自分にとって働きやすい環境とは?現役産業カウンセラーに独自インタビュー
そんな方へ向けて今回は、「自分の働きやすさ」に着目して現役産業カウンセラーで社会保険労務士の石川弘子さんにお話を伺いました。
産業カウンセラーは、企業で働く人を職場環境作りやメンタルヘルスケアを行う仕事のため、職場環境で悩んでいる方は参考にしてみてください。
代表
石川弘子
青山学院大学経済学部経済学科卒業。企業で総務業務に従事する間、社会保険労務士資格を取得。その後、平成16年10月に石川社労士事務所を開業。平成28年4月にフェリタス社会保険労務士法人に組織変更し、代表社員に就任、現在に至る。労働・社会保険手続き代行、就業規則作成等の他に、中小企業から上場企業まで、様々な企業の労務相談を受けている。また、障害年金請求手続きや、産業カウンセラーとして、企業のメンタルヘルス対策などにも携わる。
本記事では、消費者庁のアフィリエイト広告等に関する検討会報告書「アフィリエイト広告の意義」のガイドラインに基づいた形式で広告であることを明記しています。
各転職エージェントの評価は消費者庁の景品表示法に基づき、公式サイトの情報・利用者の口コミや評判を元にランキング化しており、ユーザー方々がより良いサービス・商品を選べるよう尽力しています。
Contents
自分に合う仕事は「自分が譲れないこだわり」3つで探す
いざ転職をしようと決断しても自分がどんな仕事をしたいのか、何を求めて転職したいのかなど、漠然としたまま転職を考えている人もいると思います。
ーーまずはじめに自分に合う仕事がわからないときはどうすれば良いでしょうか?
「自分に合う仕事が分からない」という場合、様々な角度から考えてみるといいのではないでしょうか?
人によっては、「社会に対して何か役立っているという実感が得られる仕事がしたい」という人もいれば、「仕事よりも趣味や家族との時間を重視したいから、仕事はある程度条件で選びたい」という人もいます。
もちろん、全ての条件を満たせる仕事ができれば一番ですが、まずは自分がどのような価値観を大事にしているのか?を確認するため、「これは譲れない!」という自分の基準を把握しておきましょう。
あまり数が多くなると絞れないので、上位3つくらいまで書き出してみましょう。
その上で、「自分はどんなことが好きで、どんなことが得意なのか?」という自己分析も大切です。
ーーまずは自分をよく知ることから始めるということですね。
ですが、自分のこととなると、なかなか分からないですね。
そこで、どんなことでもいいので、自分が「好きだな」と思うことや、他人からよく言われる「あなたはこういうことが得意だよね」ということを片っ端から書き出してみましょう。
「自分が得意な事」というと、何かすごく特別な才能のような気がして、「私には他人に自慢できるような特別な事なんて無い」「特に趣味も無いし、好きな事っていっても…」と思われるかもしれません。しかし、どんな些細なことでも構いません。
ポイントは「動詞で挙げてみること」です。例えば「教える」「字を書く」「細かい数字を合わせる」など。
色々書き出していくことによって、改めて見てみると、自分の興味や他人より得意なことなどが、見えてくると思います。
企業選びのコツは会社規模と条件に着目すること
自己分析が完了したら、いよいよ企業選びのステップに進みますね。
ーー企業選びの際に注意して見るべき項目や内容はありますか?
「企業選び」でいうと、その企業の規模(売上高や従業員数、資本金額)や業界での位置などはチェックした方がいいでしょう。
「自分は、幅広く色々なことをしたいし、人間関係の調整などは向いていない」という人は、大きな企業よりは中小企業の方が環境的には向いているかもしれません。
また、中小企業でも特殊な技術を持っていて業界でのシェアが高い企業などはある程度安定性が見込めると思います。
ーーより良い職場環境の企業を探す際のポイントはありますか?
転職した後に、「そんな条件とは知らなかった」ということがないように、事前に条件についてはしっかり確認したいところです。
企業の求人情報では、労働時間や給与などの記載はありますが、それがそのまま転職後の労働条件になるとは限りません。全国に支店がある企業などの場合は、転勤の可能性もあるかもしれません。
「入社したら思っていた条件と違った」ということが無いように求人情報だけでなく、様々な角度から企業情報を集めていきましょう。
やりたい仕事ができる企業=マッチしているわけではない
自分を見つめ直して気になる企業が見つかったとしても、その仕事ができる企業が必ずしも自分とマッチしているとは言い切れないですよね。
入社後にミスマッチと感じる要因が「職場環境のギャップ」という声も聞くことがあります。
ーー職場の雰囲気というのストレスに繋がりやすいのでしょうか?
