはもちろんのこと、従業員との関係構築などAIにはできない役割や、イノベーション創出が求められる時代になると考えられます。
これからの人事は、経営者の視点を持ち、競争優位に立つための人事戦略を考えていくことが求められます。
そして、経営戦略の目的を達成するにはどのような人材が必要か、どのような育成プログラムを行うべきなのか、といった人事戦略を立てるためにも、HRテックは欠かせない存在になるでしょう。
HRテックをまだ導入していない企業は、ご紹介した注目のサービスを参考に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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