企業には、その企業に独特の社風や慣習があります。人にも様々な性格があり、相性があるのと同じで、企業にもその企業の性格(社風)や価値観(慣習)があり、相性もあります。
以前にある企業の新入社員が、「お昼休憩の時に、皆で休憩室に集まってお弁当を食べるというのが、苦痛だった」と言って、退職するということがありました。
「そんなことで?」と思われる方もいるかもしれませんが、1日のうち長い時間を過ごす職場の雰囲気などは、とても大きな影響があります。
転職サイトなどでは、職場の写真などが掲載されていることもあると思いますので、社内の雰囲気が少しは分かると思います。
ーー社内の雰囲気を把握する方法はあるのでしょうか?
また、先輩社員の声などは必ずチェックしておきたいところです。
よく、転職サイトの企業紹介で、「我が社は社員が家族同様に仲がいいです!」といった内容を見かけることがあります。
「休日まで会社の人と付き合いたくない」という価値観の人は、居心地が悪い思いをするかもしれません。
現在では、ほとんどの会社がホームページやSNS等の公式アカウントをもって情報発信等をしていると思います。事前に調べられることは、できるだけ調べておきましょう。
入社したとしたら、一緒に働く人はどのような人たちなのか?会社の価値観や雰囲気はどのようなものなのか?をできる限り、チェックしましょう。
迷ったら転職サイトを使って求人を探すのもおすすめ
企業選びをするために転職サイトを使っている人は多いでしょう。たくさんの転職サイトから1つのサイトを選ぶのは難しいですよね。
ーー転職サイトはどのように選べば良いのでしょうか?
今は様々な転職サイトがあって、どれを選んだらいいのか迷われる方も多いと思います。
転職サービスは大きく以下のように分かれると思います。
- 求人広告サイト
- 人材紹介
- 人材派遣
専門スキルの高い方や特殊なスキルを持っている方は、広く募集をかけている求人広告サイトより、人材紹介会社に登録して紹介してもらう方がよりマッチした求人に出会える可能性が高いです。
求人広告サイトも数多くのサイトがありますが、それぞれ特徴があります。
また、最近では求人広告の検索サービス(Indeed)などもありますので、様々な求人を探すことができます。
それぞれの転職サイトの特徴を踏まえて、上手に活用してください。
転職しないで現状解決できる人と転職しなければ現状を変えられない人とは?
「今の仕事が辛い…」と感じている人は多いですが、転職することだけが解決策になるわけではないですよね。転職しないで現状を解決できるなら、あえて転職を選ばない人もいるでしょう。
ーー転職しないほうが良い人はどのような人なのでしょうか?
「転職をしたい」と思ったキッカケや経緯によっては、「今はまだ転職しない方がいい」ということもあります。
◆転職しない方が良い人①
「職場にどうしても気の合わない人がいる」「理不尽な上司の下で毎日が苦痛」といった人間関係が原因で転職したい、という人は少し考えた方がいいと思います。
人間関係の悩みはどの職場でもありますし、新しい会社に入っても何かしらの人間関係の悩みというのは出てくると思います。
目の前の人間関係の問題について、まずは向き合ってみて、自分なりに納得のいく結論が出るまでは、転職で環境を変えようというのはおすすめしません。
今の人間関係について真摯に向き合い、自分なりの結論が出たところで改めて考えてみてはいかがでしょうか?
◆転職しない方が良い人②
憧れだけで異業種にチャレンジしたい!という人は少し注意が必要かもしれません。
例えば、「趣味や好きな事を仕事にしたい」という人の場合、趣味や好きな事のいい面しか見ておらず、「好きな事であれば、頑張れる!」と思っている方もいるかもしれません。
一見、華やかでカッコよく見える仕事でも、長時間労働や低賃金が当たり前、という場合も多々あります。
最初のうちは「好きな事だから、条件は何でも構わない」と思っていたとしても、何年もそのような情況が続いた際に自分の人生設計に影響を及ぼすこともあります。
業界について事前にしっかりと調べておくことが大切です。
ーーでは転職したほうが良い人はどのような人なのでしょうか?
◆転職した方が良い人①
「今の会社がブラック企業で、長時間労働やサービス残業が横行している」という場合は、転職を検討した方がよろしいと思います。
心身が疲弊するほどの長時間労働をさせたり、コンプライアンスを守らずサービス残業を強要するような会社では、長く働くことは難しいのではないでしょうか。
その方にとっては、それでも残業が多い!と思ったのかもしれませんが、世間的には法律の時間外労働上限の範囲内でもあり、異常に長いという訳ではありません。
もちろん、30時間の残業でも体力的に厳しい、ということであれば別ですが、世間の感覚や法律を知らずに「うちの会社はブラックだから転職する!」というのは、少し早計かと思います。
◆転職した方が良い人②
「今の会社には特別不満は無いのだけれど、もっとこういうことにチャレンジしたい!」「仕事をしていく中で違う分野に興味を持つようになったので、その分野の仕事についてみたい」というように、前向きな理由での転職は検討してもいいと思います。
現在の仕事にも慣れ、自分の成長も実感できた。だけど、今の会社ではこの先大きなチャレンジや成長のチャンスが環境的に難しい、ということもあると思います。
また、長い職業生活の中で、違う分野に興味を惹かれることなどもあると思います。
ーーそれを踏まえて転職を考えたらまずやるべきことはありますか?
まずは、「なぜ転職をしたいと思うのか?」「どんな転職であれば成功だと言えるのか?」ということを徹底的に考えましょう。
ここが曖昧なままで何となく転職活動をし始めると、あまり上手くいかないケースが多いです。
場合によっては、家族や親しい友人に「私ってどんなことが得意だと思う?」と第三者の意見を聴いてみるのもいいと思います。
自分では気づかなかった自分の姿に気づくきっかけになるかもしれません。
転職する前に知っておきたい!転職をするメリットとデメリットとは?
転職は成功しないかもしれないリスクもありますよね。転職するメリットだけではなくデメリットも理解しておくことで、入社後のギャップやミスマッチを防ぐことができる可能性がありますよね。
転職するメリットデメリットは人それぞれですし、ケースによっても違ってくると思います。
ーーますは転職するメリットを教えてください。
ですが、一般的にメリットとして挙げられるのは、転職することによって様々なスキルや知識を得ることではないでしょうか。
また、別の会社に入ったことで、新たな視野を得ることができます。1つの会社だけだと、その会社内では常識と思っていたことが、世間的にはあまり通用しなかった、ということは多々あります。
転職することによって自分自身の成長を実感できる機会が増えると思います。
ーーではデメリットはどんなものがあるのでしょうか?
一方で、デメリットとしては高い知識やスキル、豊富な経験等を持っていない場合は、条件が下がる可能性もある、ということでしょうか。
一般的な日本の企業にはその会社の給与水準があり、学歴や年齢、経験、職種等によって決まるケースが多いです。
また、転職は環境が大きく変わるので自身にも相当のストレスがかかります。
新しい環境に慣れるのも人それぞれですが、プライベートでも大きなイベントがある時に同じタイミングで転職が重なると、心身ともに疲弊する可能性が高いので注意したいところです。
企業が求める人物像とは?データをもとに解説
一方で企業側の意見として、どのような人が応募してくれたら嬉しいという特徴はあるのでしょうか?
企業にとって良い人材や悪い人材というのも、企業によりけりですが、様々な調査機関が発表する「企業が求める人材像」などを参考にすると見えてくることがあります。
ーー企業にとって良い人材について詳しく教えてください。
2022年9月に帝国データバンクが発表したアンケート調査の結果では、「企業が求める人材像」は全体で以下の通りでした。
1位 コミュニケーション能力が高い
2位 意欲的である
3位 素直である
一方で、中途採用メインの企業だと「専門的スキルを持っている」という点も重視されています。
転職者の場合、コミュニケーションや意欲的など基本的な資質を備え、専門的スキルを持っている人が「良い人材」と言えます。
ーーでは、企業にとって悪い人材について詳しく教えてください。
一方で「悪い人材」についてですが、様々な企業の労務相談を受ける中で共通している項目はいくつかあります。以下のような人材は企業にとっては問題になる可能性が高いです。
- 積極性がない
- 能力が低いことについての自覚がない
- ネガティブな言動で周囲に悪影響を及ぼす
- 協調性がない
- 何でも人のせいにする
企業というのは、様々な価値観を持った人の集まりです。その中で、組織として結果を出すために、目指す方向に向かって他者と協力していける人材が求められます。
そういった意味では、コミュニケーション力や意欲など基本的な資質を備えた人材が「良い人材」と評価されます。
今回お話を伺った石川さん代表「フェリタス社会保険労務士法人」
- 数多くの事例で培ったノウハウと、労働法規に関する豊富な知識
- 迅速・丁寧な対応
- 豊富な情報提供
- 所内の管理体制構築
・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等を提供する企業等の意見を代表するものではありません。
・本記事の内容は、本記事内で紹介されている商品・サービス等の仕様等について何らかの保証をするものではありません。本記事で紹介しております商品・サービスの詳細につきましては、商品・サービスを提供している企業等へご確認くださいますようお願い申し上げます。
・本記事の内容は作成日または更新日現在のものです。本記事の作成日または更新日以後に、本記事で紹介している商品・サービスの内容が変更されている場合がございます。
・本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他の企業等の意見を代表するものではありません。
・本記事内で紹介されている意見は、意見を提供された方の使用当時のものであり、その内容および商品・サービスの仕様等についていかなる保証をするものでもありません。